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1minute七十二候 雞始乳 (にわとりはじめてとやにつく)

大寒<末候>
1月30日から2月3日頃

鶏が春の気を感じて卵を産み始める頃です。寒い冬もいよいよ終盤となり、鶏が卵を産み始めるために鳥屋(とや)にこもるという意味。
厳しい寒さに耐え春が待ち遠しい時期なので、昔の人はこの「雞始乳」の到来を、きっと大いに喜んだ事でしょう。
現代は一年を通していつでもスーパーで卵を購入することができますが、自然界の鶏の産卵率は日照時間が長くなるにつれ上るため、春から夏にたくさん卵を産むようになるそうです。

昔から私たちの暮らしと深く結びついてきた鶏。鶏と聞いて頭の中で聞こえてくるのは「コケコッコー」ですよね。朝早くに夜明けを知らせるこの声、世界各国ではこのように表現しているようです。
英語「クックドゥールドゥ」
フランス「コックェリコ」
中国「コーコーケー」
インド「クックローロー」
スペイン「クィクィリクィ」
ドイツ「キッキレキ」
耳にしたものはありましたか?どれもとても興味深いですね。

私たちはコケコッコーと習って育ちましたが、実はこれ、明治時代以降にカタカナ学習を広めるために考案されたものだそうです。
明治以前の江戸時代までは、鶏の声を「トウテンコー」と聞いていて、「東天紅」という漢字を当てていました。国語辞典にも記載されていて広く浸透していたそうです。
擬音語としてだけではなく、紅く染まった東の空に聞こえてくる声としてちゃんと情景と文字の意味が合っていて何だかしゃれていますね。

今度 鶏の声が聞こえてきたら、あなたの耳にはどのように聞こえるか。ぜひ耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。

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七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


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