2020/1 月報

 どうも。当たり前のように月報と題した記事ですが、この形態で記事を書くのは今回が初なので、まずは軽く説明から。
 基本的にはその月に触れたゲームやアニメなどのコンテンツの感想や、その他書き残しておきたいことを書いておくタイプの記事で、今年はこういうスタイルで毎月書いてみようと思っています。

 一応意図として、私は年末年始にまとめてその年のゲームの感想をまとめた記事を書いているんですが、毎回あまりにも労力が重すぎ、実際にはゲーム以外のコンテンツについても書いておきたいのに、ゲーム分を書き上げるだけで精一杯となりがち。
 ゲームにしても年始とかに遊んだ作品は記事書く頃には印象薄れてるし、そもそも全部書くと記事長すぎだしで、どうにか記事を分散したいというのは毎年思っていました。かと言って何か触るごとに感想記事というのも大変そうだしということで、ひとまず間を取って月報形態で細かい単位でまとめて出してみようという感じです。

 溜め込みすぎず定期的なアウトプットという意味では月報よりも週報とか隔週報の方が多分良いはずで、当初予定としては自分でもそのつもりだったんですが、そんなことを考えている間に1月が過ぎていたので……ひとまずは月報でやってみようと思います。慣れてきたらまた形態も考えるかも。

ゲーム

 継続して遊んでいるゲームだと、ポケモン剣はシーズン2も一応シングルでマスターボール級入りできました。しかしシーズン1からパーティ固定のまま遊んでいるので若干飽きが来ている部分があり、ここらでちょっと入れ替えたいという思いがありつつも、今のパーティを弄るとしても誰を入れるかが思いつかない。
 いっそコンセプトごとごっそりチームを入れ替えてみようかとも思いましたが、そこまでやると育成コストが高いし……というような感じで、結果マスター入り後はほぼ別のゲームやってました。対戦自体は最高に面白いんですがやはり育成が……

Slay the spire

 Steam年末セールで購入。「ドミニオン」ライクのデッキ構築型カードゲーム+ローグライクRPGという感じのやつなんですが、まあ非常に面白い。ジャンルの組み合わせのシナジーは明らかですが、実際に調理でより味を引き出すことに成功している見事な例ですね。

 ランダム取得のカードやレリックの組み合わせからその場でシナジーを考え、どんどん先に進んでデッキを強化、最終的に1ターンに何十というダメージを叩き出したり毎ターンデッキを引き切るレベルまでデッキ圧縮したりして大勝利、というような流れが綺麗に回ると脳汁ドバドバ。
 やっぱり人間の脳はランダム性を自分の能力で乗り切ってやったとか、不可能だったはずの状況がランダム一発でひっくり返ったとか、自分の計画が綺麗にハマって思い通りの状況になったみたいな瞬間に一気に快感を感じるようになってんですよね。脳の仕組みには抗えねえよ……

 システム自体の面白さはもちろんながら、戦闘やイベント時など、自分の行動によって何が起こるかが数値で明確に表示されるのが地味に良くて、勝つにせよ負けるにせよ非常に納得度が高くプレイできるのは遊びやすくて最高。全体的に行き届いたゲームという感じですね。
 色々別ゲーなどに浮気していてまだ全然遊び尽くせていないので、今後もちょくちょく遊んでいきたいです。

Europa Universalis 4

HumbleBundleで全部入り17ドル!!!!!!!!

 出てくるタイトル触る度に私の生活を破壊しやがる北欧ゲーム業界の雄Paladox、その主力タイトルの一角たるEuropa Universalisシリーズの現行最新作ですね。そろそろ5が出るという話もあるらしく、それで全部入りバンドル出したのではという観測もあるみたいですが。

 同社の歴史シムシリーズの中で15世紀~19世紀の大航海時代~ナポレオン戦争あたりを担当するのが「EU」。
 私は基本近現代史ファンというか歴史興味の原点がWW2なので、パラドゲーでは従来WW2をテーマにした「HoI」ばかり遊んできましたが、いつの間にか簡単に日本語化もできるようになってるし安いしとにかく一回やってみようかと思

