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叶わなかった夢

皆様、新年明けましておめでとうございます。大変投稿が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

そして、ヴィッセル神戸サポーターの皆様。
改めて第99回全日本サッカー選手権大会優勝、誠におめでとうございます。「あんなにお金かけたのに残留争いw」「ビッグネームの無駄遣い」「ええ加減に優勝せぇよ雑魚w」「選手の墓場やな」「お金だけで何の愛情もないクラブ」「生え抜きとかおるん?」「自前で選手育てられへんの?」等々、様々な罵詈暴言に耐え、皆様の声援で勝ち取ったタイトルだと思います。
上記の暴言は、私が実際に身内から受けた一部でございます。八つの星の下から失礼しています。さらっと読んであげてください。

新しい国立競技場、スポーツイベントとしての開催は本大会が初めてということで、神戸サポーターや鹿島サポーターだけでなく、多種多様な人たちが来場していて面白いなぁと思いながら会場を歩き回っていました。高揚が表情に表れている人、緊張して顔面蒼白な人、もう出来上がっちゃってる人、清水サポーター等々。
事前のイベントで既に来場したことのある方々のツイートを散見していただけに、評価基準が低く設定されていたのか、意外とこじんまりしてるな、何かに特化したわけでもないんだなといった印象でした。3層まで上ってみたのですが、「青空の見える京セラドーム」という感覚です。座席に少ししか座っていませんが、高揚して立ち上がると急勾配でちょっと怖いかも。

お手洗いにウォシュレットが無かったのは驚きました。「ヒートショック」の言葉が浮かんだ方々は少なくないと思います。それにしても個室少なかったな。あと皆さん、地下にもお手洗いあったのになんで行かずに一階のとこに並んでたん?

より詳しいレポートはたくさんの方々が記述してくださっているので、どうぞそちらをご覧下さい。

決勝試合が始まる前、私は、私がサッカーを、ヴィッセル神戸を応援するきっかけを思い出していました。大嫌いだったサッカーを、アウェイ遠征するほど大好きになったこと、いつの間にか夢を見るようになったこと、そしてここに至るまでの、数えきれないほど叶わなかった夢の残骸を。
夢の屍は存在すら忘れられて、覚えられていたとしても、掲げた目標をクリアできなければ煽りの材料にされて、わざと不味い料理に仕上げられてテーブルに並べられ、それをサポーターは呆然と眺めている。

別に食べなくてもいいんです。
「また来年がんばろう」
この言葉が非常食です。だから死にゃしない。
そうして、飢えを凌ぐのには慣れている。

ヴィッセル神戸が掲げた目標は剰りに壮大でした。私はリバプールFCのサポーター(アンフィールド行ったからな!ドヤッ)なので、「ばるさか?なんぞそれ」と首を傾げたものです。神戸サポーターでさえ難しいやろと訝るそれを、本気で追いかけていたクラブスタッフの方々を今となっては嗤うことはできません。ヴィッセル神戸のプロジェクト開始から、Jリーグすらも大きな転換期を迎え、その渦中の中心となり、果てはジャパンスポーツエンターテイメントのグローバル化…何が言いたいのか自分でも分からなくなってきたのでこれぐらいにしときます。

「このままじゃいけない」「強くなりたい」

そんな思いから新しい夢が生まれ、多くの人々の心の拠り所となります。
私は人の数だけ夢があると思っていますが、その夢が強ければ強いほど叶いやすいなんて思いません。
そんなもんが実数化するならどこぞのクラブは一生強い…ごめんなさい、disってません。

ここ数年、掲げた大きな夢を、私はまた屍にするつもりかと何度も疑っていました。アジアナンバーワンだとか、Jリーグ優勝だとか、タイトルだとか、バルサ化だとか。
掲げた大きな目標を達成できず、「今シーズンも無事残留できて何よりです」と、さも無かったかのように扱うことはせずとも、同じ言葉を繰り返すだけのシーズンにまたするつもりかと。

夢を叶えてほしいと、来てくれた選手たちの夢に重ねて。でも叶わなかった夢を数えて。
叶えられる場所を見つけた選手を見送って。あぁ楽しいシーズンでしたね、と落ち着く。

人の数だけ夢があるなら、今まで在籍していた選手や、応援していたサポーターの夢はどこへ散ったのか。

そういや今まであんないい選手いたんだよな、何で勝てなかったんだろな?監督が悪い?スタッフ?サポーター?環境?何かの呪い?「そういう」クラブ?

