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W杯を通して見えた光と影 (光編)

W杯の全日程が終了した今、今大会がどんな大会だったか振り返ろうと思います。

メッシの栄光

これまであまたのタイトルを獲得してきたリオネルメッシですが、どうしてもW杯で優勝できていませんでした。常に比較されるディエゴマラドーナは優勝しているため、彼に並ぶためには今回チャンピオンになる必要がありました。

35歳を迎え、全盛期のようなドリブルを披露するシーンは少なくなりましたが、要所での得点やキャプテンとしてチームを牽引するなどアルゼンチンに必要不可欠な存在であることには変わりありませんでした。

初戦で敗北を喫し、暗雲が垂れ込めていましたが、百戦錬磨の彼は動じなかったのだと思います。彼の発言通り第2戦から勝ち続け、フランスとのファイナルまでコマを進めました。

PKをモンティエルが決めた際、ほとんどの選手がE.マルティネスとモンティエルのもとへ走る中、彼だけはその場で嬉し涙を流しました。直後にパレデスがメッシを抱きしめるシーンはとても感動的でした。

オランダ戦は物議を醸す出来事が多くありましたが、メッシが念願の優勝を果たしたことでうまく大会が締めくくられたと思います。メッシのためにとアルゼンチンの全選手、全スタッフそしてファンが協力し栄光を勝ち取りました。セレモニーの際、彼がトロフィーを高々と掲げたシーンは印象的でした。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスは狂喜乱舞の様相で、36年ぶりの優勝はとても素晴らしいものとなりました。メッシは代表続投を宣言しており、まだメッシの時代が続きそうです。

ヤングスターの躍進

毎度ワールドカップではヤングースターが誕生しますが、今大会も同様でした。怪物エンバぺを筆頭に、前評判の高かった選手達は期待通りのパフォーマンスを披露した印象です。それに加え、ウナヒやエンソフェルナンデスのようにその名が世界中に広がっていない選手達も大いに活躍しました。

モロッコの躍進を支えたウナヒは大会以前は無名の存在でした。しかし、モロッコのベスト4進出により、注目が彼に集まりました。22歳と若く、所属クラブは残留争いに巻き込まれていることから有力クラブに引き抜かれる可能性はありそうです。

日本代表においても堂安と三笘の活躍が目立ちました。堂安はドイツとスペイン相手にゴールを決め、三笘はカルバハルをぶっちぎるドリブルを披露し世界を沸かせました。三笘は得点とアシストこそなかったものの、ドリブルの能力は世界トップレベルであることを大舞台で証明しました。

全体的に10代でA代表入り、またスタメン確保をする選手が増えてきている印象で今後もこの傾向が続いていくものと思われます。

波乱ずくめ

W杯が始まる前には毎回優勝予想やGL突破国予想が行われます。モロッコがベスト4に進むことと日本がスペインとドイツに勝利することを予想できた人はあまりいなかったのではないでしょうか。

有力国が早い段階で姿を消したケースが少なくなく、決勝戦を除いたとき、ポルトガルがモロッコに敗れたことが自分の今大会一番の衝撃でした。各選手にネームバリューがあれば問題なく上に進むことが出来るわけではなく、チームとして何をするかが大事であると考えさせられた大会でした。

エンバぺのように試合の展開に関係なく勝利を手繰り寄せられるプレーヤーは多少いますが、日本代表が証明した通り、チームとしてまとまることが非常に大事だと思いました。

常に驚きに満ちた試合が行われ、見てる側は全く飽きることがありませんでした。W杯のように短期決戦の大会はリーグ戦とは異なるため、勝敗予想が難しかったのだと思います。結果的には優勝候補に挙げられていたアルゼンチンが優勝しましたが、そこに至るまでのプロセスを振り返ると、波乱ずくめの大会だったと言えます。





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