 思ったら4日で24時間吹っ飛びましたね。面白すぎる。面白すぎる……

 前提として「HoI」は史実外のルートに進むことも可能ではあるんですが、いかんせん取り扱っているのが1936~50あたりと年数としては短く、また発生するイベントもかなりギッチリ詰まっていて、全体としてゲームの歴史は史実から大きく脱線することは少ないようになっています。
 結果、プレイの方針としてはWW2における史実の勝利を再現するとか、敗戦の歴史を回避するとか、史実とは違う陣営に属してみるとか、史実との距離の差はあれど、基本的にはWW2の存在が大前提。

 このあたり、「EU」も同じ会社の同じエンジンのゲームだし同じようなもんだろと思っていましたが実際遊んでみたら全然違った。

 実際のEU4が取り扱っている時代は1444~1820と非常に長く、史実的にも非常に多くの歴史的イベントを内包している時代。
 まだ巨大な国民国家のような概念は影も形もなく、欧州は中小の王国の乱立状態で、南北アメリカやオセアニアなども未入植で、同じく小勢力が盛衰を繰り返している状態。
 そうした大量の国家群がそれぞれ好き勝手に戦争や植民、同盟などを積み重ねて作っていく歴史は、かなり早い段階から史実からの脱線を見せるようになっており、必然、プレイヤー側としても、史実に対してどうこうというより、その時の歴史の情勢を見極めながら自分の国家をいかに発展させていくかの計画をその都度立てて実行していくのが基本となります。

 他国の状況を見極めながら、大洋の向こう側の世界を探索し、入植や戦争、外交によって国家を拡張し、国家を強化して技術を発見し、他国との戦争に挑む。
 結果として「EU4」のプレイ感は「シヴィライゼーション」など4X系のゲームに近いものになっていて、史実のイベントや要素はしっかり取り入れつつも、ゲームとしては純粋なストラテジーとして自由度高くプレイできる性質が強いです。

 遊んでいる間にどんどん対処すべき問題が発生し、時には外国の同盟締結や戦争によって自分の長期計画の軌道修正を迫られ、思わぬランダムイベントや貧弱な後継者、反乱軍などに悩まされながら自分の歴史を走っていくのはとにかく忙しく楽しく、切れ間なく楽しみ続けることが出来てしまう中毒性にあふれるもの。

 現状で既に30時間ぐらい遊んでいますが、それでもまだ初プレイのイングランドが17世紀を半分過ぎたぐらいで、仮にイングランドプレイで終了までたどり着いたとしても他にいくらでも遊んでみたい国があるような状況なので、今年は相当このゲームで埋まりそうです。またパラドに人生を破壊されてしまった……

アニメ

 20年の冬アニメが始まりましたね。本邦の一部オタクはアニメのラインナップの変化で季節の変化を感じ取る生き物だという説もあります。私はあんまりTVアニメ熱心に追ってないのでそうでもないですが……

映像研には手を出すな!

 原作未読で現在4話まで視聴済み。原作に関しては一応存在は知っていて途中まで試し読みとかはした程度ですかね。
 作品のテーマがまさにアニメーション制作ということで、自己言及作品ゆえの猛烈なハードルを自分に課しておいて軽々と飛び越えていく内容が素晴らしい。アニメの動きに関する薀蓄とか必要以上に詳しい設定とか複雑な画面構成とか、登場人物の「厄介な」画へのこだわりを余すことなく画面内で実現してガンガン動かしていくの、製作者のアニメ制作への自負が感じ取れて本当に格好いいですね。

 シンプルにアニメの動きの質が良いというのもさることながら、クリエイティビティに向かう情熱とマネジメントのせめぎ合いや、キャラの関係などドラマの面でも文句なしに惹きつけられるものがあり、毎話目が離せずに楽しめています。

四畳半神話体系

 「映像研」が面白かったので湯浅監督つながりで視聴。こちらも文句なしに面白い! 前情報なしで見始めたので1話ラストで「そういう話なの!?」と度肝を抜かれ、以降もトリッキーな構成や細かいくすぐり、印象的なセリフや大胆な伏線回収、そして明石さんの美人さに振り回されまくりながらハイペースに11話を見切ることが出来ました。

