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2019年のゲーム振り返り

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

 そういうわけで、毎年新しく遊んだゲームの感想をメモ的に書き留めておく恒例のやつです。自分が「新しく遊んだ」ものであって、特に19年「発売」のゲームというわけではないのでご注意ください。去年分は以下記事。

 毎年気合い入れて書こうとしすぎてどんどん公開時期が遅れていく傾向があるので、前説とかスクショ貼りとかはすっ飛ばしてサクサクやっていきます。なんか忘れてるゲームがある気もしますがそういうのもスルーで。
 それでも今年は膨らんで19000文字ぐらいあるので、読む方はそれなりの覚悟などよろしくおねがいします。

エースコンバット7: Skies Unknown

 十数年ぶりのナンバリング続編!シリーズファンとしては最新ハードでの正統続編といわれれば買うしかなかったので、予約が始まってすぐに限定版を購入。一応DLC追加ミッションを除く全ミッションで難易度ACEの全Sまではやってある状態です。
 総評として、まさに「ナンバリング正統続編」を名乗るにふさわしい、良くも悪くも保守的で手堅い作りのゲームになっていたと感じます。

 相変わらず「戦闘機の操縦と空戦」を楽しめる良質な操作感、ちょっと賢くなった感のある敵AIとパーツカスタムで深みの出た空戦のバランス、意外と楽しめるマルチプレイ。全体的に安定した出来の中、「6」以前と比して大きく進化したポイントはなんと言ってもグラフィック。

 とりわけ立体感のある雲、ミッションごとに違った表情を見せる空の表現は非常に美しいもの。「6」も360の初期の作品としては上質なグラフィックのゲームでしたが、7はしっかりとそこを上回り、2019年のゲームとして十二分に美しい映像になっていたと感じます。
 グラフィックはゲーム体験の本質ではない、というような意見が一昔前のネットで結構盛り上がっていた記憶がありますが、少なくとも「エースコンバット」においては「超本格的ヒコーキごっこ」というのが長年のテーマであるわけなので、グラフィックの質はその気分を盛り上げるための重要要素、紛れもなくゲーム体験の一部を構成するものなんですよね。
 更に今作はVRモードを搭載しており、このモードの出来は本当に素晴らしい。美しい風景の中をVRで自由に飛行し、「エースコンバット式の」空戦ができる、というのはそれだけで楽しい体験になってしまうということを実感できました。

 また、「6」「AH」と今一つな印象が強かったシナリオ面も(ある程度好みに依存する部分ではありますが)改善され、愛着の持てる登場人物が多く登場してくれた印象。過去作の登場人物や関係要素に繋がるネタがふんだんに詰め込まれているのもシリーズファンとしては嬉しいところです。
 特に懲罰部隊の面々はシリーズ従来作では見られなかったタイプのガラの悪さや癖の強さを発揮しており、新鮮かつ魅力的。その中でもカウントは歴代の相棒キャラの中でも特に思い入れを持てるキャラになりました。


 一方、肝心のゲーム内容について、特にミッション内容に関して言えば非常に保守的で、シリーズの近作と比べて退化しているように感じる部分も多々ありました。特にミッション内容に分岐が殆ど存在していないのは非常に残念。

 ミッションの分岐という点では、「(一応)5」「ZERO」「X」「6」の各作品においては、プレイヤーのプレイ内容や選択に応じてミッション内容が変化していくシステムが存在していました。
 これは分岐ごとに違ったミッションを楽しめることからリプレイ性を高めているというだけでなく、プレイヤーの存在が世界に影響を与えているという実感を得てストーリーへの没入感が得られたり、「同時期にパラレルではこんなことも起きていたのか」というストーリーの掘り下げになっていたような部分もあったように感じます。
 この点、今作では一部ミッションで突入した戦域や攻略順などによって多少出現する敵と無線の内容などが変わる程度で、ミッション内容が変動する仕組み自体がシステムとして組み込まれているわけではなく、あくまで小さい演出の一環というレベルにとどまっています。

 結果として、ゲーム全体が非常にリニアで脚本通りに進んでいる印象が強いものとなっており、ミッション内容としても護衛や時間制限付きの物が大半を占めているため、プレイ感として非常に窮屈に感じる部分が多いです。
 このあたりは非常に「ACAH」の遺伝子を感じるところで、DFMやガンシップのような目立ったシステムこそなくなっても、「プレイヤーの行動を制限して、敵に無敵時間を作ってでも演出を作り手の想定通りに見せたい」という根底の思想は強く生き残っているなという印象。

 とりわけ今作は複数の勢力がそれぞれの意図で行動する混迷した状況下を戦う複雑なシナリオになっていたため、同一ミッションの分岐によって同時期の各勢力の動きが読み取れたり、結果が変わってくるような要素があれば、物語を読み解く上でも非常に面白い仕組みになっていたはず。
 よしんばミッションの分岐とまではいかなかったとしても、DLCミッションなどで強調されるように、トリガーが戦局に影響を与えるエース、他者を導くエースであるというならば、単にシナリオ上の固定的なセリフやムービーでそれを説明するだけでなく、ゲームのシステム上で何かしらそれを表現する要素を入れて欲しかった。
 エースコンバット自体、「AH」発売以前の時点で「必要ない」と言われたシリーズである以上、やはりバンナム社内的には開発予算的な制限とか色々あるんだろうとは思いますが、しかしそれでも……とは思わずにおれません。

 エース7に関しては他にも色々と思うところがあって、(M09とか雲とか……)Twitterでよく見るエースファン界隈でもAC7については未だに諸々議論が尽きないところがあるので、どこかのタイミングで気合い入れてなにか書きたいなあと思いつつ、自分の中でも感情が上手くまとめきれない作品になってしまっていますね……

Hellsinker.

