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途中下車の旅 ちょっとだけOkinawa


2019年の晩春

石垣島から東京へ戻るときの途中下車の旅エピソードを

忘れないうちにここにメモっておく。


沖縄本島に来た理由はいくつかある。

かつて、コザ市と呼ばれた

沖縄市のコザ地域を訪問し、基地と共に発展してきた街を知るため。

栄子衰退を経て、なおかつ新しい力と息吹を感じたかったこと。

それが、第一の大義名分。


沖縄には何回か来ているが、

平和公園、ひめゆりの塔、嘉手納基地

万座毛、那覇市内

いわゆる、観光地と戦争遺産

そのくらいしか訪れていなくて、

今回はコザを中心に、沖縄本島中心部、北部を見てきた。


観光地ではない、普段着の沖縄

派手なことは何もないし、なんてことない日常を過ごしたいと思った。

あまりに普通で、途中で停滞したこともあったが、

でも、日々の人の営みなくして、社会は存在し得ないし

自分もその中に溶け込んでみることで

初めて、ディープな沖縄のほんの一部でも体感できたかも

そんな自己満足な途中下車の旅だ。



米軍嘉手納基地のお膝元

コザ地区は

かつて「コザ騒動」で

暴動があった地域だ

1970年の年の瀬

アメリカ軍と地元日本人のあいだで衝突があった。

僕は、その現場となった胡屋十字路を目指した。


那覇のバスターミナルから路線バスで向かう。

鉄道のない街では、バスと車が生命線だ

見知らぬ街でバスに乗ると

ものすごくローカルな体験が出来て楽しいが

同時に、停車場を間違えたりしないか

毎回、ドキドキする。


案の定、乗り過ごした(笑)

あわててタクシーを捕まえる

たまたまひろった地元のタクシーの運ちゃんは

これまた道を全然知らなくて

通りを一本間違えたり

観光客の僕の方が

地図を完全に頭に入れて来ているから

逆に教えてあげたりしてさ

あまりに呆れて腹も立たなくて

チップをはずんであげた。


過去の隆盛も今いずこ

シャッター街となったコザ商店街の

アーケード内に出来たばかりの新しいゲストハウスに宿をとり

商店街を歩きまわった。


若者を中心とした地元の人々が

移住者とタックを組み、

頑張って街の復興に取り組んでいる。

コワーキングスペースを創ったり

ゲストハウスやカフェをオープンさせたり

ミニシアターで定期上映会を開催したり

若い文化の復活も目覚ましい。


タコスで有名な

「チャーリー多幸寿本店」でオープン前から並んで

タコスにぱくついたり

なぞのインド料理屋でお茶をいただいたり

ガイドブックを片手に

地元の人が行くスーパーマーケットで

意味不明のお菓子を買って後悔したり

ドヤ街みたいな裏通りに出てドギマギしたり。


沖縄での暮らしは単純明快で好きだ。

僕の場合

オリオンビールと

島唐辛子と

ステーキに

ルートビアさえあればご機嫌なので

沖縄での食文化は

わりと合っていた


有り難いのは

僕の濃い顔立ちのおかげで

地元の人たちに

すんなり受け入れられたことであった。

首都圏では思いっきり浮いていた僕の容貌も

沖縄で溶け込むことが出来て

初めて安堵したことを覚えている。

沖縄は居心地が良かった。

湿度と気圧の乱高下に身体が馴染みさえすれば

ずっといたかった場所だが…

まぁ、しょうがないね。


基地の正面ゲートから伸びる中央通りには

米軍人、家族たち御用達のバーが立ち並び

週末の夕方になると様相が変わる。


僕はビビリだが

好奇心の方が強すぎて

地元でも有名な

ライブハウスを目指した。

なにやらクイーンのコピーバンドが活躍してる

名物のハコがあるという。


今回の旅の第二の目的、それは、

音楽の街、コザの

夜を探ることであった。


あった。

「CLUB QUEEN」

この店だ。


扉をドキドキしながら開ける

大音響の音楽と喧騒でクラクラした。

フロア席は予約で満席だ

僕は対応に出てきた店のおばちゃんに

予約してないんですけど、

一人、大丈夫でしょうかね?

と訪ねたら

「ええ、いいですよ」と快く周囲を見回し

すぐに席に案内してくれた。

こういうところが沖縄はおおらかで好き。

予約席と予約席の間に

一人分座れるスペースがたまたま空いていて

そこに案内してくれた。

両脇に見知らぬ客に挨拶して腰を下ろす。

どちらも、地元の人ではなく

観光客っぽい

これならいいぞ。

今夜の目標。

自腹の酒はチャージ分の一杯にとどめて

あとはこの人達と店の人に奢ってもらうと決めた。

相変わらず、ビビリのくせに図々しいのだ。

ビールを注文して

ライブが始まるのを待った。


フィリピン人のバンド「プリズム」という

クイーンのコピーバンド

もはや、コピーというのは申し訳ないくらい

演奏はプロの領域で最高だった。

居合わせた気前のいい酔っ払いたちからの振る舞い酒を飲みながら

一緒に歌ったり、踊ったり

数時間楽しんでハコを後にした。

通りに出ると

酔っ払いのアメリカ人ばかりで

ビビって少し酔いも覚める。

ああ、そう言えば僕も酔っ払いだから、ま、いっか。

夜風にあたりながらブラブラ歩き

宿に帰った。


翌日はヤギ汁で有名な店で

初めてのヤギ汁にトライ

…う、臭い!臭すぎ! だが、美味い。

たまにはこういうのもいいよな。

臭い!美味い!臭い!

そのうち、くせになるかもね。


数日感のコザ訪問を終えて

路線バスに乗り込み帰路へ。


今、那覇に戻って来て

公設市場をひやかし


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観光客の波に押されながら

ビーチをブラブラして

対馬丸の記念館で悲劇の歴史を見学して

ひなびた定食屋でチャンプルーを食べて

ビールを飲み

スパムおむすびを夜食に購入。

あれ、生産性が全然ないんで

こうやってパソコンに向かって言葉を絞り出している。

見知らぬ人々と楽しく過ごし

刺激的な経験も出来て

ネタには尽きない

ワーケーションってホントにいいなぁ。

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どこにいても、仕事は出来る。

だから、どこにでも行ける。

行きたいところに、人は行くべきで、

行くところが、必ずあるはず。


そして、自分が行きたい、と心から思いを寄せたところには

自分を待っていてくれる人やモノが必ずある。

そう確信した旅だった。

沖縄は懐が深く、偉大。

人も、歴史も、自然も、文化も、味わい深い。

こうした思いを、これから行く先々でも紡いで行きたい。

ありがとう、沖縄。

身体が治ったら、またリベンジに来襲するよ

それまで、待っていて。

途中下車の旅、ちょっだけOkinawa

ハリー青山がお送りしました。

つづく(続かないかも)

ありがとう。あなたの真心のサポートに感謝します。