作曲・編曲㊿

「コード」というテーマに飽きてきたので、またこのテーマに戻ることにしました。

今日の作品はJUJUさんの「やさしさで溢れるように」のTHE FIRST TAKEバージョンです。

これは完全に亀田誠治さんですね。

一番いいところを持っていってます。それだけならプロデューサー失格でしょうが、作品としても魅力的な作品に仕上がっているので、大正解。

編成の特徴を完璧に把握してベース弾いてますよね。

ベースって普通の場合、最低音を弾く楽器という位置づけだし、もちろんそれがこの楽器を弾く醍醐味でもある、とも言えます。

ベース音をどう弾くかでそのコード自体変わりますからね。

ただ、当たり前ですが、旋律を奏でることも出来る楽器でもあります。

Jacoの「Portrait of Tracy」のような表現すら可能な訳で、追随出来る人はその後出ていないと思いますが、出来ることは間違いありません。

でこのバージョンだとピアノ、エレクトリックベースギター、ボーカルという編成です。

これってベースの自由度が高い編成なんですよ。

ベースよりピアノの方が低い音出ますから。

もちろんピアノで低い音を弾く必要がある訳ではありませんが、ベースが自由に動き回っても、ピアノで低音を支えることが出来るので、ベースが前に出られるんですよ。

もちろんベースが前に出る場面は普通の曲でもありますが、基本アクセント付け的な意味合いで使うのがほとんどです。

全面的、とまでではないにせよ、ここまで前に出すということはそれほど多くはないでしょう。

これ、下手するとバランスの悪い作品になりかねません。フレージングのセンスがいいだけではダメなんですよ。

当然パート数が少ない分、音数は増えます。ただだからといって全編弾きまくるというのは当たり前ですがダメな弾き方です。

弾きまくる、というのは弾いていないのと同じことだと考えています。

どこで抑えるか、どこで立たせるか、という観点で弾かないとただ単に、ベーシストのベーシストによるベーシストのための曲になります。

弾かないことも弾くことですから。

その辺が亀田さん、単なるベーシストではなくて「プロデューサー」なんですよね。

もちろんオリジナルの編曲も亀田さんですから、そういう意味でのアドバンテージは確実にあります。

曲に対する理解度がたまたま編曲をやっているだけ、というのとは違いますからね。

で、多分この曲、亀田さんが手を入れている(=作曲者の曲を変えている)と思います。

だから尚更なんでしょうね。

どこで高音部にするか、どこを低音部にするかのメリハリがきっちりしているんですよね。で、しっかりどこでも主張はしている。

あのエンディングはずるいに近いかもしれません。

まあああだこうだいう前に聴くのが一番なんですけどね(笑)。


ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。