見出し画像

人生の大先輩の教え「人は働きすぎてはいけない」

ある時、何年も前に定年退職になった上司が会社に訪ねてきた。

その上司は、定年退職後も自分の事務所を立ち上げて、独立してまだ第一線で働いている。

わたしは、その上司が気に入ってくれたおかげで、予定外に今の会社に採用されることになり、上司の在職期間中、とても可愛がっていただき、大変お世話になった。

そんな上司が、会社に尋ねて来てくれて久しぶりの再会を喜び、お互いの近況報告をしあって、とても楽しい時間を共有した。
私にとっては、本当に充実した時間を過ごせてすっかりご機嫌な気持ちだった。

上司はそんな上機嫌な私の気持ちをよそに、帰り掛けにギクリとするような事を言った。

「仕事はやり過ぎては行けない。心を亡くすまでやってはいけない。私はこの人生で後悔していることは、会社の為に時間を費やし過ぎたこと。時間は戻らない。あなたには、自分の人生を生きて欲しい。」

わたしには、この言葉がグサリと胸に刺さった。丁度、自分の人生について向き合い始めた矢先のことだった。

いくら好きな仕事でも、雇われている以上、雇用側に時間の主導権を握られている。趣味のように、好きに仕事に向かえたらどんなに素敵だろうと思うが、サラリーマンである以上、そこを超えていくのは難しい。

上司は会社を退職し、自分の裁量で仕事をしている”イマ”の方が明らかに、エネルギーに満ちていて、元気そうだ。

雇われることで、「安心という保証」の中で窮屈さを感じながらも、生きていく人生もある。
しかし、自分の人生を自分で舵取りをし、保証は無いが、間違いなく自分の人生を、一日一日紡いで行く生き方もある。

どちらが正しい•不正解ではなく、自分が選択する事が正しい道になる。

人生の先輩が教えてくれた言葉は、非常に重く私の心にのしかかる。ずっと突き刺さっている。

自分の生き方、働き方について、深く向き合うタイミングなのかも知れない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?