 にゃーん(私は2月に急にboothに来た時点で買ったんですが今ならSteamが楽だしお得なのでおすすめです)(ちなみにサントラ欲しさにSteam版も購入済み)

 多分特定の時期にネットでシューティング関連の情報を追っかけていた人なら多かれ少なかれ名前を聞いたことのある作品なんじゃないですかね。
 私は当時あまり同人ゲームのディスクを(普通に全年齢向けな内容だったとしても)家に買って帰って置いておくのが色々と憚られる環境だったりというのがあって買い逃し、なんだかんだしている間に店頭とかではあまり見かけなくなり……という流れで、(他の数多くの「同人STG」と並んで)個人的にしこりを抱えていたタイトルだったんですが、それをまさか2019年にもなってオフィシャルにDL販売で手に入れることが出来るとは!!!!!!!!!!!!

 なんと言っても独特の世界観と尖ったシステム、優れた演出とBGMで「同人STG」界にその名を刻んだ作品ですね。特にBGMは本当に素晴らしく、これだけでもサウンドトラックエディションの金額分の価値を上回ってあまりあるもの。

 一方システムの尖りっぷりも噂に違わぬもので、起動時初っ端のタイトル画面の表示内容と操作方法が理解できずに苦しめられるレベル。
 マニュアルも容赦なく本作独自の世界観による専門用語をふんだんに盛り込んだ内容で、ファンからは「ラスボス」呼ばわりされたり、「私的マニュアル」が初心者必読のものとされたりと凄まじい。これらのことから伺える通り、ゲーム本編のシステムや操作の複雑さもかなりのもの。まさに同人ゲームという尖った作品だと言えます。

 しかしプレイを重ねるごとに理解が進むシステム、ステージを進めるごとに激化する演出とBGM、意味深な展開などは、一度体験すればすっかり惹き込まれてしまうだけの魅力を放っています。
 残念ながら腕前の問題でラスボスが倒せておらずゲームの真髄まで理解しきれたとは到底言えない状況なんですが、それでも当時あれだけ話題になって、今回のDL販売化でも界隈を賑わせただけのエネルギーを持った作品だし、それは今遊んでも全く弱まっていないのだなあと実感できるゲームでした。いやちゃんと練習してクリアしないとな……

メギド72

 Twitterでフォローしている人々が何かと盛り上がっているのを見て2月頃にスタート。半年ぐらい細々遊んでいましたが、最終的にハマりきれず現在はドロップアウトしています。

 評判通り、シナリオ・キャラ・音楽といった構成要素は安定して良質、イベント・育成・周回周りの仕様も概ね良心的、何よりバトルシステムがよく出来た内容で頭を悩ます価値があり面白い。
 全体的に非常に質のいいゲームという印象でしたが、「高度なバトルシステム」がある以上、そこで機能するチームを構築しようとすると当然一定のコンセプトを満たせるキャラを揃えてしっかり育成する必要があるわけで、パーティコンセプト上必須のキャラや入れてみたいキャラ、試してみたい構築などを思いついたところで、ガチャでそれを引けなければ話が始まらないし、ガチャがガチャである以上、いくらリソースを投入したとしても入手できる保証はないんですよね。(一応スカウトチケットなどがあるとはいえ)

 結果的に手持ちから組めるパーティの最適解がほぼ固まってしまい、こればっかりだと面白くないから他のキャラを育てようと思っても、別のしっかり動くコンセプトのパーティを組むにはパーツとなるキャラも育成リソースも足りず……一番魅力と感じていたはずのところを全く楽しめていない状態だなあ……というモチベ低下が発生して終了しました。
 普通の一人用RPGとしてキャラの加入とか成長とかを調整された版があればそっちで遊びたい……色々前提が違うので無理な話ですが……

Apex Legends

 19年を代表するタイトルの一角じゃないですかね。「PUBG」以降のバトロワブームの中でもひときわ目立った1作という印象ですが、チームプレイ前提で協力を誘発するゲーム設計は実にお見事という感じ。

 しかし自分の好みとしては少々プレイヤーが硬すぎる。硬いということは銃撃戦の時にはしっかり避け続けながら当て続ける必要があるということで、それは元々FPSが上手いわけではない私にとってはあまりにも難易度が高すぎる……。友人と一緒にプレイしていても自分だけ明らかに与ダメージが少なかったりすぐ死んだりというのが多発して、申し訳なくてあまり続けず辞めてしまいました。

 スピンオフ元の「TF2」は数発でも射撃を中てさえすれば結構殺せるバランスで、近距離戦や裏取りなどがガンガン多発するのもあって銃撃戦自体にも何とかついていけた(化け物級のパイロットを相手にすると無理ではある)のでマルチにも一応ついていけてる感がありました。
 また、ミニオン狩りでタイタン呼んだりブースト使ったりと純粋な銃撃戦以外で誤魔化しが効かせられるシステムも諸々あり、何よりリスポーンがあるので、FPS下手でもそれなりに1試合内でも何度もリトライしてたまにはいい成績を残せたりできるような設計が感じられたわけですが、Apexはそういうの全然ないので、純粋なFPSの腕が試されるなーと。

 Apexに限らず、バトロワ系全般が「長い準備期間からの一発Aim力勝負」「キルストとか乗り物とかによる誤魔化しが存在しない純粋なFPSの地力勝負」という状況になりがちでめちゃくちゃストイックなゲームだと思っていて、初心者が多いうちならともかく、煮詰まってくると私には到底ついていけない世界になってしまうんですよね。
 こんなゲームばっか全世界で遊ばれてる世界やべえなみんなFPS上手すぎか?とビビるばかりです。

