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息子とレゴリラな旅 そのに

とりあえず足を進めると次に自力で車を運転し、最後には免許証なるものが貰えるアトラクションがあった。こちらは別途低年齢向けのものが隣り合わせになっており、乗り物好きの息子としてはマストで押さえておくところ。

夫が列に帯同する間レーンを走行する小さなドライバーたちを眺め、アクセルを踏むのを忘れてボーっと前を見据える子、すいすいと走る子、ぶつかって身動きが取れずインストラクターに先導されるのを待つ子、自分の乗りたかったカラーを抑えられず泣きじゃくる子など様々で自由な空間に一つ一つの個を見出しながら微笑ましく思った。

我が子はとかく安全運転。アクセルを踏むことは忘れてはいないものの、ぶつかりそうな雰囲気を感じるとアクセルから足を離し、お姉さんに誘導されるのをしかと待っている。「ぶつかりそうになったらハンドルを右に切るんや」という父の教えを守り、右に右に進もうとして右の壁にぶつかる。

カートの数だけ子どもがいるのに、いざレースが始まるとフィルターがかかったかのように我が子しか視野に入ってこないのがなんとも面白い。親はみな同様にスマホを構え我が子の姿を収めるのに必死だ。大声を掛けて先導する親、静かに見守る親、手を振り視線と合図を送る親…親もまた様々。私は終了後出口に迷ってうろついていた息子に声をかけた。「おーい、(息子)ちゃん、こっちやで!」

仮免許をもらって、折角なので本免にするべく写真を数枚撮ってもらい、1,800円で一つ発行した。ポーズを求められ、いくつかオリジナルをキめたのに本人が最終的に採用したのはピースで映った凡庸な一枚。いい思い出になったことには変わりない。

その後父子で別のアトラクションに向かう間、小腹がすいた私はバーガーショップに入ってチュロス(400円)を買った。あつあつの小型(長い棒状じゃないタイプの)なチュロス数個にキャラメルがかかっていてこれがまた意外と美味しい。サイドメニューに小さく載っているだけなので見落としがちだが、ハンバーガーやポテトほどでもない空腹を満たすのにはもってこいの一品だと思う。息子もこれを気に入り、ほとんどを一人で食べた。その後予約していたワークショップへ参加。指定のものを作る以上に目先の小さなレゴピースに心奪われた息子は常時引率のお姉さんの話など聞こえてないかの様にそのピースを繋げて遊んでいたことはここだけの秘密で。

先に進むと劇場に繋がる。4Dのゴーグル(サングラスタイプ)を装着して鑑賞するタイプの内容で、特段怖いものは何もないのだが、立体的な表現をまだかつて見たことがなかった息子には刺激が強かったのか、気づけば途中で外していた。毎回思うのが、眼鏡オン眼鏡はとても見づらい、ということ。まず耳にかかりきらないしズレ落ちてくる。最悪装着時の見た目は暗転の中画面集中の為度外視したとして、眼鏡使用者向けのゴーグルがあればなと思う。そう、たとえば…自分の眼鏡に引っ掛けられるような。(マグネットでサングラスになるタイプのものから着想を得て。)

忍者ものの内容で、入館前より目が乾燥していた私はちょくちょく目が閉じそうになったが面白かった。その近くにある消防車のアトラクション(乗って火を消しに向かう、親子一体となって奮闘する内容のもの)も面白そうだったのだが、一旦後に回して先へと進むとキングダムが現れた。どうにも息子にはまだ早いと思われる乗り物が多数かと思っていた矢先にドラゴンのジェットコースター。息子は初コースターだったが乗りたいというので父子で乗ることに。ラインに並ぶ間再度私はその場を離れ、その先に何があるのか見に行ってみた。

忍者空間、海賊空間の隣に世界のご飯を集め売るカートの広場があった。そこには沢山のレゴを使って表現されたミニチュアの景色が広がっており、食事をしながら眺めるのも楽しい。元より食べようと決めていたメニューが数歩先でまだ完売せず売られていることに多少安堵し元の場に戻ると丁度列が進み、息子の番となった。

レールを二回ほど駆けていったドラゴンが速度を落とし、ゆっくりと定位置に戻ると降りてきた息子が目を輝かせて言い放った。「もう一回乗る!!!」

腕時計に目をやると時刻は15時を回っている。お昼とは、いったい…(震撼)

つづく

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