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まちづくりの理想と現実

みなさん、こんにちは。

国や、行政が考える、理想の将来像と、現場で困っていることかた見えてくる、理想の将来像というのは、噛み合っていないことが多い気がします。

例えば、「生涯活躍のまち」については、最初、すでに始まっている高齢化が、これから、さらに急速に進んでいったときに、東京圏にいる人たちを面倒見切れないから、地方にお願いしようとして、「地方移住」と「高齢者の健康」に特化したような、方針を国が出していましました。

しかし、実際のところは、地方では、人口が元々少なく、若者は、東京に行ってしまっているため、高齢化は、かなり進んでいて、今の段階で、どうしたものかとなっています。

それなのに、地方は人口が少ないのだから、東京圏の中高齢の移住者を、受け入れてください。介護が必要になると、お金がかかるので、健康寿命が伸びるように、しっかり地域で面倒みてください、と、こんな無茶を言っていて、「生涯活躍のまち」を目指しましょう!と言っていたのです。

これらは、今は改善されて、地域の人たちが、どの世代でも、性別、立場も関係なく、みんなが、健康で長生きできるような取り組みを、地域でやっていきましょう。そのために、福祉や教育、商業や観光、都市計画や建築と、あらゆる分野が一緒になって、地域の実情にあった解決策を探しましょう、というふうに改善されています。

これは、最初の方針を作ったときに、作った人だけの目線で、現状を見て、分析したためだと考えられます。もっと言えば、東京圏の都合だけで、作った方針であると、思われるということです。

一方、地方から見ると、若者は取り上げておいて、東京圏の高齢者の面倒をみろ、というのは、あまりにも勝手が良すぎます。いくら言葉を取り繕っても、よく読むと、そのようにしか、受け取れないのです。

このように、物事を見るときに、いかに多面的に見た上で、理想はどうなのか考えないと、特定の誰かにとってだけ、都合の良いものになってしまいます。そうではなくて、全員は無理かもしれませんが、中間層の多くの人たちが、納得するような、まちづくりを目指していかないと、国や行政の一方的な押し付けになってしまいます。

まちづくりにおける主役は、地域で暮らしている方たちで、決して、国や行政ででは、ありません。僕は、行政の人間ですが、行政のやることは、できる限り小さくして、地域の方や、民間企業が、自分たちで、まちづくりをできるように、後押しするだけになることが理想だと思っています。

国や行政は、ともすると、どうしても頭で考えただけの、方針や計画、制度つくってしまいがちですが、データの分析は行った上で、しっかりと、現場の声に耳を傾け、実際にどのような問題が起こっているのか、それらの問題を解決するためには、どのような時系列で取り組むことが良いのか、どんな方法で解決するのが良いのかまで、意見交換を十分に行う必要があります。

まちづくりの理想と現実の間が、極端に開いたり、視点が偏らないように、常に意識しておく必要があるなぁ、と強く感じています。

それでは、また。

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