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ヤードバーズについて(ギター以外)

65年~68年まで続いたクラプトン、ベック、ペイジのバンドだけど、ツェッペリンの腰かけ的なバンドだと思われているが、それは違う。もちろん全盛期はベックがギターの時だ。

私はツェッペリンは聴かないのだけど、ヤードバーズは今でもたまに聴く。やはりリズムだろうか。ブリティッシュの中ではかなりR&Bがうまいバンドだったと思う。特にこの曲だろう。このリズムはクセになる。

結局リズム隊なのだけど、ドラムのジムマッカーティーは普通に良いとして、特に頑張っているのがベースのポールサミュエルスミスだ。速いフレーズもこなすし、何と言ってもプロデューサーとしても活躍している。この二人がヤードバーズの元祖メンバーでシャドウズのようなバンドをしていたらしい。

あと面白いのがこういった教会旋法の曲だ。まあ簡単なアイデアだとは思うけど。もちろんこういったアイデアもポールサミュエルスミスだ。リッチーブラックモアが後々ハードロックにしているのも有名。

特に66年のこの名盤にもポールはかなり尽力した。アイデアから、サウンド、プロデュースまで支えた。ベックがレコーディングして名盤にしたと思われがちだが、ベックにパスするまでを全て仕切ったと思われる。ポールは当時アメリカで有名だったバートバカラックみたいな仕事がしたかったのだとか。

やっぱりポールサミュエルスミスのプロデュースの魅力はシンプルでミニマルだということだ。これがけっこう臨場感を出すのでは?と思う。同じ時期のビートルズの荒唐無稽なアルバムを聴くとますますそう思う。

結局、このアルバムを最後に10代のための音楽を作るような年齢ではなくなったということでポールは脱退する。それと同時にジミーペイジが加入するが、バンドはオリジナルメンバーであり大黒柱だったポールを失い、求心力が全くなくなる。そんでベックが抜けて、次の音楽監督だったジミーペイジのヘビメタ路線になる。ツェッペリンのヘタクソバージョンになってしまった。

ポールサミュエルスミスはこの後の仕事の方が有名で、少しだけソロで音楽を作った後に、キャットスティーヴンスのプロデュースに携わることになる。

シンプルでミニマルなプロデュースはキャットにマッチした。キャットの名盤は全てポールのプロデュースだ。このアルバムは何回聴いても素晴らしい。

個人的にはジミーペイジとポールサミュエルスミスが同じタイミングでヤードバーズにいたらどんな音楽になっていたのかなと思うけど、まあ当時の二人の音楽性は合わなかったと思う。

ちなみにリズムギターのクリスドレヤはベックの教育係、アルバムジャケットのデザイン、ヤードバーズのロゴのデザイン、ペイジのためにツェッペリンのメンバー探し。仲間思いで非常に良い。

おしマイケル。

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