Ultimate General: Civil War

 タイトル通りアメリカ南北戦争をテーマにしたRTS。全体的に「トータルウォー」っぽい感じのゲームで、単に戦うだけでなく戦闘の間に部隊を編成したり武器を供給したりする要素もあり。戦略級と戦術級のいいとこ取りという感じのシステムですね。

 南北戦争というだけあって、武器としても前装式マスケットから後装式ライフル、榴弾砲にカノン砲など色々あり、それぞれしっかり個性付けされているのが面白いポイント。高性能な銃や良質な兵士はそれだけ供給が細く価格も高価なので、精鋭の散兵部隊を編成して高価な銃を供給してアウトレンジで消耗戦を挑むか、安価な銃を持たせた戦列歩兵の数を揃えて正面決戦を挑むか……というようなリソースマネージメントが発生するのが面白い。

 戦闘自体も主力たる戦列歩兵の隊列をいかに整えて敵に指向するか、逆に散兵や騎兵を利用して敵の隊列を崩すか、敵の大砲をいかに撃破するか、榴弾砲をいかに上手く敵歩兵に近づけるか、敵の一斉射撃を射程一杯で撃たせて被害を少なくしのぎ、再装填の間に一気に近づき着剣突撃を命令する……などの独特な駆け引きがあり、いずれもこの時代を舞台にしたゲームでなければ出来ない体験を存分に味わうことができ、非常に楽しめました。

 しかしキャンペーンモードはあまり代わり映えしない内容の戦闘をやり続ける感じになるので若干飽きが来る部分があり、また進めるごとにどんどん戦闘の規模が大きくなって操作負荷も重くなっていったりする部分があるため、完走まではモチベが持ちませんでした。

 キャンペーン自体も戦闘に勝ったからと言って自由に次の侵攻先を決めたりとかできるわけではなく、あくまで史実の南北戦争の著名な戦いをなぞる形式で進んでいくので、南北戦争ファンでない限りちょっと厳しい部分がある気はします。私は南北戦争史は軽く舐めたぐらいだったので、その点ちょっと乗り切れなかった部分もあったかも。

モンスターハンターワールド:アイスボーン

 今年前半~夏ごろはちょくちょく「ワールド」を遊んでいて、IB発売後は一定期間どっぷりでした。

 全体的にワールドの長所を順当に伸ばした作品という印象で、ハンター側は追加アクションでよりスタイリッシュかつ強力な立ち回りが可能となり、追加モンスターも中々戦っていて楽しいモーションのモンスターが多く、非常に楽しめる内容であったと思います。

 特に新モンスターの攻撃は当たり判定狭め・早めの攻撃が多く、「回避できてる感」を味わえる場面が多かったのは高ポイント。「殴ってる感」「避けてる感」みたいな部分はアクションゲームの基本にして一番重要なポイントだと思うので、そこをしっかりと磨き上げてきたのはさすがだなあと思います。
 とりわけイヴェルカーナはタイトルモンスターだけあってかなりいい感じのバランスに仕上がっており、強力で早いものの直線的で狭めの攻撃、特定要素での大ダウンなど、強いながらもプレイヤー側に付け入る隙がしっかり与えられているのが好印象。「ワールド」でもネギの攻めの苛烈さと白トゲ破壊ダウンのバランスは見事だと感じたものですが、近い方向性できれいにまとまった良モンスであったと思います。

 不満点があったとすれば、やはり導きの地などエンドコンテンツの複雑・面倒・運とあまりよろしくない要素が揃った内容。
 クリア直後ぐらいまでは作りたい装備のモンスを倒したり調査クエを集めたりと、欲しい物に対して真っ直ぐプレイして獲得することができるのに、導きの地に入った途端それまでになかった要素が大量に導入され、目当てのモンスターと出会うために前段階として色々回り道をせざるを得ず、加えて効率的にやろうと思えば各モンスの素材をちょっとずつ集めないといけなかったりと、プレイ感がそれまでとかなり断絶された感じになってしまっているのが純粋に遊びづらい。

 結局今は4人プレイかつ行動パターンの暗記前提みたいなモンスターが出てきちゃったみたいですし、エンドコンテンツの方針に関してはどうしようもなく好みに合わないんだよなあと……。
 そうでもしないとガチ勢にはやることなくなってしまうというのもわかるし、単に自分が想定客層とは違うんだろうなということではあるんですが。少なくともエンドコンテンツに本格的に触らない範囲では非常に満足度の高いゲーム体験が得られたことは確かなので、評価自体はかなり高めの作品ではあります。暫く置いておいて救済的なイベントクエストが増えてからアステラ祭とかのタイミングで復帰すればストレス少なく遊びやすいかもという算段もあったりします。

オートチェス系

 一応Dota2のMOD版オートチェス(Dota AutoChess?)とAndroid向けのAutochessを軽く遊びました。この手の頭を使う要素と運要素が絡み合ったタイプのゲームは大好きなので当然これもめちゃくちゃ面白いんですが、いかんせん拘束時間が長く1プレイあたりの疲労感もかなり重いので、ちょうど遊びはじめた時期が何かと忙しい時期だったこともあり、遊びこむ前に自分内のブームが去ってしまいました。

 ハマらなかった理由としてはDOTA2に元々触れていなかったのも大きいかなあと。駒のキャラがそもそも誰だか分からんスキルも知らんというのは地味にモチベに影響していたかもしれません。
 これが仮にガッツリやってる作品で新しくオートチェス系モード始めましたという流れだとしたらうっかり大変なことになっていたかもしれません。

