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第二のリビング

応接室を第二のリビングに変えたことは大成功でした。
ソファに座ると、窓からは庭と遠くの山が見え、解放的な気持ちになります。デッキの木陰でゆっくりすることもできます。

玄関に近いので、ここを来客用の部屋にしました。
と言っても、ほとんど来客のない我が家です。
しばらくは使われないままだったのですが、数か月後、
夫がその部屋にパソコンを持ち込みました

テレビもありソファもあり、エアコンもあり、きっと快適だったのかもしれません。

そのうち、紙類、普段着る服、作業道具、趣味の物などが、じんわりと増えていきました。
また配線類が日を追うごとに増えていきました。

夫のクセで、物はほとんど外に出しておくタイプです。テーブルやテレビ台、床の上に様々なものが増えていきました。
普段使う部屋ならその都度片付けていたのかもしれませんが、何しろ来客もほとんどなく、使われていなかった部屋なので、夫だけが自由に使っていたのです。
キッチン続きの茶の間にいるよりも居心地がよかったのか、そのうち一人で時間を過ごすことが多くなってきました。

食事が済むと、私は茶の間で、夫は第二のリビングで過ごす生活になり、ただでさえ会話の少ない夫婦なのに、ほとんど話さなくなってしまいました。

居心地って何だろうと考えました。夫にとっては片付いてすっきりした茶の間よりも、雑然とモノがある第二のリビングの方がいいと行動で示されている感じがしたのです。きっとその空間を満喫していたのでしょう。

とはいえそこは来客の時に使うための部屋です。
私の友人が来た時に、とりあえず片付け掃除をしたのですが、なんだか夫のテリトリーを侵略しているようで、落ち着かない気持ちになりました。

また困ったことに、掃除をするのがとても大変なのです。
一つ一つのものにホコリが積もってしまい、電子機器などは拭くのも一苦労です。配線も出たままで見苦しく感じました。自分のものではないので、どんな小さなものでもしまったりできません。
夫に掃除をしてもらえればいいのでしょうが、本人が気にならないのですからどうしようもありません。

そのうち、ソファの上で転寝したままの状態が増えてきました。どうかしたら、そのまま朝方までソファで寝ていました。

自分の周りに、使うもの、便利なものを置く状態になっているようでした。

部屋をスペースにしているから、部屋中に散らかってしまう。ほとんどパソコンの前から動かないのに、あちこち置いてしまう。
誰も使わない部屋なら好きなように使ってもらって構わないのですが、たまにでも来客を通す部屋なのです。

実は夫の部屋は茶の間の隣にあったのです。
そこは以前夫の両親が寝室にしていた部屋で、そこにパソコンも置いていたのです。
でもその部屋で過ごすことはほとんどありませんでした。
パソコンはキッチン、茶の間と移動して、第二のリビングに落ち着いてしまったのです。

夫にとって居心地の良いスペースを作る必要があるなと考えるようになりました。




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