叶わなかった夢たちは叶いたかっただろうなぁ。叶えてほしかったなぁ。別のクラブで叶ったかな?叶ってるといいなぁ。

でもできればここで叶えてほしかったよ。

そんなことをぐるぐる考えながらアップする選手を眺めていました。


試合前は泣いてるのかな?と想像していましたが、驚くほど冷静な自分がいました。周りを見渡しても挑戦者の顔をしたサポーターばかりで、そんな場合じゃないなと肌で感じたからかもしれません。

(古橋選手は何で子供らと一緒に並んで写真撮ってたんや…?)

それでも試合前の神戸讃歌は、特別なものでうるっとしてしまいました。
できあがっていく美しいコレオグラフィー。
「暗く陰を落とした1995から光輝く2020へ」
大好きな私の尊敬する神戸サポーターの先輩の呟いたとおりですね。

他クラブのサポーターさんやバックスタンドから撮ってくださった写真、全部美しくて感動しました。本当にありがとうございました。

試合が始まるホイッスルで現実に戻された私には、鹿島の選手は見えていなかったと今では思います。
応援する神戸の選手たちが上手くやれているか、を重点的に見ていたら、相手チームのどの選手が上手いとか見えなくなる。そういう視点になれたら、その試合は落とさないと確信していたので今日も勝てると信じていました。

結果は、オウンゴールと藤本憲明選手のゴール。2-0のヴィッセル神戸の勝利。初戴冠。まるで夢の中みたいで、思い出を刻もうと無理に泣いてた気がします。

他クラブのサポーターの中には、たかだか天皇杯の優勝でと仰る方もいらっしゃるかもしれません。Jリーグ優勝のほうが価値あるとかは実際に言われました。優勝するの遅すぎやろとかね。でもね、そんなすべての言葉を凌駕するんですな。「あれだけのビッグネームいたら優勝なんて当たり前やん」と言われましたが、それでも嬉しいもんは嬉しいもんなんです。だってそれでも今まで叶わなかった夢だから。

優勝が決まった試合終了のホイッスルが響き、神戸サポーターが泣きながら抱き合い、選手たちにはこの上ない感謝の気持ちで溢れ、やっと辿り着いたなぁと両手を上げたとき、積み重ねてきた夢の屍がこれで昇華された気がしました。多くの叶わなかった夢たちのお陰で叶った夢、というわけではないと思いますが、それでも叶えようとしてくれたみんなの想いはきっと無駄なんかじゃない。
あんなに素敵な瞬間は、忘れようにも忘れられないよなぁきっと。

はい、イケメン二人載せておきますよっと。

狂喜乱舞でもはや何が何だか分からんw

優勝杯を掲げ、ヴィッセル神戸の選手たちがサポーターの元に来てくれたとき、選手の弾ける笑顔が素敵でまた泣きそうになったことを覚えています。そして慣れてないが故に、三木谷さんとフィンク監督の胴上げが下手すぎて不安になったこと。次のタイトルまでに胴上げの練習をだね…

やっぱりポルディかっこよすぎ!

