過去作 vol.40
地下茎のようにも思うさよならを教えてくれた夏の記憶は
月光に感電しても穏やかな君の瞳がまだ好きでした
待ち合わせ場所で心の影が濃い君を待ちつつ花を買います
黒板を見つめる君は花びらが落ちる速度で慕情を漏らす
私なら左手首の脂肪腫に愛を囁くこともできるよ
夏物を虫干しすれば婆様がまだ生きている心地になりぬ
抱きしめてあげよう僕に切っ先を向けた貴方も傷だらけだね
税務署が払えと言った六万を払って今日は就寝します
青薔薇が羽ばたくように散っていてきらめくことは死ぬことと知る
幼児向け玩具を前の住人に勧めるトイザらスのカタログ
本日は推し監修の香水で高まったのち就寝します
音楽は明日が運んでくるものを見せて私の背骨になった
さよならだ朝を讃えた君ならば希望だけでも生きてゆけるよ
親さえも知らぬ決意を知っている氏神様は今日も綺麗だ
アイコンがバナナの人は身の上をインターネットだから話した
あの人に近づけるならエスプリの効いたジョークで笑ってもいい
愛おしいマブだったのに揶揄いで照れる理由に気づいてしまう
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