セミプロへ至るための礎

 過去は忘れ尽くしたと思っても、おかしな破片が残っていることもある。
 現在進行形で紆余曲折しているマスク製作だが、そのメインのツールとなっているのは「家庭科の授業」で購入した裁縫箱である。活用しているのは針と鋏くらいで、更に針は何本かは代替りしているはずだ。それでも「裁縫関連はとりあえずここ」とボタンやら糸やら半ば物入れ代わりに使い続けている。
 その裁縫箱から10日ほど前驚くべきものが発掘された。

 約20年前のゴム紐である。日の光も湿気も遮断された環境だったため、ほぼ劣化もせず充分使用に耐えうる状態であった。現在はまだマスク用のゴム紐が品薄のため、存分に活用したいと思う。
 ただそもそもを言ったら裁縫箱(と一緒に入っているフェルト)30年近く前からここにあるものだ。この小さな箱を全てひっくり返したら、まだ何か出てくるかもしれない。でもそれは10年後にとっておこう。
 深い意味を持たない過去の破片。それこそが大切な思い出かもしれない。

今日の英語:Memory

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