 というかこれ割とキャラクターコンテンツ全般との相性のいいゲームジャンルなのではないかと思うんですが、国内でオートチェス系作ってるところってあったりするんですかね。適当なソシャゲとかの知ってるキャラでオートチェスやれたら結構盛り上がるのではという感もあったりしますが、これ書いてる途中に思ったんですが冷静に考えて今更群雄割拠のオートチェス界に参入して利益になるかというと無理なのでは。すげえ雑語りだ……

BloodStained:Ritual of the Night

 いわゆる「メトロイドヴァニア」の第一人者が満を持して作り上げた上質なメトロイドヴァニア。それ以上の言葉は不要という感じがあります。IGAAAAAA!!!!!(歓喜の雄叫び)

 一応KickStarterでの支援者組で、発売直後にコードを入手してプレイ。若干グラフィックや演出面でもう一声と思ってしまう部分はありますが、ゲーム自体は非常に遊びやすく洗練された内容。2D探索アクションの古典的な楽しみをこれでもかと味わうことが出来る、素晴らしいゲームに仕上げてくれたなと感じました。

 しかしこれは100%自分のせいなんですが、ちょうど発売の時期に引っ越して一人暮らしを始めたりとか実生活が色々ゴタゴタしていて、久しぶりに起動したら「今どこまで何やってて次どこを何使って調べるんだっけ……」と完全に探索状況を忘れてしまっていてモチベーションが……
 1からやりなおすには結構進めているし、他にやりたいゲームも色々あるし……というので優先順位が下がってしまっています。せめて1周はしておきたいんですが……

アイドルマスター シャイニーカラーズ

 アイマス系統はちょろっとアニメ見たりデレステを一瞬遊んだり程度で浅瀬未満な付き合いを続けてきたんですが、今作もそんな感じの距離感です。

 シャニマスに関しては始める前から定期的に「イラストがヤバイ!!!!」というオタクの叫びが流れてくるのを目にしていましたが、実際遊んでみるとそれは本当にそうだなと。
 イラスト自体はFHDフォーマットになっていますが、そのキャンパスの幅を余すことなく使って魅力的に仕上がっているのがお見事。ちょっと傾けた構図にしてみたり、複数キャラを描き込んでみたり、背景や光の表現に凝ってみたりと非常にチャレンジングで、それでいてクオリティが高い。

 シナリオも良くできていて、まずもってゲームシステムが育成シミュレーションになっているので、普通に目標達成できなかった場合のバッドエンドとセリフがしっかり用意されているんですよね。あまりにもしんどいので狙って見ようという気は起きませんが、ある種の緊張感というか臨場感を持ってキャラクターのシナリオを読んでいけるのは没入感があり、非常に良い体験になっていると感じます。

 また、個別のキャラの描写にしても、基本的に固定されたユニット単位での関係性があって、そこの関係性もかなりヤバいものがあるんですが、そこから一歩下がった位置にプレイヤーの分身たるプロデューサーが立っている構造になっているので、この部分の絶妙な距離感を生かしたコミュに光るものがあると感じます。

 各キャラクターのシナリオやセリフの内容として「キャラクターと自分」の一対一の関係を描くだけではなく、「キャラクターとその周囲を取り巻く人々」というものが確固として存在していて、その中の一人として間接的に関わっていく感覚というか、あまりうまく説明できないんですが……その辺の機微というか……がシナリオから感じられるのが良いなあと。
 特に「小さな夜のトロイメライ」の距離感はここで説明したかった内容が詰まっていてクソエモなので見てほしい……んですがガチャで引いてもらうしかないのが……

 とまあイラストやシナリオの面では非常に良質なことは間違いないんですが、ゲームとしてはなんともかんとも。いかんせんオーディションにせよ育成本編にせよ運要素が強く、運を乗りこなして強いアイドルを作ってクリアするにあたってはサポートアイドルの育成が必須となるものの、そこは3枚4枚と重ねないと強力なスキルが開放されず、レベル的にもすぐ上限に到達してしまって強くならず、重ねるためには当然ガチャ運と回数が……という具合。

 そもそも好きなキャラのコミュを一通り見るにはまず引かねばならず、それが恒常ならまだしも、クリティカルなコミュが過去の期間限定だった場合は……というのが中々しんどい。
 ゲームのプレイサイクル的に、周回プレイのたびに同じシナリオを読むことになるため、いくらシナリオが良質だなんだと言っても繰り返しの中で擦り切れていってしまう感もあり……まーしんどいですね。しんどい。完全にゲームの構造的なアレで、このゲームの運営形態上変えるわけには行かないところなわけで、こうしたらいいんじゃないか、こうだったらよかった、とか何も言いようがないので……

Nintendo Switch

 今時Switchも持たずにゲーム好き名乗ってるとか許されざるよと自分で思いながらも買っていなかったんですが遂に観念して購入。

 18年にPS4買ったときにも思ったんですが、やはりゲーム専用機は良いもんですね。とにかく遊びやすい。Switchに関して言えば携帯しつつ家では据え置きという仕組みが非常に上手く働いていると感じます。

 欠点があるとすれば専用機とはいってもあまりにゲーム以外の機能が弱すぎないかというところ。TwitchPrimeとの連携機能があるということだったのでてっきり直接配信したり出来るのかと思ったんですが、配信どころか見ることすら出来ないとは……。まああったところで配信するか・見るかと言われれば多分やらないんですが、他にもストアが本体からだとちょっと使いづらい(重かったりセール内絞り込みとかが出来なかったり)印象があり、このあたりはもうちょっとどうにか……と思わなくもありません。

