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イギリス Nottingham 記憶1

今からずいぶん前のことになる、1ポンド230円くらいの頃、私はイギリスのノッティンガムに住んでいた。思い出すとこんな事ってあるかな!って事もありやはり書き留めておこうと思った。一つや二つではない、懐かしく愛おしい時間であり現在もその頃の友人は今も続いている、お世話になった、全てにおいて。

不安は無い、やるだけだった。

英語は特にできたわけでは無い、中学の時に好きなアーティストがいて熱狂していた、いつかあの人たちの国に行ってみたい、暮らしてみたい。そう思って沢山の年月が過ぎて既に忘れてた。あるきっかけでイギリスに行こう、という気持ちが一気に湧き上がった。思ったら早い、電光石火だ。

金銭的な豊かさも無い子育て中だし、でも子供を連れて行ったんだ。出発の前半年の間、ダーツの旅みたいにダーツを刺すように住む場所を決めて、子供が行ける学校に手紙を書いた、中学レベルの英語でさ。

返事をくれた学校に決めてあとは行くだけ。これだけ決まってから家族に報告し承諾を乞うたのだ。実家の母は怒ってた。部屋のあちこちがパキパキ鳴るくらい母の感情の高ぶりはすごかった、どう見ても等身大の話どころでは無いからだ。あれはラップ音だったのか!

あの時なぜあんなに背中を押されたような揺さぶられたような気分になったのだろうか。しばらくして家族はやれ、仕方ない、と言ってくれて赦しを得た、強引だったかな。

住宅選び

ズバリ大変だった、日本の中間業者など通さず行き当たりばったりの不動産屋、家を借りたい、と言って直ぐに返事はくれなかった。今ならばわからないが、その当時は就労証明だとか国内の身分証明書がないとパスポートだけではなかなか困難だった。しかし何店か回るうちにひとつ、事情を話し子供もいて学校に行く話などして、信じて!お願い!といってやっとだった。2階に2つ部屋があり1階にリビングキッチンの小さな庭付きのデタッチドハウスを借りられた。ラッキーだった。

生活用品を買う

スーパーや商店街から少し遠かった。子供と3往復でして最小限必要なものを揃えた。食べる、寝る、着替える!が出来るのだから上等。イギリスは家電が備え付けられているところがほとんどなのでそれらはありがたかった。3往復もしないでタクシー頼めば良かったが。

引っ越しのご挨拶はどうなのだろう、、一応しておくか、エーワタシタチハ ニホンカラキマシタ、キョウカラ スンデマス!って言ったと思う、笑顔の高齢者が右に、もう少し若いご夫婦が左に住んでいた、住んでからの付き合いはない。顔を合わすことが無かった。

低価格で学べる外国人用の英語教室

先ずは英語だ、なんかとても英語に聞こえない、普段映画で聴く映画と違う、何を言ってるのかまるでわからないのだ、それもそのはず、ノッティンガムは少し訛りがあること、Rの発音が違うことがとても戸惑うのか、本当にわからなかった。

だから英語教室に通う事はとても大切だった。

ドイツ人×1 フランス人×1スイス人×1トルコ人×1 日本人×2 韓国人×1イラン人×1ベトナム人×2 そんなクラスだった。ユニークだった、お国柄が肌で感じられた数ヶ月だった。イギリス人講師はフランス人には強気に意見し、ドイツ人には納得する、日本人には興味をもつ、そんな気配があった、たまたまその講師がそうだったのかもしれないが、無我夢中で英語を覚えた、今でもその頃のノートは宝物だ。英語の学び方は楽しかった、授業の中で動物の捕食シーンがビデオで見せられた、実に狼が鹿の子を追う動画で今捕まえようとしている、するとトルコ人が意見した、すまない、僕はこれを見る事はできないのでこの授業は参加できないと言ったのだ。講師はならば音は無いのだから見なければ良い、と一言返事を返した。トルコ人は顔を横に向けたまま見なかった、内容がわからないトルコ人に気を使う事なくその後の授業は滞りなく終えた。

動物の捕食シーンがトルコ人にとって衝撃的なそしてひどい、残酷だ、と後で授業の内容に文句を言っていた、でも、フェイクでもなく、リアルな動物の姿だわ、残酷ではない、とクラスメートだけで議論が始まった。帰るに帰れないワタシ、だった。割と激しい議論になったが翌日にはおはよう、と何もなかったかのように挨拶してる、皆が皆自分の意見を遠慮する事なく言っていたのが印象的だった。

イラン人 ドイツ人の友達

イラン人の主婦フェリー、ドイツ人の主婦ケースティンととても仲良くなった、どうやら同世代だった。いつもお茶をしたりそれぞれの家でランチしたりしてたまにはワインも楽しんだ。

この2人には後に大変お世話になることになる。

こうして日々あっという間に過ぎてゆく、親が心配するよりも子供が学校に馴染んでゆくスピードは瞬く間である。

2につづく 1週間後






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Ponky
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