真実の愛と、ハンギョドン
わたしは、ポチャッコが好きだ。
しかしポチャッコのことはサンリオのキャラクターであること以外何も知らない。
それでもわたしはポチャッコが好きなのだ。
サンリオをかすってもいないわたしが、なぜポチャッコにだけ惹かれるのか。
今までは単にデザインが好きなのだろうと考えていた。
わたしの想像していたサンリオ=あざといを払拭するかのようなスタイリッシュさと、その中にあるサンリオのもつ可愛らしさのバランスがわたしにとって丁度よいのだと考えていた。
ある日父にポチャッコが好きという話をした。すると父は
「お前が子どもの頃ずっとこの毛布使ってたからじゃね」
と言い、ポチャッコのイラストが描かれていた毛布をわたしに見せてきた。
その瞬間わたしの幼少期の記憶が全て甦った。疑似走馬灯を体験した。
わたしのポチャッコ好きは実際に幼い頃ポチャッコ(毛布)と生活を共にしていたからなのだということを知った。思い出した。
サブリミナルポチャッコの話を聞いて、私はますます彼のことが好きになった。
私は、ハンギョドンが好きだ。
ハンギョドンは中国生まれの半魚人で、誕生日は3月14日、冷やし中華やエビせんが好きで、人を笑わせることが好きだが実は寂しがり屋でロマンチストという一面を兼ね備えている。
私は、ハンギョドンが好きだ。
ハンギョドンが好きだ、ということにしている。
理由は、ちゃんとボケきることができるからだ。
ふとしたきっかけでサンリオの話が出てきたとしても、ハンギョドンハンギョドン言っていればその場を笑いで凌ぐことが出来る。
それに彼には抜群に知名度がある。サンリオを全く知らない私ですら知っているし、今までハンギョドンの名前を出して首を傾げた人に出会ったことがない。
やはりハンギョドンは、人を笑わせる実力と、それに見合った知名度があるのだ。
私がハンギョドンを知っているのも、ハンギョドンのLINEスタンプを持っているのも、ハンギョドンを好きということにしているからである。
いわばビジネスライクなのだ。
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