【開催報告】岡山大学でのプレゼンセミナ(第2回)
2019年6月25日に岡山大学でプレゼンセミナをおこないました。
このプレゼンセミナは、又吉里美先生のゼミ生を対象におこなったもので、全4回を予定しています。
(第1回目の開催報告はこちら)
第2回目のテーマは「先行研究を読む」でした。
今回の目標は、複数の文献を比較して読めるようになる、でした。
今回はアクティブ・ブック・ダイアログ(ABD)の手法を応用して、読書法に関する文章を読んで話し合うというワークをおこないました。
(ABDを取り入れた講読の授業については、こちらでも紹介しています)
コ・サマライズ
ABDでは1冊の本を手分けして読むのが定番ですが、今回は短めの文章を4篇用意しました。用意した文章は、以下の書籍から抜粋しました。
M.J.アドラー・C.V.ドーレン(外山滋比古・槇未知子訳)『本を読む本』講談社学術文庫
澤田昭夫『論文の書き方』講談社学術文庫
澤田昭夫『論文のレトリック』講談社学術文庫
東郷雄二『文科系必修研究生活術』ちくま文庫
割り当てられた文章を各自で読んで、要約を作っていくわけですが、今回は読む前にいくつかアドバイスをしました。
このとき与えたアドバイスを一言で要約すると、「頭からじっくり読もうとするのではなく、ポイントが書かれていそうなところを探しながら読む」ということです。
要約をする(そして読んでいない人に対してプレゼンをする)ことが最初の目標なので、そこを目指して読んでほしい、ということを伝えました。
リレー・プレゼン
公式のABDでは、要約にはB5サイズの用紙を使いますが、今回は人数が少ないこともあり、付箋を使いました。
(トップの写真がそれです)
付箋はホワイトボードのシートに貼ってもらい、付箋を指差しながらプレゼンをおこないました。
プレゼンを聞いているあいだは、なるべくホワイトボードにメモを取りながら聞くようにと助言しました。
ダイアログ
ダイアログでは、リレー・プレゼンを踏まえて、わからなかったところや気になったところを、やはり付箋に書き出してもらい、そこから対話を広げていくのが普通です。
しかし今回は「先行研究を読む」というテーマのため、4篇の文章を比較することに重点を置きました。
今回選んだ4篇の課題論文は、いずれも読書法について論じられたものです。
どれも読書法について書かれた文章ですから、当然、似たようなことが書かれています。
その一方で、少し違うことが述べられていたり、あるいはまったく論じられていないトピックがあったりもします。
そういった「共通して論じられているトピック」や「主張が異なるトピック」を浮かび上がらせるように意識しながら、対話をしてもらうよう促しました。
今回のワークを通して、自分の主張や興味関心に基づいて複数の文献を比較して要約する技法の基礎を身につけてもらえたのではないかと思います。
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