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異動の季節

同じ職業の者が真の友達になることは違った職業の者の間においてよりも遥かに困難である。
功名心や競争心はしばしば嫉妬と間違えられる。しかし両者の差異は明瞭である。先ず功名心や競争心は公共的な場所を知っているに反し、嫉妬はそれを知らない。嫉妬はすべての公事を私事と解して考える。嫉妬が功名心や競争心に転化されることは、その逆の場合よりも遥かに困難である。

人生論ノート 嫉妬についての引用からです。

同じ職業とありますが、職業意識が70年前よりも現代は希薄になっているため、むしろ同僚とか同じ会社とかといった方が良いのかもしれません。

似たようなキャリアをたどっている人がいると、どうしても、その人を意識したり、あるいは嫉妬してしまうことが多いかもしれません。

私自身においては、職場においては仲良くさせてもらっている方もいるのですが、そういった人って年齢とか個性とかが異なっているので、ポストの食い合いとかをあまり心配しなくてもいい人が多いかなと思っています。

同時に、似たようなキャリアをたどっている人の状況というのは、どうじても、この時期に異動の状況とかを意識してしまいます。

自分がその相手よりも良い仕事をしているか。すごく劣った仕事をしているのではないか。そんな意識って、純粋に仕事に向かえば良いのでしょうけれど、自分自身のプライドを満足させる方向に向かいがちになるので、あまりプラスに働いていない気がします。仕事に集中しましょう。

そういうわけで、人間はそんなつまらない思いに駆られやすいので、(社会人の場合特に人事によって)そういった意識を助長しないように、それぞれの個性を踏まえて、人事当局は人員配置を考えてもらえるとあるがたいかなと思います。

#エッセイ #人生論ノート #三木清 #嫉妬について #異動