見出し画像

【投資初心者向け】債券と株式の関係性

米国の資産購入縮小(テーパリング)が近くなってきていますが、それに伴って株価や債券の金利も影響を受けています。その理由を知っておくことが投資判断には重要になります。
この内容が理解できれば、大きな損失を回避できると思いますので最後までご覧ください。

1.債権の金利について

債券の金利は、購入後のリターンが年何%になるかが基本になります。当然金利が高い方が購入者としては嬉しいですが、発行者からすれば高い金利を払いたくはありません。そのため、初心者向けにわかりやすく言えば「購入者に不利なもの」ほど金利が高くなります。

具体的には、こういった債券が購入者に不利なものになります。
 ・債権の信用度が低いもの
 →債権は「元本保証ではない」商品です。
  従って元本が戻らない可能性が高い債券は
  金利を高くないと購入してもらえません。
 ・債権の償還期間が長いもの
 →債権を持っている期間はその購入費用を使えません。
  したがって購入者が不利な分、金利が高くなります

2.債権の金利と価格の変動

債券の金利や価格は常に変動します。
(1)債権の金利
これは、米国債の30年債利回りですが、2018年10月には3.4%でしたが、コロナの2020/3/9には0.7%にまで下がりました。その後2021/2時点では2.2%程度まで上昇しています。
基準となる金利は国債であれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が決めます。しかし、それ以外にも市場の影響を受けます。
例えば、不景気だから銀行が低金利で多くの人に貸し出すようになれば、金利も下がります。逆に景気が良くなれば多少金利が高くても借りてビジネス始める人もでるので、金利は上がります。

30年債利回り

(2)債券の価格
債券の価格は金利に影響されます。同じリスクの債券であれば、金利が高い方が欲しいのは当然ですね。
したがって、金利が上がれば新しく買う債券は価格があがりますし、既に発行済みの債券(既発債)は金利が低いので値段は下がります。

3.株価との相関性

基本的に債券と株価は逆相関となります。つまり債券金利があがると株価が下がります。理由は信用度が債券の方が高いからです。  
米国などの信用ある国と普通の会社とどちらが倒産する確率が高いか考えればわかりやすいと思います。高い金利(リターン)を倒産リスクの低い国が保証してくれるならそちらを買いますよね。

画像2

4.債権と株式のどちらが投資に有利か

常にどちらが有利という事はありませんが、基本的に
・「金利が高い時は債券」
・「金利が低い時は株式」

が有利になります。
金利が高い時は「リスクの小さい債券でリターンが大きい」状態となりますし、株価=企業の経済活動で考えると、金利が高いと企業利益が圧迫されるので、株式が不利になります。金利が低い時はこの逆です。
特に株式の配当を考えると、金利 > 株式配当状態になると一般的には債券投資に向かうと言われます。2021/2現在では、2~3%が米国株式の平均的な配当と言われますので、債券金利がそれを超えると、株価には大きな影響が出てきます。

まとめ

上記の通り、債券は一般的に
・信用度と期間で金利が変わる
・金利は政府機関や市場の動向で変動する
・株価とは逆相関になる
・金利が高い時ほど投資に有利
という事になります。
このポイントを押さえてないと、株価しか見ていないで大金投資した直後に暴落ということにもつながります。最低限そういったことは回避できればこの記事を書いた意義があったと思いますので、皆さんうまく活用してみてください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?