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詩を綴っています。詩を詩とするのは紛れもなく僕ではない誰かでノンフィクションとするのも…

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詩を綴っています。詩を詩とするのは紛れもなく僕ではない誰かでノンフィクションとするのもまた他人です。

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—Transparent girl in blue—

❇︎Prologue❇︎ たなびく風に運ばれてゆく記憶の行先を、ぼくは知らない。けれど、この風はきっと誰かへと手向けられていて、紡がれ、結ばれる為に吹いている。そして、幾つもの月日を越えて、記憶のありかへと巡り着いたとき、ぼくたちはそれを、愛と呼ぶのだと思う。 01girl 『あめの温度』 あめの足音をなぞるように泳ぐ魚たち。 窓辺から届く草花の匂いが、紫陽花の彩りをつくり、 やがて、水のなかへと沈み虚っていく。 あめは、古い記憶を連れ立ってくる。 しとしと、しとし

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—Transparent girl in blue—

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  • 詩集
    28本

記事

    名無しの詩

    肌寒い風が、きみの髪をさらりなびかせている。 桜のあしあとを辿るように、僕は息を吐く。 吐いた息は白く濁ることなく余白をつくる。 きみとのあいだを冷たく隔てるように。 (見つからなかった花びらは孤独であることを まだ知らないらしいよ) 掬われるために生まれたわけじゃないから、孤独なんて言葉は相応しくないけれど、まだ、の含みにボクが含まれていることを願った。 願っ た 。         (願いほど健気なものはないね) そうだね。 信じられる言葉はすくないけれど 神様

    名無しの詩

    見えない

    見えない

    いのり

    どんな言葉さえも届かないあの空の麓で 平穏な日常が取りもどされることをいのり がらんどうの街に立ち尽くした。 (あのおとはだれのあしおと) 空中を漂っている、あのひとは、どこへ還る ちいさな画面のなかで、しらない、ひとが、   泣いている 不和の衝動に取り残された小さな掌 握りしめた文字が温もりを生み 閉じた掌がいつか芽吹きますように 血塗られることを望みませんように ひらひらと、空が舞う季節のなかで 途方もない祈りと共に、青空は澱むことなく深く広がり

    いのり

    生誕する悲劇

    生誕する悲劇

    電気的信号の欠如

    電気的信号の欠如

    よはく

    よはく

    真綿で首を絞める。

    生きていくうえで、他者との交流は必要不可欠なことである、という事実は真綿で首を絞められるような感覚さえある。たったひとりですべてを完結することが出来るのならば、きっと、畑を耕し湧水を汲み、小鳥の囀りに耳を傾け、花や木々が枯れる事で季節を感じ、静かな夕暮れに包まれながら眠りについていたんじゃないかな。と思う。 けれど、便利という誘惑に魂を売ってしまった以上、それらを手放すことは脅威でもあって、こうして文章をつくる為のスマホや、暗闇を照らす照明、楽に長距離を移動する手段やあれや

    真綿で首を絞める。

    かみさま

    かみさま

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    ゆめ、みるこ

    ゆめ、みるこ

    +2