どうする!日常の調理

 おいしそうなこんがりとしたきつね色も、沸騰して出現するたくさんの白い泡も私にはわからない。
けれど、調理中にそれぞれの食材から伝わる触感、音、においは食べ時を教えてくれる。
 ひなちゃんが最近ハマっている雑炊もそんな手掛かりを元に作る。いや、単純によく作り食べてもらっているから「ハマっている」ということにしている。
なにしろ雑炊は何でもぶっこみ、1品でバランス良く食材を食べさせられる。作る際も食べさせる際も楽なのだ。
 まず炊飯器でご飯を炊く。
釜に洗ったお米と水をジャブジャブ入れる。水は、手をお米に軽く載せ、手の甲が浸るくらい入れる。メモリを触りながら適量図るのは微妙にめんどうなのだ。
 それから炊飯器のスタートボタンをピピっと押し、後は出来上がりを知らせるアマリリスの音楽が鳴るのを待つだけだ。画期的ともいえる炊飯器の発明者に心から感謝するばかりだ。
 次は雑炊に入れる具材の準備だ。
ピーラーでニンジンの皮をシュコーシュコーっとむき、包丁でザクザクみじん切りにする。それから鍋に水を入れ、火にかけ、プツプツいい始めたらニンジンを全て投入する。
薄いプラスチックのまな板の真ん中に刻んだニンジンを集め、まな板を少し丸めて滑り台のように傾けながら鍋にみじん切りの食材を入れると、周囲に破片が飛び散らずに入れられ便利だ。
 次にニンジンと同様に小松菜の葉の部分もザクザクみじん切りに資、ニンジンの鍋に投入する。このころにはだいぶニンジンがゆだっており、ジワジワとたくさんの泡が湧き出ている。
 数分ゆで、ニンジンの甘い香りと小松菜の青々とした香が漂い始めたところで、ざるにあげる。
 タイマーは
「OKグーグル、○○分図って」
と料理をしながら指示するだけで時間を計測してくれるGoogleほーむを活用している。優秀な私のアシスタントだ。最近はあの丸くて小さいフォルムもかわいいと思えてきた。
 野菜がゆであがったら再び鍋に湯を沸かし、ハサミでジョギジョギ細かく刻んだ鶏むね肉を投入する。数分グツグツゆで、鶏肉のにおいが水蒸気に乗って流れてきたら野菜と同様ざるにあげる。
 我が家のコンロの中火で、小さく刻んだ食材であれば基本4-5分ゆでれば火が通り食べられる。
 このように調理の手掛かりとなるため、時間の計測も意外と重要だ。
 次に、ブレンダー付属のポットにゆでた食材を全て投入し、一気に攪拌する。ブレンダーを持つ手に伝わる振動が小さくなり、音も軽くなると、食材はポタージュ状になっていることが多い。
 最後に、計量カップで2杯分だいたい400mlの水を沸かす。そこに炊きあがったご飯をお茶碗1杯と、ブレンダーにかけた食材、出汁としてほんの少し指でつまんだくらいの鶏がらスープの素を鍋に入れ、3分程度グジュグジュ煮立たせて完成だ。
気が向けば溶き卵を投入して煮ることもある。
 一つ注意したい点は、ドロドロの雑炊が焦げやすいことだ。煮ている時は鍋の底からこまめに混ぜなければ焦げ付く。焦げたにおいまで漂ってきた瞬間は絶望だ。雑炊を煮る3分はラスボス「焦げ」との戦いだ。
見事「焦げ」に打ち勝った暁には、1升50ml分の製氷皿10個分の雑炊を獲得できる。
 ただ、ひなちゃんはありがたいことにとてもよく食べる。1日3食の離乳食になったこともあり、他のメニューを取り入れたとしても4日あれば食べきってしまう。
 今後も様々な食材のにおいや音を手掛かりにご飯を作っていく予定だ。
楽に作ることのできる離乳食後期のメニューも随時募集中である。

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