 そのあたりはともかく、時に近頃のSwitchというか任天堂の姿勢として、ジャンル、大手・インディー、新作・旧作などを問わずに貪欲に受け入れていく姿勢が見られるのは非常に素晴らしいと感じるところ。レトロゲーム、特にシューティング関連には色々思い入れがあったりする人間なので、Switchでその手の復刻やコレクション系の作品が多く出ているのはとても歓迎すべきことに思います。
 また、近頃Sony方面で規制だ何だと話題が多いセクシー関連も割とSwitchはおおらかな印象があり、まあその手のソフトを自分で遊ぶかどうかはともかくとして、プラットフォームが表現に対してオープンであることは信頼につながることだよなあと感じる2020年です。

デモンエクスマキナ

 Switch購入後最初に買ったのがこれでした。周囲の友人がみんな買っていたので、合わせてCOOP目的でという感じでしたね。ちなみに私はAC系列は「FF」「4」「fa」のプレイ経験がある程度の浅いリンクス。
 余談ですが「FF」はゲームの内容やシリーズ内の位置づけなどを一切知らずに中古屋でパッケージのかっこよさに惚れ込んで買ったので、「なるほどアーマードコアというのはロボを作ってAI組んで戦わせるゲームなんだなあ」と思い込んでいた時期が結構長くありました。

 ロボゲーということでまず重要視したい操作感ですが、ここはよく練られていて、程よい程度の忙しさでスタイリッシュな高速ロボットアクションが楽しめるという上質なプレイ感に仕上がっています。ここはまず高く評価したいポイント。メカデザインやBGM、世界設定なども概ねいい感じで、足回りは良好という感じ。

 しかし肝心のゲーム自体はバランス・シナリオなど全体的に不安定というか荒削りすぎる印象が強く、完全新作とは言ってもちょっと荒すぎないかという印象。

 まず第一印象として、ミッション内容や敵の個性が薄味、かつ緩めの難易度になっており、「これは死ぬ!」と思うほど追い詰められるような場面は少ない。
 敵のロボのAIはよく地形に引っかかる有様で、そんなAIを追い詰めるかのように複雑な地形のマップが数多く登場、結果として敵として複数機が同時に出てきても全く連携がとれず、勝手に各個撃破のような状況になったりするし、大型ボス級の敵も大概貧弱な行動パターンで、一定の機動力と耐久値のある機体を使っていれば攻撃そのものにあまり殺意を感じられません。

 また、今はアプデの調整とかでどうにかなっているのかもしれませんが、初期に遊んだ時点ではパーツの個性付けが極端すぎ、結果として概ね最適解的なパーツ構成が生まれてしまっている部分があり、そもそもこれミッションに応じてカスタムするとか、新しいパーツに合わせてアセンを考えるとかする必要があまり無いのでは……?という印象も。
 特に武器に関しては撃破した敵から奪えるようなシステムがありますが、敵の硬さと武器威力の数値的に1ミッションを初期装備の武器でやり通すことがそもそもあまり想定されておらず、特に一部敵アーセナルとの連戦系のミッションでは顕著に「敵から奪って補充すること」を前提に調整されている感があります。

 それはよく言えば「何の武器を選択していてもミッションを進められる」ということではありますが、逆に言えば「何の武器を使ってもどうせ途中で息切れする」ような調整とも感じられ、例えばスナイパーライフル特化のアセンを組んだところで、ミッション中にスナイパーライフルが弾切れになった場合、そこで拾ったのがマシンガンであればマシンガンなりの立ち回りをせざるを得ないわけで……。
 そうなってくるともう下手に特定武器の使用を前提に特化したようなアセンを組むよりは、適当に無難なアセンで装弾数多い武器だけ持って適当に垂れ流して適当に入れ替えるのが最適解では……と思い始め、また実際にパーツ性能的にそこまで極端に特化した構築が出来るわけでもなく、だいたいどんな構築でもどの武器も最低限使えてしまうという体感もあり、なんかなあ……と。

 実際、一部ミッションでは生身で戦ったり強奪した敵の機体を使ったり大型の敵キャラを自分が操作して戦ったりする展開もあり、そういう部分も含めて考えると、そもそもこのゲームの設計において「おれの考えでおれがカスタムしたおれだけの愛機で戦う」という部分へのこだわりはそもそもあまり強くないのでは?という印象。

 結局私がこの手のカスタマイズ要素のあるゲームに求めるものは「おれはこの課題に対してこのセットアップとこのプレイングで突破したぞ!」の試行錯誤と達成感なので、開発がそこを志向して作っているわけではないならまあ合わないものかなあと思ったりしました。

 その後色々アプデが配信されているようなのでまた様子を見てみたいところではありますが、今のところ他ゲーを優先してしまっていますね……実際今はどんなもんなんでしょう。

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド

 Switch買ったらやりたかったゲームその1にしてランキング1位。私の中での今年度GoTY。まあこれやらずに現代のゲーム好き名乗れないのでは?という感すらある、説明不要の傑作ですね。

 実際遊んでみると本当に凄まじいゲームだと感じました。オープンワールドへのアクティビティの詰め込み方、システム的な突き放しと優しさの程よいバランス、納得感の高い謎解き、素晴らしいBGM、明るいようで影のある絶妙な世界観、癖が強く愛らしいキャラクターたち、遊びがいのある戦闘、集め尽くせないほどのやりこみ要素……

