気付かぬ負荷を浮き彫りにするもの

 私の靴はかかとの外側からすり減る。
 気付いたのはブーツを履くようになってからだ。10年以上前に服屋で一目惚れしたブーツ。母には不評だったが、修理で持ち込んだ店では本物の良い革を使っていると言われた。そう、そのブーツは靴底の減りが早く何度も修理した。靴底も合成ではないゴムだったため磨耗しやすかったのだ。
 歩行に違和感を覚えて靴底を見ると、決まってかかとの外側がすり減っている。心配になって調べたが、どうやらそれがO脚でもX脚でもない「ノーマルな歩き方」の証拠であるとのこと。歩く時は爪先側の方に負荷がかかっているようなイメージを漠然と持っていたのでこれは意外な発見だった。
 例のブーツは靴底だけでなく側面まで破れていってしまったため別れを告げた。それでも今も靴をひっくり返しては、私は正しい歩き方をしているなと一人悦にはいっている。



今日の英語:Soles

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