ミュージシャン④宇多田ヒカル 「総括」③
この後宇多田ヒカルさん、人間活動のため音楽活動を休止しますが、あの名盤「Fantôme」で劇的に復活することになります。
この後の3つのアルバム、一括りにして語られることが多いのですが、多分それは違っているんだと思います。
「Fantôme」と「初恋」、「初恋」と「BADモード」の間には共通性があるのですが、「Fantôme」と「BADモード」の間にはあまり共通性がないように感じられるからです。
「Fantôme」が旋律的要素が強いのに対し、「BADモード」は明確にリズムに力点を置いた作品です。
もちろん「Fantôme」にもリズムに力点を置いている作品もありますし、「BADモード」にも旋律に力点を置いている作品もあるのは確かですが、全体的としては明らかに違っています。
「BADモード」はリズムを抜いて語ることが出来ないアルバムなのに対し、「Fantôme」はリズム無しでも語ることの出来るアルバムですから。
「初恋」はその中間点にあるような作品でしょう。
もちろん人間活動以前のアルバムもリズムの要素は高いので、「Fantôme」とは軸が違う作品ですが、「BADモード」のリズムが以前の宇多田ヒカルさんのアルバムのそれに戻った訳ではなく、全く質の違うリズムです。
むしろ「Fantôme」が異質な作品と言った方がいいのかもしれません。
ただ一つ言えることは、決して元には戻らないんですよね。常に前に進んでいる。
来年で25周年、半世紀やっていて常に時代の最先端を行く、こういう方って世界的に見ても稀な存在だと思います。
文化勲章の一つや二つ、もう上げてもいいんじゃないかなあ。
どうでもいいことやっているのに貰っている方も多いですし。
本人がそれで喜ぶとは思えませんが(笑)。
ちょうどこの辺でキリがいいので、この長い連載も今回で終わりにしたいと思います。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。