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PdMとPjMを違いを考えてみる

PdMとPjMの違い

PdM(プロダクトマネジメント)とPjM(プロジェクトマネジメント)がどのように異なっているのかという議論がありますが、私の理解は以下の通りです。

・PdMはプロダクトの成長戦略とその実行に責任がある
・PjMはプロジェクトを期限までに終わらせ、期待値を達することに責任がある

私が経験してきたPdMのケース

前職の金融情報ベンダーで、営業とプロダクト企画を兼務していたときに、大型の新規案件があって、営業と商品企画の両方を一度にやったことがあります。

この時の私の責任は、(1)私がターゲットに合致するプロダクトをマネージャーとして担当する中で、(2)この大型の新規顧客のニーズにプロダクトをフィットさせ、(3)実際に顧客からの売上を勝ち取ることです。

結果から言うと、結果として大型受注を勝ち取ることができました。

メンバーの多様性は新しい物事への理解を助ける

この成功要因としては、全体としてはプロジェクトのメンバーの多様性、私個人のレベルでは、営業と企画の両方を見ることができていた点です。

プロジェクトには、金融市場のプレイヤー、外資系の情報ベンダー経験者など多様なバックグラウンドのメンバーで構成されていました。そのため、顧客・競合や金融市場知識を含む実務についての基礎知識を事前に共有できたのは大きかったです。また、各部門のトップレベルも参加していましたので、プロダクトとニーズをフィットさせるための社内調整もやりやすかったのです。

顧客・プロダクト・社内組織のギャップ解消が鍵である

私自身について言えば、営業とプロダクト企画を兼務する中で、顧客・プロダクト・社内関係者の3つにアクセスしやすい立ち位置にあり、様々な情報を整理し、それぞれが抱える問題点をフォローアップし、マーケットとプロダクトのギャップを非常に早く解消していくことができました。

プロジェクトとして社長賞も受賞することができましたので、私も結果としてPdMとして貢献できたことは今でも極めてインパクトのある経験でした。

PjMの場合は?

PjMは基本的には「何を、いつまでに、どうする」の集合体であり、「時間」「予算」「スコープ」の3方向からバランスを取っていく役割だと考えています。規模や複雑性が高い場合は、高度なマネジメントスキルが求められるのは言うまでもありません。
ただ、私の場合、不確実性が高すぎる場合は、以下に書くように、立場が許されるならば、PdM的なアプローチを取ったほうが不確実性を乗り越えやすくなるのではないかと考えています。

不確実性が高いケースのPjMはPdMの役割に近づくとよい

既にソリューションが確立しているサービスを実装するようなプロジェクトであれば、着実に遂行していくことでなんとかなるのですが、問題は「新規事業」であったり「未経験の領域」であるなどの「将来への不確実性が高すぎるプロジェクトのマネジメント」のケースです。

これは、フェーズを切って、リスク評価を行いながらプロジェクトの方向性を見直すタイミングを予め設けておくことと、プロジェクトメンバーが確実性に執着しないで、エラーを受容する空気を醸成することが重要ではないかと思っています。

開発はアジャイルで進め、後追いで発生してくるユーザー意見を、ビジネスレベルとプロダクトレベルの双方で受け入れるようにしておくことも必要になります。

このようにPjMであっても、不確実性が高い状況においては、PdMのように外部の声と内部のリソースをフィットさせていく柔軟性を演出する役割が期待されうると思いますし、PdMの文脈の中でPjMを論じることにより、発展性の高い仕事ができるようになると考えています。

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