保守・革新⑧

保守的なミュージシャンを考えた時、最初に浮かんだのはこの方でした。

Sonny Rollinsです。

これには異論のある方も多いと思いますが、そもそもフリージャズを練習するなんてあり得ないと思います。

それじゃフリーじゃないでしょ(笑)。

「Our Man In Jazz」とか聴くと良く出来てはいるし、20分以上の「Oleo」も聴き応えはあるのですが、Sonny Rollinsがやる必要はないと思うんですよね。

あれを練習してやるなら、他のことをやった方が世のためになると思います(笑)。

普通に吹いてあれだけのことが出来るんだから、別にあんなことをやる必要もない訳で、自分の行く道を行った方がいいのに、割と新しいことに手を伸ばそうとするんですよね、この人。

エレクトリック・ジャズなんてやらないで、ただサックス吹いていればいいんですよ。

年を重ねていくに従って、この傾向は治まっていくようですが、まあ年を重ねたせいだけかもしれません。

こう書いているとSonny Rollins批判のように取られるかもしれませんが、決してそういうことではありません。

間違いなく素晴らしい演奏者ですし、Oleoのような優れたスタンダードナンバーを残している訳で(St. Thomasは実際にはSonny Rollinsの作品ではないのでここでは取り上げません)、ミュージシャンとしても素晴らしいという気持ちは普通にあります。

ただ、世の中というのはやはりバランスというものがあって、多分「革新」というのは「保守」があるからこそ存在しうるものです。

既存のスタイルが無くなってしまっては何が「革新」なのか分からなくなる、というのもありますが、これまでのものにもいいものは沢山あって、それを捨てる、というのはもったいないことです。

確かに新しいことをやった方がかっこいいかもしれませんが、やはり古いものを守るという行為も必要であって、Sonny Rollinsにはそういう立ち位置でいて欲しいですね。

っていうかまだご存命だったんですね(汗)。音楽活動はしていないようですが、こういう方がいればこその「革新」なんですよ。

また聴いてみたいですね、現在進行形で。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。