私は、SNSが好き

SNSが好きなひとの話って、ちゃんと聞いたことあります?

今日はそういう回です。

まず最初に言いたいのは、ツイッターやインスタを「SNS」って言うのは私は好きじゃない。だってじじくさいから。(ギャルかよ)
でも、かといって「ツイッターやインスタ」って毎回言うのも面倒なので、ここはぐっとこらえてSNSって言わせていただきます。でははじまり。

私、SNSが好きなんです。

SNSに対して否定的な意見が“ありがち”な世の中だけど、私は割とSNSが好き。

私は“SNS上の自分”が1番素な気がしている。小さい頃から、対ひととの直接の会話では、その相手がたとえ親であっても“パフォーマンス”をしている自分がいた。ウケたか。共感されたか。そんなことばかり気にして相手の顔色をみていた。会話の流れとかその場の空気を読みつつ、相手の言葉やテンションにフィットする最適な言葉を即座に返す。その緊張感ったらない。そんなことを考えるだけでいつもお腹が痛くなっていた。特に関係が浅い相手には、毎回「ぅぅ…ぅぅ…おりゃ!」て感じで、怯えながら一段と丁寧に言葉を投げる。それでもミスるときはミスる。そん時のダメージったらない。それに会話のテンポをよんでその勢いに合わせて投球するときはもちろんミスが増える。スベったり傷つけたり勘違いされたりする。ああ、やってられない。黙ってた方がマシだと諦める自分がよくいた。

でもSNSでは、好きなタイミングで好きな話題を「誰かに喋りたい」って思ったときに喋ることができる。もちろん人を傷つける内容はだめだけど、ラジオを聞いてたらラジオの話、その5分後にメイクをしたらコスメの話、むかついたときは「むかついた!」って叫んで、友達と遊んだら思い出を残す。そこから会話が始まったり、いいねって(♡マーク越しに)言われたり、何もなかったり。しゃべるテンポをコントロールできるから、今この瞬間に自分の心にフィットする言葉を外に放つことができて気持ちがいい。自分の声に耳を傾けるとはこういうことなのかなとも思う。私らしい、私だけの言葉が蓄積されて、私の世界が作られていく。だから自分のSNSはいつ読み返しても愛おしい。

「映える」って言うくらいだから、SNSの方がパフォーマンスなんじゃないかって思う人もいると思う。でも私の感覚は少し違う。他人のかわいい投稿に感化されて、映えるかわいい写真を投稿するなんて「なりたい理想の自分」に誠実に忠実に向き合った結果だと私は思う。こんなに自分の声に素直に向き合う行動はないし、それでいいねが増えたら自分の描く理想の自分を褒めてもらえた気がするし、嬉しいのは当然のことだと思う。

私をモノ扱いしないで。

でもSNSは一般人・芸能人関わらず、参加者全員を問答無用で商品化してしまう。ちっぽけなモノ扱いしちゃうんだ。放たれた言葉だけが、本人の元をどんどん離れて広がっていく。そして広がった先の先の先で、読んだ人に「その文章に共感できるか」「正しい文章であるか」「イケてる人に感じられるか」なんていう評価対象に(頼んでないのに)させられて。言葉が評価されたと思ったら、その“評価結果”は言葉単体じゃなくて書いた本人にデジタルタトゥーとして彫られる。“共感できない文章書く奴”“最低な思考するやつ”ってね。え、おまえ、一人でツイッターの海に泳いで行ったじゃん。しばらく連絡してこなかったくせに急に彼氏ヅラしてくるやつみたいに、遠くにいた言葉たちがいきなり私の名前を名乗り出す。コピーライト©︎をちらつかせるんだ。

私が放ったコトバたちは、決して知らないお前らを楽しませる1コンテンツなんかじゃないんだぞ!見せ物じゃない。笑われる筋合いはない。それは私自身なんだ!私の心から湧き上がったコトバたちなんだよ!

そんなこと、読んだ人全員の耳元で泣き叫ぶわけにもいかないんだ。

直接でも、SNSでも、あんまり変わらなかったこと。

でも、本当はわかってる。世界に向けて言葉を放って商品化されてしまった以上、SNS上ではみんなはきっと、みんなが思ってる以上に“芸能人”になっちゃうんだ。みんなの受け取り方をコントロールすることなんてできない。そりゃあそうだよね。いくら「SNSと週刊誌は嘘ばっかり」なんて言われても、目に入った瞬間にその言葉は私たちの頭に刻まれるわけで。嘘か本当かなんてもはやどうでもいい。「目に見えるモノが真実」じゃないけど、私の頭の中の世界ではそれが真実になっていっちゃうんだ。仮に嘘だと知ったところで、「〇〇だと思ってたけど違った」って刻まれるだけ。前半部分はなかったことにはならないんだ。

そう、会話もSNSも、結局ミスったら終わり。消す方法はどちらも「忘れてくれるのを待つ」くらい。もちろんSNSは一言一言にじっくり時間をかけられるし、消しては書いてを繰り返すことができるけど、いくら丁寧にやったってミスるときはミスる。もしや、普段の会話と変わらない?いやむしろ丁寧に書いたときはその時間の分だけダメージはでかい。

やばい。SNSでも、ちゃんとパフォーマンスしなきゃいけないらしい。

「SNSは見ない(やらない)のが1番」って言ってる上の世代を見て、世の中の進歩から逃げてるダサさを感じてたけど、「黙ってる方がマシ」って言ってる私と同じなんだ。

そんなことで頭をぐるぐるまわらせながら、足元の石を投げてみる。球技音痴の私。先の先の先になんて、飛ばなかった。言葉音痴にならないように、どこでも緊張感を持って。

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