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退職代行を使って仕事を辞めた時の話

こんにちは!

いきなりですが、皆さんは今の仕事に満足していますか?職場の人間関係には恵まれていますか?

満足しているという方は、この記事は必要ありません!今の仕事に全力でコミットしてください!


タイトルにもある通り、僕は以前、勤めていた会社を退職代行を使って辞めたことがあります。その経験が、日本のどこかにいる退職を悩んでいる方の助けになればと思い、noteを書くに至りました。


この記事には、

・今の仕事を辞めたいけど辞めにくい状態にある人に、ひとつの選択肢を提示したい

という目的があります。

ですが前提として、退職代行を推奨するわけではありませんし、僕自身が退職代行業者の回し者というわけでもありません。ただ、心身ともに限界なのに現状に留まり続けることは勿体ないと思います。人生は一度きりです。たった80年ほどしかない時間を辛い思いをしながら過ごすのはあまりにも残酷。無理やりにでも環境を変えたほうがいい場合というのは必ずあります。

そのための手段としての退職代行。その経験談をここに残します。

はじまり

まずは、僕が退職代行を使ってまで辞めたかった職場に就職するまでの話をしましょう。

僕はずっと、福祉関係のお仕事をしていました。自分が希望して飛び込んだ業界だったものの、僕には『叶えることなく諦めた夢』があったのです。

それが、『講師』でした。※特定を避けるため、ざっくりとした表現にしました。

人に教える仕事をしたかった僕は、まったくの未経験ながら転職を決意。

友人や家族には心配をかけました。

福祉業界を去り、猛勉強の末、僕は晴れて内定をいただくことができました。

当時の僕はこの職場を退職代行を使って辞めることになるとは露にも思いませんでした。

おもな登場人物紹介

僕:講師になるために転職をした陰キャ。行動力はある。豆腐メンタル。

上司:転職先の長。僕と同い年の女性。どこか冷めた性格。

彼女・家族:やさしい。神。

退職代行業者:実質この話の主人公。LINEの返信がめちゃくちゃ早い。性別不明。僕の諭吉を握りしめ、上司と戦うことになる。

就職、研修、不安

就職してまず最初は研修でした。

僕が就職した会社では、数日間本社に泊まり込みでみっちり研修を行なっていました。全国に会社があるので、そこから一箇所に同期が集まって一斉に研修を受けるという形です。

僕の同期は6人。皆優しい方ばかりで安心しました。

ですが、まったくの未経験で就職した僕は、経験者達とのスキルの差を目の当たりにします。

講師としてのスキルが0の僕にとっては劣等感と不安が残る研修になりました。

ですが学生の頃からやりたかった仕事ですし、なんとか頑張るしかないと思っていました。

実務

配属先が決まり、僕は晴れて講師デビュー。憧れていた肩書きを手に入れて僕は舞い上がりました。ツイッターのプロフィール欄に『講師』と書いてみたりしました。夢が叶う感覚に酔っていたのかもしれません。

通勤はちょっと大変でした。電車を3つ乗り継いで1時間半くらい。ですが、これまでずっと私服通勤かつ車移動だった僕は、スーツで満員電車に揺られるのも悪くないなと思っていました。サラリーマンというものに憧れていたからです。

配属されるとすぐに、講師として仕事に入ることに。

僕のイメージではもう少し研修があるのかと思っていましたが、人手不足ということだったので配属先の上司からは「早く仕事を覚えていってくださいね」と。

淡々と言う上司に僕はプレッシャーを感じながらも「がんばります」と答えました。仕事内容をざっくり言うなら、子どもたちへの授業です。幼児から高校生までを相手にします。

目まぐるしく日々が過ぎていきます。

毎週教える内容は違うので覚えることがたくさんあるし、様々なクラスを受け持ちました。授業が終わるたびに、自分の無力さを感じました。休み時間も、授業の準備に充てていました。

想像の数十倍は大変な仕事でした。そのため、スキルが追いつかない僕は度々上司に注意されました。

生活はというと、朝は7時に起き、電車に合計1時間半揺られて通勤。21時頃まで仕事。23時前に帰宅し、とりあえずお腹を膨らませて明日の授業の予習をする。不安を胸に眠りにつく。

土曜が出勤の日もあったので、休日は必然的に翌週の授業の予習のために消費しました。プライベートは殆ど無く、仕事のために毎日を生きているような感覚だったと思います。


変化

いつの日からか、頭の中で「仕事に行きたくない」と思いはじめました。

朝起きても憂鬱で、食事も美味しくない。玄関から出たくない。今日は上司に何を言われるかとビクビクする。電車が遅れてくれないかと祈る。途中で降りたい。不安で眠れない。会社の最寄り駅に着くときにはすでに疲れ切っている状態だったと思います。

毎日がそんな感じでした。

辞めたい辞めたい、と思いながらも不思議と毎日通勤していました。

今思えば完全に鬱状態でした。


僕個人の考えとして、仕事は『辞めたいと思うのなら即刻辞めるべき』だと思います。

理由は一つ。

自分を傷つけながら働く必要なんてないからです。

誰しもが楽しい仕事をできるわけではないと思いますが、精神や身体を病むほどに辛いのなら即刻環境を変えるべきです。その職場に居ることだけが人生ではないのだから。仕事は生きていくうえで欠かせないものではありますが、辛い仕事が人生の中心であっていい筈がありません。