それにしてもビジャ選手を最高の形で見送ることができたのは本当に嬉しかったですね。最近のイニエスタ選手の嬉しいお言葉が例えリップサービスであっても、いい風にこのクラブを想ってくれるならそれはこの上ない喜びでしょう。

この初タイトルをもって、私たちは夢が叶うメインディッシュの味を知ってしまいました。多くの人々の賞賛というデザートまでいただいて。
そして贅沢にも何度だって味わいたいと思ってしまいました。誰にも渡したくない、夢が叶う味。最高に美味で、病みつきになってしまう。
だからこれから何度だってタイトルを獲りたい。だって今までメインディッシュすらテーブルに並べられんかったんやで。

はい、かわいいラッキーボーイ。

このクラブで闘ってくれている選手の皆さんやご家族、フィンク監督、コーチ、運営スタッフさん、スポンサー企業様、アカデミーに所属する子どもたち、そのご家族、優勝を祝ってくださった地域の方々、そしてクラブそのものを救ってくれた三木谷浩史様へ。

なんて言葉をかけたらこの想いが全部伝わるのかなぁって悔しくなるぐらい、思いっきり「ありがとう」とお伝えしたい。こんなに素敵な気持ちにさせてくださってありがとうございます、と。
私にできることなんて、その企業の商品を購入したり利用するぐらいしかできないけれど、本当に感謝しています。

叶わなかった夢の数を数えるなんてことはしません。それらはどこのクラブにも無限に積み重なっているものだから。掲げた夢や目標を、忘れずに追いかけ続ければきっと叶うだなんてことも言いません。現実は厳しく、ここまでしても実現しないのかなんてザラだから。

それでも、夢は見続けていたい。
夢を忘れなければ、もし叶わなくても屍になってもきっと力をくれるから。

もうあの日の夢の続きを見たいと願うことはしません。あの時、あの監督のままだったら。あの時、勝っていたら。そんな夢の残骸たちもきっと昇華されたはず。このヴィッセル神戸というフットボールクラブが新しい世界に踏み出したことをお祝いして。

この子何でこんなに可愛いんやろな…削られまくったけどよく頑張ってくれました。

大好きな気持ちがもっともっと強くなって、はよJリーグ開幕せぇ、日本代表とかつまらんのじゃ、とか鬼みたいなことを言うようになるなんて昔の私じゃ考えられないことやなぁ。それぐらい、ヴィッセル神戸が大好きになっているから。

私にとって、ヴィッセル神戸を愛することは、神戸そのものを愛することなのです。神戸を愛することは、ヴィッセル神戸を愛すること。
だからこの街にずっといたい。
この街に生まれた幸運と、新たに生まれ続ける夢を叶えるために。これからは、叶えるだけでなく、夢を積み重ねていきましょう。なんてったってタイトルホルダーやからな!

それにしても幾つの夢をロストメアにしてきたんだよって思いますわ。メアレスじゃないんだから、夢も意地もあるっちゅうねん。もう絶対人擬態級なってるやろな。あ、すみません、分かる人には分かるネタです。真っ向正面ストレートォォォ!!

さぁ仕事仕事。すべての神戸サポーターよ、アジアが待っていますぞ。日々銭を稼いで選手たちとトモニ闘いましょう。またあの弾ける笑顔を何度だって見たいから。

今年はACLの舞台が用意されて、今まで以上にタフな精神力が必要だなぁと感じています。もしかしたらACLなんて言ってる場合じゃなくなるかも。それでも、勝った以上生まれた夢に責任を持って、やるしかないよな。だから休みを勝ち取れ!サポーター!

きっと美味しかった料理の味は忘れます。
また不味い料理が出てきます。
でもそれは仕方のないこと。どこにでもあること。
叶わなかった夢たちを越えていくしかないんやから。
だからこそ、何度だって思い出すために美味しい料理を味わいたいよね。

さぁ、2020年だ。もう10日以上経っとるけど。ドウグラスさんかて来てくれてるけど。
今度は一緒に喜びたいよ。
ね、モーヴィー?(ジュルリ

モーヴィーの写真、去年あんま撮って無かった…今年はたくさん撮るからね。支離滅裂な文章ですが、お読みいただきましてありがとうございました。

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