理論は無知でも理解する

 私はバイオリンの合奏をする時はセカンド、歌でいうところのアルト/バス、を担当するのが好きだ。
 ファーストは主旋律を担うので曲を理解しやすいのだが、その分曲全体を引っ張っていかなければならない。セカンドはサブであるので気は楽だが旋律をとらえるのが難しい。しかしセカンドはパートを理解すると途端に楽しくなる。ハーモニーの妙を全身で味わうことができるのだ。
 セカンドはファーストを支える存在として解説されることが多いが、まあそれも正しいだろう。しかし弾いてる私自身は主旋律の美しさと同時に和音の甘味も堪能している。これは演奏する者だけの贅沢だろう。
 和音を理解するのはエッシャーの陰陽を通り抜けるのに似ている。それは計算された乱気流を通り抜ける快感なのだ。


今日の英語:Harmony
 

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