桜ほど薄い花びらはない

もし紙ほどの張りがあったなら

美しさに耐えかねて
知らず触れた人の指先を
きっと紅く
斬るだろう

ならばすべての刃を捨て
風になびいて
何にも耐え得ぬ身となり

雨や風や陽に
囚われて
散ってゆきたい

儚き生
何ひとつ
損なうことの
ないように
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