 スケールが大きいのか小さいのか分からない、現実と妄想の境目もハッキリしない混沌とした内省的な話を展開しておきながら、最終的に「周囲の人々と世界への素朴な愛」と「実益が無く無為に思えることに対してもひとまず踏み出してみることの大切さ」という、ありふれた前向きなメッセージに着地するのが本当に綺麗。
 見始めた段階ではまさかこんなポジティブな話になるとは思っていなかったし、ましてやそれに感動してしまうとは全く想定外。
 主要登場人物の人物像が全員深みがあって魅力的だ(それこそがテーマでもある)し、画を激しく崩したり派手な色彩を見せたり実写を織り交ぜたりと自由自在で前衛的な画面も魅力的。何より「私」の早口の語りは作風を象徴するものになっていてお見事で、声優のパワーを感じさせられる作品でもありました。

 湯浅監督作品、「ピンポン」(最高)とこれと「映像研」しか見たことがないんですが、今の所全部最高なので、他の作品も抑えておきたくなりますね。

マギアレコード

 ソシャゲの方は遊んでないのでキャラとか設定とか全然把握できてないんですが(クソレズ魔境都市とか言われてるのだけ知ってる)、結果的に毎話先の展開が読めずにワクワクしながら楽しめているのでむしろお得感。
 別に何か特定作品がダメだったとかではないんですが、原作知ってるアニメはどうも原作再現確認行為みたいになっちゃって楽しみがスポイルされがちなんじゃないかと最近思い始めました……

 日常シーンでさえ常に不穏な空気が漂う世界観と演出、緊張感ある少女同士の人間関係、そしていわゆるイヌカレー空間の尖った映像表現。様々な構成要素がまどマギをリアタイで見ていた時の感触をそのまま思い出せてくれるようなところがあり、スピンオフ作品としてすごく出来が良く楽しいものになっていると思います。

 しかしなんと言ってもキャラの関係性の重みがすごい。単に重いというだけでなく、すでに空間が歪むような超重力人間関係が完成済みのところに主人公が部外者としてあとから入っていって関係性を見せつけられるという話の構造になっているのがすごく強力でヤバいです。
 特に4話のやちよと鶴乃の過去の関係匂わせが鋭すぎて死んでしまったので、この記事は冥界から書いています。

メイドインアビス 深き魂の黎明

 TV版本編視聴後原作最新刊まで読了済み。
 いやー良かったですね。TV版をあそこで切って2時間ボ卿編で使い切るという構成は大当たりだったと言えます。レグとボ卿の戦闘はメイドインアビスのアクション面では現状最大級の見せ場だと思うので、劇場クオリティで存分にやってくれたのはありがたい。
 展開に関しては原作で知っていた通りの流れだったのでどうにかダメージは少なく抑えられましたが、しかし「上向き苦しいの!?」のあたりは本当にキツい。ボ卿のせいでR15になったとか言われていましたが、100%つくし卿が原因なんだよな……

 しかし改めてボ卿は魅力的な存在ですね。行動そのものは最悪なんですが探究心やアビスの呪いの克服という動機面での筋は通っていて、倫理を置き去りにしている点を除けば探窟家のあるべき姿の一側面ではあるのがタチが悪い。

 あと、漫画版を読んだ段階ではボ卿を「真の目的のためにその時々で最適な役割を演じ切れる役者タイプの凶悪人」というふうに感じていたんですが、劇場版で動いてしゃべるボ卿を見た結果、「本性として紳士的な価値観と溢れる父性を持ちながら、その手の感情や価値観を一切捨てて目的に邁進できる究極の滅私の人」なんだなあと認識が変わりました。やっぱりパパじゃないか。
 プルシュカに対して父として注いだ愛と祝福は本物だったんだなと感じる場面が多く、その愛はナナチに対しても本物で、ナナチからボンドルドに対する感情もまた嫌悪だけにとどまらない複雑なものが描かれていたように感じ、ボ卿編の深みがさらに一段増した感があり大満足でした。深界六層以降のアニメ化も楽しみですね。