 とりわけ今作が優れているのは、「強制せずに誘導する」ゲームデザインの上手さ、という点に尽きると思います。

 オープンワールドのゲームでも、本筋のクエスト進行自体は決められた順番で一本道の構成だったり、ストーリー進行中はオープンワールドを好きに動き回れなかったり、収集要素も本編には絡まなかったり(逆に強制的に集めさせられたり)というのは非常にありがち。その場合、せっかくのオープンワールドゲームなのに、オープンワールドのアクティビティを楽しむことと本筋を進める事がプレイの中で並行できず、遊んでいる間に無駄なフラストレーションが生じてしまいます。
 この点、「BotW」ではそもそもの本編イベントの進め方や順番に制限が少なく、一方で本編イベントの発生箇所自体が平気でかなりの難所にあったりするので、「本編を進めずに探索して自分を鍛えてから先に進もう」がゲームの構造として自然に発生する仕組みになっているのがお見事。

 加えてマップに大量のアクティビティが(主張しすぎずに)詰め込まれていることがプレイヤーの探索を後押ししていて、探索をした時間が無駄になるということが少なく、確実に何かを発見出来るし、発見したリソースは必ず未来へのプラスになる……ということをプレイヤーが経験的に学ぶことが出来るようになっているのも素晴らしい。
 探索要素のあるゲームを楽しむための重要な要素として「探索が報われるという安心・開発者への信頼」があると思うんですが、「BotW」に関してはほとんど全幅の信頼を置いて探索に勤しむ事が出来るゲームであると感じます。

 さらにもう一点言うとするなら、言葉で説明するのは難しく、個別の例を挙げようと思うと挙げきれないものですが、ゲーム内に存在する様々な地物が、一切のチュートリアルなしでも、現実の物理現象からの推測、それまでに目撃した現象からの類推や、物の配置、外見的なデザインなどによって「こんなことも出来るんじゃないか」「これはこういう機能のものなんじゃないか」という想像を誘発するように作られていて、実際にそれを試すと本当に出来るという、統一感と一貫性のある設計とデザインの巧みさ。
 これはもう実際遊んだ人ならきっと思い当たる場面がたくさんあるだろうと思うんですが、本当に見事としか言いようがない。

 物体同士の相互関係の設計と実装、プレイヤー心理への理解と巧みな誘導、そして「想定通りの遊び方をされなくても良い」「ゲームを破壊されても良い」というプレイヤーへの信頼。
 全体的に相当の勇気がないと出来ないゲームデザインだと思いますし、「ゼルダ」というビッグネームを背負ってこのコンセプトでゲームを出せたというのは、それ自体がかなり驚くべきことのように思います。

 とにかく褒めるところしかない驚くべきゲームで、現時点でも全然遊び尽くせていないんですが、一つだけ問題というか不満点を上げるとすれば、一部の祠における「Nintendo Switchのモーション操作で物体を傾けたり動かして解決する」謎解きの存在。
 モーション操作って祠以外で出てこない(少なくとも私が今プレイして目撃した範囲では)要素なので、「リンクの基本アクションとシーカーストーンアイテムと物理現象」によって美しく完成されたゲームの一貫性をモーション操作だけが異物として乱している感があり、めちゃくちゃ余計な要素に感じます。
 一時期のDSのゲームが強引な下画面タッチ操作の導入で操作性を破壊していた時代を思わせるものがあり、この手の要素が導入された祠に入ると露骨にテンションが下がってしまう。何考えてこれ入れたんだ……と思わずにいられません。全体からすれば比較的些細な不満点ではあるんですが、それだけにどうしてここだけが……と気になってしまう……。

ポケットモンスター:ソード

 「パール」以来10年ぶり、ポケモンの世代換算で言えば4世代ぶりのポケモンでした。周囲の友人にポケモン勢が多く、加えてネットを見ていれば多かれ少なかれポケモン関連の情報を目にすることはあるもので、結果的に「プレイはしていないけどそれなりに知識はある」みたいな状態になっていたんですが、今回はそのあたりの答え合わせが出来た感もあり、総合して「ポケモンめっちゃ進化したな!」と感じました。

 秘伝技不要化とか育成の手間減少とかそういう話は聞いてはいましたが、それは単にゲームとして手間が少なくなったというだけの話ではなく、よりゲームとしてテンポよく、より濃密に遊べるようなブラッシュアップが重ねられてきたことの一側面だったんだなあと。

 全体的にダンジョンや道の長さは短めになっており(ここは単に新ハードでの開発で期間とリソースが厳しかったのかもしれないけど)、少し進むたびにガラリと生息するポケモンが変わる傾向もあるため、プレイ中常に新鮮な風景やポケモンと出会い続けることができ、ギッチリ詰め込まれた感が強い世界になっています。
 一方で、かつての作品に比べると、故郷から遠く離れた長旅のもたらす旅情であったり、長い道路や洞窟を超えて新しい街にたどり着いた瞬間の感動、旅の果て、未踏の地での未知のポケモンとの出会い……というようなエッセンスが失われてしまった印象は否めません。
 しかし、その分快適で、中弛みなく高めのテンポを維持してストーリーを走り切れるゲームになったという面もあるかなと。現代の高速化するエンタメ環境の中では必要な進化の一端ではあるだろうとも思います。

 そもそも今作ではゲーム性の変化に対応するためか、ストーリーも雰囲気が変わっており、「ポケモンバトル」、特にジムやトーナメントでのいわば「公式戦」にフォーカスを当てた内容。旅の目的自体が「各地のジムを突破することでガラルの頂点たるチャンピオンに挑むこと」になっているので、旅情の喪失は惜しいとはいえ「そもそも今作はそれを目的としていない」と言える部分ではあるんですよね。

 そして何より、こんな若干のモヤモヤを吹き飛ばすほどに、「ポケモンバトルに焦点を当てたストーリー」の出来が良い。
 登場するライバルやジムリーダーはもちろんながら、街中のNPCたちまでがポケモンバトルに対する思いを持っている世界の中で、バトルや旅を通して沢山の人からの期待や応援、賞賛や対抗心といった様々な感情を受け取りながら、ガラル地方の誰もが尊敬し目標とする「無敗のチャンピオン」へと挑む階段を駆け上がっていく物語は、王道のスポーツもの・バトルもの文脈のど真ん中を突き進むもので最高に熱い!

