ライフプランについて考える

Q.先日、ある資産運用のセミナーを聞きに行ったら、講師が「まず、ライフプランを立てましょう」と話をしていました。でもライフプランって具体的にどういうことかピンとこないし、なぜそれが自分に必要なのか?いまひとつわかりませんでした。改めて説明してくれますか。

■ そもそもライフプランってなに?
 よいご質問をありがとうございます。私たち、ファイナンシャルプランナー(以下FP)は、よく「ライフプランが大切」「ライフプランを立てましょう」などと言っていますが、確かに一般の人にしてみれば「ライフプランって、いったいなに?」「それを立てるとどうなるわけ?」という基本的な疑問が湧いてきますよね。今回はそのあたりをクリアにしておきましょう。

 まず【ライフプラン】。直訳すると「人生設計」ということなのですが、これをFP的に言うと「これからの人生に係るお金の収支計画」となります。そして基本的に、この「人生の収支計画」は【ライフデザイン】がないと立てられません。
ここで言うライフデザインとは、いわば「夢」や「希望」といったようなもの。あなたが「今後どうしたいのか」「どんな人生を送りたいのか」という人生の基本設計図です。この基本設計図に基づき、お金の面でフォローしていこうとするのが前述の収支計画であるライフプランなのです。
つまり、ライフプランを立てるとは、人生の基本設計図であるライフデザインに基づき、それに必要なお金の計画を立てるということなのです。

■ ライフプランを作るメリット
 では、その人生の収支計画であるライフプランを作ることにどんなメリットがあるのでしょうか? 具体的な例を考えてみましょう。

 あなたは、久しぶりに友達とゴージャスにフランス料理を食べに行きました。楽しい時間に話は弾み、ついついワインもすすみます。結局、1万5千円のコースで、ワインも含めると約2万円強の出費でした。一人になった帰りの電車の中、ふと頭の中を「こんな贅沢をしてもいいのかしら」という思いがよぎります。そういえば、夏休みの海外旅行の帰りにもこんな思いにとらわれたような覚えが…。
外食であれ旅行であれ、それ自体は楽しい事なのに、ちょっとお金のことが気になると、なんとなく心の底から楽しむことができなくなってしまいますよね。

 それでは、そんな思いにとらわれないためにはどうすればよいのでしょうか?答えは使ってしまってよい金額を明確にすることです。
使ってしまってよい金額を明確にすれば、精神的に余裕がでます。お金は必要な時にあればよく、不必要な時にはなくていいのです。状況に応じてうまくお金をコントロールできれば、経済的な豊かさも増していきます。そして、この「使ってしまってよいお金」を明確にするためにライフプランを作ることが必要になってきます。もちろんこれ以外にもライフプランの作成により把握できることはたくさんあります。

・自分の資産やローンの状況を正確に把握できる。(けっこう、正確に把握している人って少ないものです。)
・夢や希望を「いつまでに、いくら」といった具体的な数値上の目標として把握できる。
・自分の現在と将来が明確に見えてくる。
・気付かなかったリスクや問題点も把握できる。
・適切な方策をとることで、漠然とした不安が解消し、より安心で豊かな生活を送ることができる。

ライフプラン表は、ちょっとめんどうですが表計算ソフトなどを使い自分で作ることもできます。また金融広報中央委員会の生活設計診断コーナーでも簡単な診断を受けることもできます。それもたいへんだし、現状把握後の具体的なアドバイスも欲しいという方はやっぱり信頼できるFPに依頼することをおすすめします。

幸せを呼び込むポイント
・「ライフプラン」とはライフデザインに基づいたこれからの人生のための収支計画
・「ライフプラン」を作ることで状況に応じてうまくお金をコントロールできる
・なにはともあれ、一度は作ってみることをオススメします


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