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着物カレンダーにどこまで従うか?2

 こんにちは~。青野です。

 突然ですが、私は不勉強を恥じております。以前書いた、着物カレンダーにどこまで従うか。

 着物カレンダーとは、着物の季節ごとの種類と、それにふさわしい植物や花が月ごとに書かれてあり、なるべくそれを守りましょう。と着付けの教科書には、推奨されているものが多いです。

着物の柄に描かれる草花の柄は、着物のマナーとしてきっちり守らなくてもよいのではないか?というのが、私の考えでした。

 理由として、桜は、季節関係なく、和のモチーフとして、着物や小物に入っている。浴衣(7月8月)の柄に、藤(5月)、桜の絵など、厳密には製品としてそもそも、着用する着物の季節と花の季節が合っていないものがあるから。

 もう一つの理由として、地球温暖化なのか、5月でも地域によって(名古屋など)夏物の単衣や浴衣を着てもよい気候になっていることが、あげられます。

 今も、基本的には、お洒落着として着る分にはガチガチに、季節の花と着物を合わせなくてもよいと思っている。(お茶やお花を習っている方は、師事する先生に従っていただければと思います。)

 なのですが、私はFloating storiesさんのYoutubeを拝見させていただき、私は、着物業界で季節の花にこだわる文化、思想はここからきたのではと、思ったのです。

万葉呪術 古代、駆使されていた呪術とは?
『万葉集』徹底解説・後編

08:41魂振り(タマフリ) 

たまとは、魂や生命力など示す言葉です。
また、体から遊離した魂や心霊、霊威なども玉とみなされ、まずは生命や存在の根源に関わるものが玉であり、古代の人にとっては畏怖の信仰でした。たまは人間だけが持つものではなく、あらゆるものにあるとみなされました。例えば、稲の玉は倉稲(うか)のたま、剣の玉は、布都(ふつ)御魂。
言葉のたまは言霊(ことだま)です。



13:26タマフリの効果がある植物


馬酔木の花ってこんな感じでたくさん花がついているのですが、こう群がっている様子に生命力をみたようです。同様に椿も花の真紅の色だとか葉っぱにつやがあってなおかつ茂って広がる様子が生命力の強さを表すとみなされた植物です。また植物に限らず当時は白鳥やカモといった水鳥には霊力があるという信仰があり古代の宮ではてんや巫女の玉ふりのために池で水鳥が飼われていたといいます。




24:34かんざしのルーツ :呪具「押頭」「鬘」

草花など植物を紙にしたかざしや、植物を巻いた鬘だとかんがえられています。これらは、神事に奉仕するものの印、一種の物忌みであり頭につけることで神聖な存在になるという呪具でしたが、後世だんだんと髪飾りとして装飾化していきます。
 そこには、春になれば玉振りとして呪力のある植物を見る慣習同様、植物で頭を飾ることで植物の旺盛な生命力を体につけようとする玉振りの目的があったと考えられます。


特に、上記の部分を視聴して、はっとしました。

人間の魂を活性化する。今の言葉でいうと、元気にする。気分をあげる。癒されるが近いでしょうか。それを、植物の生命力の強さ、霊力をかんざしにして身につける信仰があったことに、驚きました。

古代の人にとっては、簪はただの装飾ではなかったのですね。

そのことから、類推すると、時代が下るに従い、染料や織などが発展し、着物にもその信仰が、昔の人には継承されていたのではないかと思うのです。

 大昔は、新品の反物を用意して仕立てること自体が、財力、地位の証だった時代があります。木綿は今では、庶民的な布の代表とされていますが、高価な時代もありました。そして絹は、もっと高価でした。そこに柄をつけるのは、今よりも強い願いを身に着けることだったと推測できます。

 着物の柄は、ただの装飾ではない、身を守る祈りであったかもしれません。親が子に、ある時は、成長したこどもから、年老いた親に、身体の安寧を願って仕立てたのでしょう。

 私は、今まで、大切なことを見逃していたかもしれません。

 私は、自宅の庭で、ガーデニングをしています。
紫陽花、バラ、ギボウシ、ペチュニア、アマの花々。
ポポー、ブルーベリー、きゅうり、ジャガイモ、ねぎの野菜たち。
これらを育てていて、自分が元気になっていることに気が付きました。
(とくに私が病気というわけではないのですが、更年期なのか、ちょっと気分が落ち込むなーということが一時期ありました。)

 (つぼみが出てきた。咲くかな。)
(きゅうりが、大きくなってきた。)
など、植物の変化が楽しく、わくわくします。この、わくわく感を秋がきて冬になっても、とどめておきたい。
それが、着物の植物柄なんだと、納得できました。

 水鳥なども、見るタマフリととして、縁起が良い。とされていた。ともあり、これも、着物の柄に多いモチーフですね。

 私のなかで、点と点が、つながったような気がして、とても楽しいです。
きまりだから、日本の伝統だからと、大きな枠で押し付けるのではなく、四季のある繊細な文化として、思いやりのある先人の知恵として、ちゃんと、こんな理由があるのだよ。若い人に伝えていけたら素敵だな~と思いました。

 最後に、いつも素晴らしい動画を作ってアップされている
Floating Stories様、ありがとうございます。

 



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