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桜の花はきれいだと思うけれど、一面の桜に思うこと

桜の季節。この一週間あちらこちらで桜が見頃だった。

配置と枝振りが幾何学な感じがする。
一面満開の夜桜

各地で上のような画像の写真が撮れたことと思う。けれど、一面に桜満開の風景って、どこか単調なようにも感じる。

いろいろな人の桜を撮影した写真をみると、下の画像みたいに、桜だけっていうんじゃなくて、桜の他に河川だったり電車だったりどこかにアクセントになるものを映り込ませたりしているものも多い。

こんな構図。

桜は花の色が淡く背景としては映える植物だからだと思う。そういう意味で言えば、カップルだったり、個人のインスタだったり、飲んでいる人たちの自撮り用の背景用にはいい植物なのかもしれない。そして、そういった人の集客を見込んでイベントを企画する側としては、もっと桜をもっと桜をということになるのだろう。

しかし、この桜が散ってしまうととたんに殺風景になってしまう公園などが多い。紅葉の時でも、同様なことがあって桜の葉っぱは色づきから落葉が早くて写真に写り込むとちょっと残念な感じることもある。

日本庭園とかに行くと、様々な植物をバランス良く配置して、季節のおりおりを楽しめるような工夫がしてあるように思える。そもそも、日本庭園において花はメインでなく、全体の風景が退屈にならないよう、あくまでアクセントとして使われていたそうだ。かつての日本人の美意識に私達は学ぶことがないだろうか。

日本庭園っぽい配置(真・副・対)を意識して桜を撮ってみた。

伊那市高遠の薬師堂をのぼったところから城址公園の方面を撮影してみた。主役は桜ではないけれど、所々で桜が咲いているのがみえると思う。全体のバランスとして見たときに風景として調和がとれているし、桜もアクセントとして機能しているように見える。

ゆったりとした春の高遠の風景

いい光景だったと思うけど、この風景も桜が散ってしまうとやや寂しい風景になるだろう。例えば、この桜の一部を花びらが丈夫な植物に置換すれば、この風景も少しは長く楽しめるだろう。

風景の美しさには調和した感じが欠かせないように思う。一点豪華主義もいいが、町作りや、公園作りの際には桜が散った後の風景も考えてバランス良くさまざまな樹木を植樹をしてほしいと思う。

日本庭園に関する部分は下記書籍を参考にしました。

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