気配の無い気温

 気温は秋になったのだが、秋らしくからりと晴れた日がない。続く秋雨、まるで盂蘭盆を線対称に梅雨に戻ったかのようだ。
 それでも空が高い。冬に向けて静かに空が結晶してゆく。雨は土を冷やしアスファルトは硬く収縮する。
 においは雨ばかり。乾いた収穫の気配がしない。土は溶けて街は少しずつ沈殿していく。曖昧な雲の夜空、月はどこだろうか。長い夜、静かな夜、窓を開けて眠れる日々もあと僅か。

今日の日記:Fall

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