ネコーヒー:ブレンド #7杯目

 飛び込みたくなる温度と柔らかさ、マイニャスイオンの発生装置。
 テトとマユが我が家に来たのは12月1月だったため、二人の寝床は段ボール箱+ホットカーペットだった。寒さと警戒でそこから離れることはなかったのだが、今は気温も上がりこの家にも慣れ、心地良い場所を見つけてはのびのび寝ている。
 テトもマユも保護猫だったためか未だ気軽に抱っこさせてくれない。以前よりか距離感は縮まったが、後ろからそっと近づいてもその瞬間に振り返って距離を取られる。今のままでは添い寝など夢のまた夢、と思っていたが。
 最近のふたりは留守の間にニンゲンの布団で寝ている。部屋に入って電気を点けると、私の布団の真ん中でまるまるしているふたりと目が合う。テトはすぐさま布団を飛び出し、マユは背伸びをしたあと布団を出ていく。そんなふたりの姿がジタバタしてしまうほど愛しい。私のいない間に、私の布団でこっそり寝ている。そんなささやかな、ちゃっかりとした、照れ隠しのような距離感。嬉しくて嬉しくて、つい煮干しを山盛りにしたくなってしまう。

 煮干し祭は一周年のお祝いの時に。それまでにもうあと20cmの距離をつめたい。

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