 登場人物も魅力的で、物語の冒頭から一貫して姿を見せ続け、「自分にポケモンを教えてくれた優しく強いお兄さん」から、「最強無敗のチャンピオンにして自分が倒す相手」へと徐々にその立ち位置をシフトしていくダンデは終始圧倒的な存在感と魅力を放っており、まさに今作のチャンピオンを務めるにふさわしいキャラクターでした。
 ポケモンのチャンピオンといえば「お前がチャンピオンだったのか!」を毎回やってくるようなイメージだったので、その点ダンデの堂々たる振る舞いは今作のテーマにも合致した素晴らしいイメージチェンジだったんではないでしょうか。

 また、ライバル勢の中でも、ホップ君とビート君は「この手の作品におけるそういうポジション」に求められるムーブを一貫してやりとおしてくれたのが見事すぎて大好きになりました。特にクリア後ストーリーのホップ君はストーリー中のシステム的な立ち回りさえも前提描写の一部として効かせてくる見事な結末を見せてくれるため、お前は紛れもなくこの作品の主人公や……という気持ちに。

 ほかにもストーリーやキャラについて語りたいことはいろいろありますが、その一方でポケモンにおいて欠かせないのは対戦要素。頭を使うゲームやその対戦などは結構好きな質なので、ポケモン対戦にも長らく興味はあったんですが、今作でいよいよオンライン対戦に入門することに。いやーここも面白い!

 なんだかんだシーズン1はシングルバトルでマスターランクまでやっていましたが、知識量と判断力、決断力、そして運……で戦う対戦の奥深さと緊張感、そして面白さはやはり本物。双方6匹見せあいから3匹選出、相手の持ち物・技・能力は非公開、というルールの完成度マジで高くて感心するしかない。

 色々考えてパーティを構築し、限られた情報から相手の持ち物や技構成を推測し、悩みながらも行動選択を行い、相手の行動に読み勝った瞬間の快感、パーティ構成や選んだポケモンがハマった瞬間の喜び、わからん殺しでボコボコに負けた時の悔しさ、変則的なポケモンを使いこなす相手からの学び。どれをとっても非常に充実した「対戦ゲーム体験」だなあと感じるものであり、非常に楽しめました。やはり10年以上対戦ゲームとして遊ばれ続けているのは伊達ではないんだなあと。

 また、今回はYoutuberやVtuberの方がポケモンをプレイしている動画を見ることがあったり、Twitter上でも諸々ポケモンネタが流れてきたりしましたが、対戦知識を入れたことでその手のコンテンツをより楽しめたり、そこから学べたりする部分も多くあったため、見識が広がったことで見える世界が変わる楽しみが得られて知識欲的にも大満足でした。

 引っかかりがあるとすれば本編シナリオの委員長回りと伝説ポケモンの扱いの雑さと、オンライン周りの全体的な作りの微妙さ。シナリオ面に関してはアニメやDLCなどで補完の目がありそうなため一旦置くとして、ワイルドエリアでオンラインだと時々フリーズしちゃったりとか、フレンドとオンラインで一緒にワイルドエリア歩き回ったりキャンプ行ったりが困難だったり、貼られたスタンプに参加しに行ったのに弾かれたり……なんといってもマックスレイドバトルが……。

 せっかくのレイドにも関わらず補助技を使って他のプレイヤーをサポートするような動きをするメリットが皆無で、結局ひたすら殴るだけの作業になっている感があるのは本当によろしくないと思う反面、下手にレイドとして役割分担とかが必要な仕様に作りこまれてしまうと「レイド用ポケモン」を育成した上でガッチリPT組んで挑むようなコンテンツになるわけで、そうなると対戦をエンドコンテンツとして考えた場合には育成過程に無駄な工数が増えるばかりでよろしくなさそう。

 なんにせよ現状のシングル~ダブルバトルを前提として作られたポケモンバトルのシステムとレイドは明らかに噛み合いが悪いわけで、やりたかったことはわかるけど現状の枠内でやるのはそもそも無理なことなのでは……?という印象が否めません。しかしいくら不満があっても対戦を意識した育成の上では技レコードや経験アメ、隠れ特性個体を探すために「やらざるを得ない」というところがあるので、ここはちょっと良くない種類のフラストレーションを受けるところですね。
 このあたり突き詰めていくとそもそも隠れ特性はなんのためにやってるんだ最初から使わせろとか、個体値概念が対戦に限ってはハードルにしかなってなくねとか色々ありますけど……

 何はともあれ、DLCは非常に楽しみですね。ダイパ以降のポケモンは全然知らないため、自分にとっては復帰勢も実質新ポケモンみたいなもの。ようやく現環境のポケモンがわかってきたぐらいなのに今後最低2回大激変が起こるのか……しかも悪名高い準伝勢が軒並み復帰……と思うとちょっとウッとなりますが、今年も引き続き楽しんでいきたいタイトルです。