スローターハウス5

 年末のハヤカワKindleセールで購入。ヴォネガット初読。奇怪な世界観やドライで皮肉っぽく淡々とした価値観はところどころ共感できたり面白かったものの、全体のお話としてはあまり好みに合わなかったですね……そういうのを求めて読むタイプの本ではそもそもなさそうですが。

紙の動物園

 同じくハヤカワセールで購入。ケン・リュウ初読。これは結構良かった。短編集形態なので読みやすく、内容もバラエティ豊かでアイデア多彩で面白い。
 全体として文化間・人間感の差異やすれ違いをテーマにした話が多く、人間同士の普遍的なドラマをSF要素がラップしているような雰囲気。
 ドラマ要素もSFアイデアもすごく新規性があるという感じではないんですが、どれも読みやすく面白くまとまっているので、終始””””普遍的な筆力””””で殴られている感じの読書体験。訳文の質も高いんだと思う。
 「結縄」「心智五行」「文字占い師」あたりがお気に入り。「1ビットのエラー」「愛のアルゴリズム」もプログラム書いてる人間としては諸々共感できる部分があって面白かったですね。

ファウンデーション

 数年前のハヤカワセールで購入したあとデジタル積み状態だったのをようやく崩しました。いやー面白い! 私はいわゆる御三家ではアシモフ作品が一番よく刺さる傾向にあるんですがこれも大当たりですね。

 架空の技術で構成される架空の世界の架空の歴史を舞台にしたお話で、それに加えて大量の登場人物、さらに翻訳もの、と構成要素を並べてみると非常に厳しそうに感じるんですが、ほとんど問題なくグイグイ楽しく読ませてくれるのはやはり巨匠の実力という感じ。

 巨大な銀河帝国が衰退し、帝国の所領が独立し蛮族化していく時代。銀河の辺境に位置し、資源もなく軍事力も乏しく、帝国譲りの技術力だけをもつ小国が、その技術力と交渉力だけを武器にして、強大な蛮族に対してどう立ち回るかというシチュエーション。危機に対して立ち上がるリーダーたちの魅力的な人物像に、敵を見事にやり込めるその立ち回り。そしていわゆるワンダーを感じる様々な描写。巨匠の名作と言われるだけあって本当に間違いないですね。

 ちなみに今は「2」にあたる「ファウンデーション対帝国」を読んでいるところなんですが、問題は「4」以降がKindle化されていないところ。一応3部作で一旦完結したあと間を開けてから続編を書いたという経緯らしいので、3まででもキリはよく終わっているはずだとは思いますが、せっかくなら最後まで読みたいところです。ハヤカワさんよろしくおねがいします。

その他とまとめ

 あとまあ人生初のスノボを体験したり久々にドミニオンやったりとか、1月は大体そんな感じでしたかね。スノボは楽しかったけど肋骨に深刻なダメージを負ったのでトータルの印象はイーブンという感じでした。今シーズン中にリベンジの予定があるので今度はポジティブ100%で帰ってきたいですね。

 で、今回初めて月報を書いてみて思ったのは、せっかく小分けにして労力削減の魂胆だったのに記事が長すぎ重すぎる!
 今回の記事で6000文字オーバーなんですけど、年始に書いた年間ゲーム振り返りが19000文字ぐらいなので、1月分の記事だけで年間の1/3ぐらいに膨らんだ計算。ゲーム以外を盛り込んだとはいえこれでは計算が合わない……
 今回は1月末から2月頭の余暇の時間をかなり使ってしまったので、毎月これだけ時間消費してしまうと他の趣味を圧迫しすぎなのでダメですね。そういう状態になると多分続けられないので……。
 感想出力行為そのものは重要ではあるものの、下手に力を入れすぎてもリターンの薄い作業だという感もあるので、あまり膨らみすぎない程度に抑えたいところ。

 まあ感想語りたがりな(そうでもなかったらわざわざこんな記事書かないが……)性質ではありますが、ダラダラ書きたくなるところをうまく抑えて要点を圧縮して書く能力を身につけたいなあと思いますね。
 せっかく今年は月報をやっていくと決めたので、ここは今年通してのテーマとしてチャレンジしていきたいところ。ひとまず今月はこんなところです。

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