少し脱線しましたが、僕は周りに心の内を話す性格ではなかったので、辛いことも抑え込みながら過ごしていました。


悪化

ある時から、体調を崩しはじめました。持病の喘息と鼻炎が悪化したのです。

先述したとおり、会社は人手不足だったので簡単に休むことは憚られました。

僕は市販薬を飲みながら仕事をしていました。

そんなとき、更なる不運が訪れました。

講師として一番大事とも言える『声』が出なくなったのです。

原因は鼻炎の悪化(どうやら、鼻水が喉に流れて細菌が増えていたようです)。

どんなに腹に力を込めてもかすれ声になってしまいます。

それでも出勤していた僕は勇気を出して上司に相談しました。

「すみません、声が出ないので仕事ができそうにありません」


このとき上司から返ってきた言葉を、僕が忘れることはないでしょう。

「声が出ないのは、声を出そうとしていないからじゃないですか?」

呆然としました。淡々とした口調でそう言われました。

上司の冷たさと、自分の不甲斐なさがたまらなく辛かったです。(結局その日は早退して病院に行くことができました)


その頃から、僕は彼女や家族に悩みを打ち明け始めました。

皆優しく、心配をしてくれました。いい年して、涙を流すこともありました。

「無理して続けることないよ」などと励まされ、僕の退職への意思は次第に大きなものとなっていきました。また、自分の身近にはこんなにも素晴らしい人達がいて幸せ者だなと思うことができました。

退職への不安

それでもやはり、上司には退職の意思を伝えることはできませんでした。

・明らかに人手が足りていないので会社に迷惑がかかるんじゃないか

・僕の頑張りが足りないだけだ、もう少し踏ん張ろう

・就職して数ヶ月で辞めたら恥ずかしい

・転職先がこの先見つかるかもわからない

そんなことを日々言い考えていました。

今の僕が当時の僕にアドバイスするなら1つです。

お前の人生なんだからお前が生きたいようにやれ!空気や上司の機嫌なんて読む必要はねえ!

しかし時が経つにつれ、心身ともに疲労は増すばかり。通勤中や時間があるときは、スマホで「退職」「仕事 辞めたい」などと調べて同じような境遇の方のブログを読み漁っていました。相当に追い詰められていたと思います。

死を考えることもありました。電車通勤だったので、目の前を通る電車を見て「これに飛び込んだらどうなるんだろう」と何度も考えました。


退職代行との出会い

スマホの検索履歴が退職関連で埋まっていた僕は、かねてより目にしていた退職代行に興味を持ちました。

いろいろな代行業者があり、『即日退職!』『100%退職できる』などといった甘い言葉がずらりと並んでいました。

懐疑的で心配性な僕は、「そんなうまい話があるわけない」と思いました。

退職するのにお金を払うなんてバカバカしい、とも。

ですが相当に追い詰められていた僕はついに、ある代行業者に連絡を取ってみたのです。

その業者は、LINEでのやりとりだけで退職が出来ることがウリのようでした。電話で話すことに引け目があった僕にとっては気持ちが楽でした。

僕が色々な状況をLINEで送ると、業者さんは丁寧に対応してくださりました。返信が異様に早かったので「自動返信botか?」と疑いました。(笑)

業者さんが言うには、

・退職決行の日付は指定できる

・会社や上司からの電話に対応する必要はない

・郵送で書類などを送るだけでいい

とのことでした。その時の僕は上司の声すら聞きたくない状態だったので、そう仰っていただいただけで心が軽くなったと思います。


前夜

ついに退職代行を使うことを決意しました。数万円は大きな出費でしたが、「これからの僕の人生を取り戻すため」と割り切りました。

最後の出勤日、「やっと辞めれる」という安心感と、生徒や同僚への申し訳なさが同時に押し寄せてきて変な気分でした。ですが、彼女が「自分の人生だからそこは気にしなくていいよ」と言ってくれていたのでその言葉を何度も頭の中で反芻し、自分を安心させていました。


決行

そして、いよいよ退職代行の決行日。

上司が出勤するであろう時間は業者さんに伝えていたので、その頃に会社へと電話をしてもらうことになっていました。

僕は自宅で待機。なんだか仕事をサボっているみたいで罪悪感がありました。我ながら真面目?だと思います(笑)

決行時間が来るにつれ、緊張が高まります。

これで辞められなかったらどうしよう・・と何度も考えました。


そして、業者さんからLINEが入ります。

「連絡しました。」


細かい文面までは覚えていませんが、結果からすると、退職することができました。本当に即日退職ができたのです。僕はホッと胸を撫で下ろしました。その時、

プルルル・・・

スマホに電話。僕はハッとしました。上司からの電話だったのです。

業者さんからは、「電話に応じる必要はないです」と言われていたので出ませんでした。もし出ていたら、何と言われていたのでしょう。


そして・・

様々な手続きが済み、僕はやっと会社から解放されました。まだ申し訳無さは残っていたものの、これからの人生を大事にしようという思いのほうが大きかったです。

同僚から、「残念だけど、これからも頑張って!」という連絡もありました。こんな僕にも優しくしてくれて感謝しかありません。上司からは連絡がなかったです(笑)

この会社に居たことがすべて無駄だったとは思いません。貴重な経験でしたし、学びも多くありました。これからをどうしていくかが重要だと思います。

おわりに

退職代行を使うことは、立派な選択肢の一つだと思います。

退職は、逃げではありません。これからの自分の人生における入り口です。

自分を追い詰めて追い詰めてこれからの人生を棒に振ってしまっては元も子もありません。

支えてくれる大事な人のため、そしてあなたのため、生きてください。どんなに泥だらけでも、生きてください。逃げてもいいんです。

駄文を読んでいただきありがとうございました。読んでいただいたあなたがこれからも笑って過ごせることを祈って。


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