blocco誕生の話、その思いとは?<後編>
bloccoは北海道で1953年に創業したソファメーカー、沼田椅子製作所のオーダーソファブランドです。
3代目である営業本部長の沼田英司(写真右)と、弟で工場長の沼田雄三(写真左)の兄弟が中心となって、2006年に立ち上げました。
bloccoの品質と作り手の精神を守る、工場長の沼田雄三のインタビューを<前編>と<後編>に分けてお届けします。
よいモノを作り、届けたい思い
「bloccoを立ち上げ、ネット販売をスタートしてから約半年、ようやく初めて購入してくれたお客様がいた時は本当に嬉しかった。」
今でこそオーダーソファブランドだが、スタート時は張り地や脚なども決まったもののみの選択で、価格も一定のソファブランドだった。
その内にお客様から「腰が痛いのだけど、座り心地をどうにかできないか」、「こっちの張り地は選べないのか?」、「もう少し小さかったら玄関から入るのに」など、ひとつひとつの要望や問合せを解決し、応え続けてきたら、今のオーダーソファブランドbloccoのオーダーシステムの原型が構築されていた。
細やかな対応はソファづくりだけではなく、購入してくれたお客様へのお手紙のひと文字にも思いと丁寧さを込めて書き、封筒のシールもまっすぐに貼り、サンプルの生地を切るのにもこだわった。
「ちゃんとやりたかったんです。なぜなら、ちゃんとやれていなかった反動で始めたことだから。高い買い物をしてくれたお客様に対して、失礼のないようにしたかったんです。」
その少し前、工場に来たお客様が「やっといいもの見つかった」と言って帰ってくれたことが嬉しかった。やっぱりちゃんとしたい、その思いのカタマリがbloccoに込められているのです。
blocco精神、blocco基準の原点
苦労してスタートしたblocco。
ソファをつくるところから届けるまで、生んだ子を送り出すような気持ちでソファを出荷していた。とにかく丁寧に心を込めた。高い品質を保ち、クレームはゼロ。楽天レビューも4.85点と常に高得点だった。
はじめの商品は求めるレベルが一定に保てず、納得がいかない商品は張り直しややり直しをして出荷した。bloccoをスタートしたメンバーの思いや志が高すぎて周りがついてこれないくらいだった。
こうして築いていった思いのカタマリが、今に続く“blocco精神”。
思いやモノづくりの“イズム”を受継ぐ
「日本のものづくりの誇りや思い、プライドを大切にしていきたいです。美味しい野菜を自信を持って作っている農家さんがいるように、もし顔が出たとしても自分が作っています!このソファを使えてラッキーですね!と自信を持って言えるくらい、そういうものづくり精神や思いを受継いでいきたいと思っています。」
顔がみえなくても、よいモノをつくっていることは届いた人には伝わる。
そういうものをお客様に届けたいし、それが当たり前であってほしいという思いもある。
多くの職人やスタッフが関わりながら一つのブランドを作り、保っていくことはなかなか難しいこと。
「ブロッコは品質がいいよね、という作り手も、送り手も、買い手も同じ認識が持てるようなブランドにしていきたい。」と思いを込めて語る。
bloccoのショップスタッフ、全員から共通して出てくる言葉がある。
『bloccoは品質がいいから、お客様に嘘を言わなくていいんです。』
お客様に満足してもらいたい思いで、どんなことにも応え、やれることをやり尽くす精神。この思いの強さ、そして寄り添う心がbloccoの大きな柱になっている。
「特別にすごいことをしているわけではないんです。当たり前のことを手抜きせずにやってきただけ。ちゃんとしたものを作るってそういうことだと思うんです。ただ、それを守っていきたいと思います。bloccoのソファを買ってくれた人に、幸せな気持ちになってほしいんです。」
インタビュー・文:海渕恵理
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