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ロールモデル

インスタをだらだら見ていたら、仕事がうまくいかないときはロールモデルを参考にすればいい、という投稿を見つけた

私は今の職場に満足していない。もうすぐ辞めるのだが、この投稿に思わずハッとさせられた。そうだ、今の私には、ロールモデルがいない。

目指したいと思う上司や先輩、そういう存在がいないのだ。なにも自分ができているとか一番だとか、そういう訳ではない。

今の上司、師長は病棟経験がほとんどなく(家庭に入りずっと外来だった)、師長という自覚が感じられない。お気に入りの若い看護師と一緒にワイワイとどこでも騒ぐ。五月蠅い。病棟の決まり事を若い子と決めていき、スタッフ皆に浸透しないまま決まりが変わっていくので、年齢的にアッパークラスの私は取り残され、「結構前に変わりましたよ、知らないんですか」と言われてしまうことが多い。仲間に入れてくれなくてもかまわないが、何かを決めるときには周知して欲しいと思う。

看護管理室の師長たちも会議会議ばかりで、病棟の状況を知らないままにああしろこうしろと言ってくる。せめて現場をラウンドしてからにしてほしいと思うが、そんな暇があったら会議と、マニュアル・ガイドライン作成に忙しいのだという。現場を取り残して作られるマニュアルなんて、砂上の楼閣のようなものだ。いずれボロが出て崩れていくだろう。使えない分厚いマニュアルばかりが増えていく。そして、とりあえず作られたマニュアルはすぐに訂正訂正が入り、なにが合っているのかすらわからない。現場は混乱するばかりだ。

会議ばかり(算定が取れて収入になる会議もあるみたいだが)、人員が足りないから会議は掛け持ち、時間内にはできないから時間外に会議。勤務だったら、就業過ぎてから途中で抜けて会議に行き、戻ってきてから残務。残業手当は出すが、会議の時間は差し引く。帰宅時間が遅くなるだけでむなしくなる。

今はどこの病院もこうなのかもしれない。もしかしたらここよりましな病院のあるかもしれない。ひどい病院だってあるかもしれない。

それでも私は、今の職場・病院にロールモデルをみつけれらないでいる。バイタルサインだけ計って、残りの時間を詰所で談笑する暇があるのなら、患者さんの髭剃りして欲しいと思う。足浴して欲しいと思う。伸びた爪を切って欲しいと思う。髪をとかしてあげて欲しいと思う。

忙しくて手が回らない時だってあるが、キャッキャと始語を談笑するスタッフを見ていると、ものすごい虚無感に襲われるのだ。「なんでそんなこと(足浴)してるんですか」「忙しくて、ひげなんて剃ってられませんよ」。私がするとそう言って、小馬鹿にしたように言うが、私より後に看護学校を卒業してきたあんたたちは、ケアを学んでこなかったのかと思う。

いや、もういいか。もう私は立ち去る。きっと彼らにとっても、私はロールモデルではないんだろう。

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