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Humankind 希望の歴史

noteで仲良くして下さっている、フクちゃんさんの記事(読書日記:Humankind 希望の歴史)が非常に興味深いお話でした。

ちなみにAmazonでは、この本の内容が以下の様に書かれています。

「わたしの人間観を、一新してくれた本」――ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』)著者推薦!

「希望に満ちた性善説の決定版!」――斎藤幸平(『人新世の「資本論」』)著者推薦!

「邦訳が待ちきれない!2020年ベスト10洋書」WIRED日本版選出!

本国オランダでは発売忽ち25万部突破、世界46カ国ベストセラー!

近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。

・ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」
・アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス
・ダーウィンが唱えた、自然淘汰説
・ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆
・少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞

また”性悪説”を裏付けるような心理学実験や人類学の調査がなされてきた。

・スタンフォード監獄実験(人は役割で容易に悪人になれる)
・ミルグラムの電気ショック実験(ナチス「凡庸な悪」の説明根拠に)
・イースター島絶滅の謎(内戦が理由とされ人肉食説すら唱えられた)

だが、これらは本当か。著者は、”暗い人間観”を裏付ける定説の真偽を確かめるべく世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に辿り着く。

なぜ人類は生き残れたのか。民主主義や資本主義や人間性の限界を踏まえ、
いかに社会設計すべきか、どう生き延びてゆくべきかが書かれた「希望の書」。

Amazon

「希望に満ちた性善説の決定版!」と書かれてあるので、性悪説を覆す内容が書かれているようです。

本来ならば、こちらの本を読んでから記事を書くべきなのですが、フクちゃんさんの記事を拝見した現時点で、自分は性善説と性悪説に関してどの様に考えていたんだろうと思いました。

まず前提として何を善や悪とするのか?ですが…

ライオンが生きるために他の動物を殺したからと言って、誰も悪だとは思わないかと思います。

よって人類が営む社会(例:儒教を中心とした日本社会)における善悪と定義したいと思います。※地球規模でみれば、社会活動を営む人間の存在自体が悪なのかもしれませんが‥

その善悪には、フクちゃんさんが記事で仰られた様にグラデーションがあり多くの人間は、社会的に善とされる行動を取るように自らを律しながら生きているのではないでしょうか?

性善説と性悪説についても、wikipediaで調べてみました。

性善説と性悪説
孟子の性善説は、「世に悪人がいる」ことを前提に「それでも性は善である」と主張する説だった。つまり孟子によれば、どんな人間でも井戸に落ちそうな幼児や屠殺されそうな家畜を見たとき、憐れみなどの道徳感情(不忍人之心ひとにしのびざるのこころ、四端)が生じる。この道徳感情が善なる性であり、これを教育などで拡充すればどんな人間でも善人になれる、それゆえ教育が重要である、という説だった。

孟子の没後、荀子が現れた。

荀子の性悪説は、専門家の間でも諸解釈あるが、最低限基本的には次のように解釈される。荀子によれば、孟子の性善説は誤りであり性は悪である。善は、教育などの後天的作為・人為によって初めて得られるもの(偽ぎ(い))である、それゆえ教育が重要である、という説だった。しかし荀子は、性悪なる人間がどうして教育に従うのか、教育を行う側の人間の善はどこから来たのか、などの点を明確にしなかったため、後世に「性悪説の矛盾」として批判や諸解釈を生むことになった。

性善説と性悪説には共通点もあった。例えば、どちらも「教育の重要性」を結論とすること、「善人も悪人も性は皆同じ」とすること、などが挙げられる。

wikipwdia

他にも…

性無善無悪説:性は中立的なものであり善も悪も無く、善悪はどちらも後天的である

性有善有悪説:性は善悪の両方を陰陽のごとく有しており、性の養い方次第で善人にも悪人にもなる

性三品説:「上品」の人間は性善であり教育に関係なく常に善人、「下品」の人間は性悪であり教育に関係なく常に悪人、「中品」の人間は性有善有悪(または善悪混在か無善無悪)であり教育の影響を受け、世の大半の人間は「中品」である

wikipedia

大昔から善悪について、これだけ多くの人が様々な説を立てていたのですね…

孟子の意見も、荀子の意見も、「なるほどなぁ」と思います。

ただ私は、生まれついての善も、生まれついての悪も両方存在すると思いました。

私が生き抜いてきた時はまさに世紀末でありましたが、この腐敗と自由と暴力のまっただ中であっても、本当に素晴らしい人格者(善)だと思える人に出会ってきました。

よって希望に満ちた性善説の決定版である「Humankind 希望の歴史」や孟子が言う性善説を支持したい気持ちはあります…

しかしどう考えても説明のつかない悪もこの世にいると感じています。おそらく井戸に落ちそうな幼児を、そのまま突き落とす人間も中にはいるかと思います…ただ、その様な人間の前頭葉では、先天的か後天的に何らかの機能障害が起きているのではないかと私は考えています。

そうでなければ、説明がつきません。

多くの人類は、社会的な善に向かって自らを律しながら社会生活を営み、最終的には他人の為に何か善行をしたいといった素晴らしい人間がほとんどであると信じています。

悪としてこの世に生まれた私も、できるだけ善に近づきたいと思いながら、この狂気と希望と幻滅のまっただなかを生きている一人です。

おわり

※画像はrich_poppy335さんよりお借りしました

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