ロバートパーマーについて
以前にもちょっとだけ書いたかもしれないが、ロバートパーマーを知っているという人はもう誰もいないんじゃないかと急に思ったので書くことにした。
80s半ばにビルボードチャートで急浮上したイギリス出身の白人のR&B歌手だけど、とにかくスカした感じで鼻もちならないというのがまあ第一印象かなと思う。モテモテで困ってますみたいな。
でもこういったビデオはMTV向けの作戦であり、彼自身はこんなヘンテコな奴ではないようだ。特筆すべきは80sのあの何とも言えない雰囲気にR&Bのテイストをほんとに上手くかぶせているということだ。80sにR&Bをやるというのは大変だったと思う。
それにロバートパーマーは作曲やプロデュースやサウンド作りもうまくて、80sのレコードを今聴いてもまずまず聴ける。逆にロバートプラントやローリングストーンズなんかは苦労していたと思う。フィルコリンズもサウンド作りが上手くて大成功していたけどR&Bシンガーとしてはダメだ。
こういった映像を見るとR&Bのルーツを持った人だということが分かる。とにかくルーツを大事にする人というのも好感が持てる。
ニューオリンズ系のアラントゥーサンとかDrジョンとかの影響だろうか。音楽の視野も広い。
まあこんな感じで引き出しの多い人だったにもかかわらず2000年代そうそうに死んでしまった。たしかアルコールの飲み過ぎで急性肝炎とか肝硬変とかだったか。忘れたけど。まだ40代だったんじゃないかな。
死ぬ直前のアルバムなのに全然カッコいい。ゴリゴリのR&B。そして死ぬ直前に来日もしていて小林克也に「80sの連中は全員もうダメだ」みたいなことを愚痴っていたらしい。00年代は一番80sの反動がキツい時期だったかもしれない。本人も昨今の80sリバイバルブームまでジッと我慢すればよかったのに。裏方の仕事も出来たはずだ。それにしても80sについてどんなことを考えていたのだろうか?
おしマイケル。