見出し画像

1minute七十二候 欵冬華 (ふきのはなさくく)

大寒<初候>
1月20日から1月24日頃

雪が積もり凍るように冷たい地面に蕗の花が咲き始める頃です。強い寒さが襲ってくる時期ですが、草花は春に向けてたくましく動き出します。この時期に 蕗の薹(ふきのとう)が顔をのぞかせると、くじけそうな寒さの中にもほんの小さな春の片鱗を見せてくれたようで心が温まりますね。

ふきのとうは、8世紀頃から栽培が始められ 愛されてきた日本原産の山菜です。独特の苦さと香りが特徴で、きっと昔からこの味と香りが早春を感じさせるものとして好まれてきたのだと思います。
子供の頃は苦手だったけれど、大人になると蕗味噌や蕗の天ぷらなどが季節の味覚として味わい深いものになるのが不思議…。目で見るだけでなく味覚でも季節を楽しむのも良いかもしれません。

そして、この時期「大寒」ならではの食文化には「寒仕込み」もあります。

手が赤くなるほど冷たい水は、とても清らかで特別な力があると考えられていました。実は、寒い時期に仕込むことで余計な雑菌や繁殖を抑えるという理にかなったもの。お酒やお味噌などが「寒仕込み」される代表です。

つらい寒さですが、この寒さがあっての美味しさなんですね。次回ふきのとうや、寒仕込みされた食材をいただく時には 自然の豊かさや、厳しい季節に作ってくださった方々に思いを馳せたいと思います。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?