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1207うわ言、知り合いの話

うわ言、という表記ばかり目にするから漢字などないと思っていたのだけれど、囈言もしくは譫言と書くらしい。なるほど難しい。

そうやって、漢字の難しさや差別的だという指摘によってひらがなにひらく事象がよくある。
正直、無駄な努力な気がするのだけど、まぁそのお陰で囈言と漢字が書けなくても馬鹿にされることはない。みんな書けないから。



たまに連絡を取っている現代芸術家の人が、今利尻島に家を借りて過ごしているらしく写真を送ってきた。

海抜0mの湿原に高原植物がある、らしい。

彼と出会ったのは、私が山口県萩市に住んでいた頃、人と焼肉を食べるために下関市まで足を伸ばしていた時のことだった。

私は距離と終電の早さの影響で、萩に帰れなくなってしまい、下関にあるゲストハウスに泊まっていた。
早く起きて、共有スペースから出られるテラスで海を見て、どういう道のりで帰るか考えていた。

その時、彼と出会った。そしてもう1人、歩いて大阪を目指している長瀬という人が居た。

私が萩の話を色々すると、2人ともすぐに興味を示した。そしてその話の延長線で、ゲストハウスが少なくホテルもまばらだから、山陰を歩きでは正直辛い、という話になった。

結果、長瀬さんは彼の車で途中まで送ってくれないかと言い出した(それで良かったのか疑問だけど)。
しかし2人は行き先が特に決まってなかったから、じゃあ萩に来たらどうです。と言ったのがきっかけで、白いワゴンに3人乗り込み、観光も兼ねて萩に向かう。

基本的に旅先で出会った人と連絡は交換しない。しかし、同じ名字だというのもあってか、彼とはなんとなく気が合ったので、その時に連絡を交換した。

たまに来る連絡で、面白い本屋の話や利尻島のことを教えてくれる。私のまだ踏んだことのない北の地の湿原は暫くすれば凍りはじめるらしい。

終わりゆくこの日々に、また1つ知らない土地の事情を知った。私は良く知るこの島で、冬が続けと思う。