#181 日本代表、アジアカップ敗退の3つのポイント③ 結局のところ、伊東純也問題は…



アジアカップ敗退の要因を云々、みたいなブログ自体が2月頭の連載だったんですよね。
そこからJリーグ開幕に向けた云々のブログを書いてたり個人的にバタついていた事もあって、3つのポイント…とか言いながら全然2つじゃねぇか状態が続いておりました。




3つ目の要因として…やっぱり伊東純也問題が尾を引いた部分はあったように思います。
ここでは事の真偽であったり顛末についての感想を書くつもりはありませんが、少なくともああいう報道が出てしまった時点で、まず伊東本人が平静を保つことは難しいと考えるべきでしょう。伊東の弁護士さんのコメントでも「(退会中に記事が出たことに対して)憔悴していた」とあるように、本人に与えた動揺・ダメージは大きかったのは確かでしょうし。

その点で言えば、結果としては伊東は代表チームを離脱する形となってしまって、これはJFAが「スポンサーの顔色を窺って追放した」と捉える意見も多いですが、実際問題としてJFAとしてはこうするしかなかったと思っていますし、個人的にはJFAの判断をあまり責める気にはならないんですよね。
こういう報道が発生した時点で、やっぱりグループというか、空間は異様な空気に包まれますし、伊東も含めてそれは本人のみならずチーム全体がある意味で奇異の目に晒されるような状態になってしまう。そういう状況がチーム全体に与えるストレスってやっぱり大きいと思うんですよ……選手達はプロですし、伊東の仲間としてそんな事は感じないようにプレーをする。それは言うまでもない。一方で、無意識のうちに蓄積されるストレスが確実に生じる状況があの報道一発で生まれてしまった。外野の奇異の目に晒されるってそれだけの事だと思うんですよね…。ましてや、これがクラブチームであれば一日の練習、一日の試合が終われば自宅に帰れるのに対し、アジアカップで決勝まで進むと仮定すれば、そういう上述したストレスを「日本国内の肌感覚」を掴めないまま抱え込んで、2週間日本に帰れずに共同生活を過ごさなければならない。そうなってしまうともう苦しい。JFAの判断が二転三転してしまった事はよくなかったですが、JFAにとってもこれはあまりにも想定していないケース過ぎた。推定無罪の原則はありつつも、状況が推定無罪とは異なるフェーズで考えなければならない状況に直面していた…という部分はあったんだろうなと。

伊東が所属するスタッド・ランスが、伊東復帰後に即座に試合に出場させた事でJFA批判がより加速した側面もありますけど、そもそもJFAは立場としては伊東を雇う立場ではないので、文字通り伊東を雇っているランスと比較すればJFAとして出来る事自体がそもそも限られているんですよね。それを踏まえると、ランスの対応とJFAの対応を同一線上で比較するのはフェアでは無いだろうと思っています。
つまるところ、明確な雇い主である所属クラブであればともかく、長期の共同生活中にこの報道が出た時点でJFAとしてはこうするしかなかったでしょうし、外野からの奇異の目という雑音で選手達は自覚がないままに疲弊してしまった側面は確実にあると思うんです。同時に、今回の件は決して敗因の最たる要因ではない一方で、知らず知らずのうちに与えた疲弊という要素では遠因ではあるでしょう。だからこそ、真実がどこにあるのかというところをここで深く書くつもりはありませんが、そういう状況に自動的に追い込まれてしまうという意味で投げられた塞は重いな…と。

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