総評

 こうして作品タイトルを並べてみると、19年はあまり数を遊べていないですね。実際には去年より前にプレイ済みの作品を再度遊んでいたりしていた時期もあったのでゲーム自体を遊んでいなかったわけではないんですが、それにしても引っ越しからの一人暮らしスタートによるバタバタと、仕事の方の忙しさの影響が大きかった。私生活の面では割と激動の1年だったと言えます。

 しかし作品数が少ないながら18000文字というところまでぶっ飛んだことから分かる通り、ゲームとしてはそれなりに遊び込み、感想の文量がガッツリ嵩むほどに印象に残る作品が多かったと言えます。また、こうして記事にまとめてみると、若干の不満点というか、なにかここは一言言っておきたいという感じの作品の割合が多めな印象もありますね。

 これは別に今年の作品が悪かったというわけではなく、去年までの自分の記事を見てみても、どんな良いゲームにも何かしら言いたい欠点はあるし、普通に考えて100%完全に肯定できる創作物なんかこの世に存在しないというのがまず前提としてあり、その上で、どうしてもこれだけはきっちり言語化しておきたいというタイプの引っ掛かりが多かったなと。
 そう思ったなら遊んだ直後にさっさと文章として出すべきで、こういうタイプの記事で個々の作品について長々書くのは書きづらいし読みづらいだけでやめたほうがいいんですが……。

 ともかく、ちゃんとクリアまで遊べなかった作品が多くなってしまっているのはあまり良くないポイント。
 引っかかりポイントがあったというのはさることながら、去年までと比べて大作気味の作品が多いので、その分遊び切るためのハードルが高かったというのもあり、やはり仕事やら何やらで私生活が忙しくなると「楽しいことが保証されている」娯楽に逃げたくなってしまうメンタリティの影響も大。ちょっと忙しくなると娯楽がプレイ済みのゲーム、視聴済みのアニメなんかにすぐ偏ってしまう……。

 また、こうしてタイトルを並べてみると、一時期の洋ゲー・インディー志向が嘘のように国産大作タイトルが並んでいるのは自分でもびっくりです。20年はどうなるだろう……とりあえず「2077」はめちゃくちゃ楽しみですが、そろそろここ数年の小粒インディーの話題作とかを一通り履修しておきたい気持ちもありますね。「Baba is You」とか超面白そう。


 その他、記事のルール上ピックアップしなかった作品では、結構長らく遊んでいた「FGO」のプレイをほぼ放棄した1年でもありました。他ソシャゲもいくつか手を出しましたがどれも続かず、現状では継続プレイ(最低限毎日ログインする、程度のラインを指す)しているソシャゲは0となっています。

 去年色々遊んだり引退したりしつつ感じたこととして、より興味深く練り込まれた「面白い」ゲームシステムのソシャゲであればあるほどに、ガチャや期間・時期限定イベント、時間的負荷の大きい育成、永久に続くキャラとシステムの追加……といった「ソシャゲがソシャゲとして運営を継続するための要素」の存在が、せっかく練られたゲームシステムの一貫性や整合性を破壊して、プレイヤーの保有リソースが管理不能→難易度・性能調整が不可能→システム複雑化というような具合で働いていて、「ゲーム」としての魅力低下が起きてしまっている感はあるのかなあと。いやこんなの数年前にはとっくに通った話で全く今更な感想ではあるんですが、ソシャゲがゴージャスになればなるほどにこのあたりを強く実感できる場面が多くなっている印象ありますね。

 無限にキャラの追加拡張を行っていくにしても、過去のものについてはスタン落ち・制限禁止みたいな制度を導入することでうまいことどうにか……と思ったりしますが、いかんせんキャラ育成に猛烈なリソースが要求されるシステムの場合はキャラの取り上げ施策は不可能そう。

 そもそも現状ソシャゲ全体としてそういう理由で人が減ったとか売上下がったというような話は別になさそうなので、これは単に自分の求めるものとソシャゲのプレイヤーの多数層(≒課金額の高い層≒メーカーのメインターゲット)が違うだけの話ではあるんですよね。こういう時は作品の側に変化を求めるより自ら自分の求めるものを実現している作品を探してその方に行くべきだし、まあ実際家庭用ゲーム機ばかりで遊んでいたという点ではそれを出来た年だったということで良かったんではないでしょうか。


 他方、今年はいわゆる非電源系ゲーム、TRPGやボードゲームやカードゲームを遊ぶ機会を非常に多く作れた年でした。デジタルゲームと違ってプレイ履歴みたいなものを全く作れていないのでここには個別のタイトルは挙げられませんが、毎月1~2回くらいは友人と集まる機会を作ることができ、「ネクロニカ」の長めのシナリオを通したり、同人系含めていろいろなボードゲームで遊べたのはとても楽しい体験になりました。
 

 これは完全に引っ越し・一人暮らしの結果として友人宅が近くなり、遊べるタイミング・時間が多くなったのが主因で、これは一人暮らし始めて良かったなと言えるところ。いやまあ他にも色々ありますが。今年もボドゲ・TRPG類は遊んでいきたいところですね。

 なにはともあれ、個人的には激動の19年でしたが、これだけ色々書きたくなるだけのゲーム体験ができて、ゲーム的にも充実した一年であったということにしておきましょう。
 今年は一人暮らしスタートによる動揺をそろそろ断ち切って、生活サイクルを省力的に回せるようになりつつ、空いたエネルギーをゲームなど趣味のことに注げるようになっていきたいところですね。
 それでは今回はこのあたりで。今年も面白いゲームに出会えることを祈りつつ。お付き合いいただきありがとうございました。


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