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ルークス志塾にて高校生向け「未来インクルーシブデザインワークショップ」を開催

こんにちは、ビーラインドプロジェクトです!今回は、3月28日と29日にルークス志塾にて高校生向けに実施した「未来インクルーシブデザインワークショップ」の様子をお伝えします。

「未来インクルーシブデザインワークショップ」について

「未来インクルーシブデザインワークショップ」は、視覚障害をテーマとして、基礎的な知識のインプットとボードゲームデザインの実践を通じてインクルーシブデザインへの理解を深めていくワークショップです。

視覚障害の当事者を含むビーラインドプロジェクトのスタッフや、一緒にワークショップに参加した仲間との対話を楽しみながら、新たなインクルーシブデザインの製品を創出していく過程を体験します。

終日または2日間を使って行う「未来インクルーシブデザインワークショップ」では、前半でアイスブレイクやインクルーシブデザインや視覚障害に関するインプットを行い、後半で「視覚障害に関わらずに一緒に楽しめるボードゲームの制作」をテーマにインクルーシブデザインの実践を行います。最終的には、各チームのプレゼンテーションを経て、優秀賞を決定します。

本ワークショップは特に中高生を対象としており、インクルーシブデザインという視点での問題解決について、参加者の皆様により興味を持っていただくことを主な目的として開発しました。インクルーシブデザインという開発手法を学ぶことによって、大学選びや研究テーマの検討、新たなプロジェクトの立ち上げの際などの新たな視点となることを期待しています。

3月27・28日、総合型選抜・AO推薦入試の対策に強い予備校「ルークス志塾」様にご協力をいただき、同塾の生徒の皆様を対象に「未来インクルーシブデザインワークショップ」を実施しました。
以下では、ワークショップの当日の様子をお伝えいたします。

当日の様子

当日は、二日間に分けて合計8時間のワークショップを10名の高校生を対象に実施しました。全員が総合型選抜受験を見据えている生徒の皆様だったため、進路選択の参考にすることを目的にご参加いただいている方が多かった印象です。ここからは、それぞれのパートごとの様子をお伝えします。

当日の様子 ①アイスブレイク

アイスブレイクパートでは、弊社が開発した「見ても見なくても見えなくても楽しめるボードゲーム グラマ」を用いてアイスブレイクとサブワークの導入を行いました。

開発初期から、多くの視覚障害のある当事者の方々からご意見をいただきながら作ってきたこの「グラマ」は、これまで2000人以上の方々にご体験いただいてきました。

今回の「未来インクルーシブデザインワークショップ」では、サブワークで「グラマ」の開発当初の話も参考にしていくため、全体のアイスブレイクを行うと同時に、その後のワークの導入にもつながる体験となりました。

グラマの写真。十字型の天秤と巾着袋2つがあります。
グラマを体験している時の実際の様子。スタッフが全体でルールを説明しながら、普段のイベントのように全体でグラマの体験を行います。

当日の様子 ②サブワーク

サブワークでは、これまでビーラインドプロジェクトが実践の中で得てきた実践的知識や、インクルーシブデザインに関する事例、文献を元にしたアイデア論、視覚障害に関する前提知識などをインプットしました。

途中ワークシートやディスカッションも行いながらインタラクティブに実施し、理論的知識の観点から学びを深めメインワークへの橋渡しを行いました。

ビーラインドプロジェクト代表の浅見がスクリーンの前に立って講義をしている様子

インクルーシブデザインにおいて、私たちが重要視するアクションの一つである「インプット」のパートでは、実際にボードゲームを体験して分析するワークも設けています。参加者のグループがそれぞれでボードゲームを選び、そのボードゲームの体験と分析を行います。

参加者がボードゲームを体験しながら分析を行い、ワークシートに記入している様子

また、二日目に行うメインワークに向けて、発展編として視覚障害理解を深める講義も行いました。視覚障害のあるスタッフから、実際のエピソードなども共有しながら視覚障害自体の理解も同時に深めました。

視覚障害のあるスタッフから視覚障害に関する講義をしている様子

当日の様子 ③メインワーク

二日目に行ったメインワークでは、初日に学んだインクルーシブデザインの理論的知識を踏まえて、実際にプロトタイピングの制作を通じてインクルーシブデザインの実践的知識を獲得することを目指します。具体的には、視覚障害のある人とない人が一緒に楽しめることをゴールの条件にし、ゴール設定からインプット、プロトタイピングまでを行なってもらいます。

メインワークで色画用紙や段ボールなどを用いてボードゲームのプロトタイピングを行なっている様子

「小学校の入学式後に遊んで、視覚障害のある子とない子が友達になれる」といったゴール設定など、3チームそれぞれが独自のゴール設定を行いました。適宜晴眼者のビーラインドプロジェクトのスタッフと、視覚障害のあるビーラインドプロジェクトのスタッフがメンタリングに入り、検証をしながら改善を進めていきます。

ビーラインドプロジェクトのメンバーがフィードバックを行なっている様子。学生3名と一緒に

当日の様子 ④リフレクション

最後のリフレクションパートでは、それぞれのチームごとにメインワークで開発したボードゲームの発表と表彰、そして二日間の振り返りをワークシートを用いて行いました。ボードゲームの発表では、実際に3時間かけて開発したボードゲームの実証を全員で行い、プレゼンテーションを実施しました。

Cチームの発表の様子。プレイヤーで協力して成功を目指すゲームを参考に、4人で協力して迷路をクリアすることを目的としたボードゲームを開発しました。
Aチームの発表の様子。インプットとして体験した推理型ゲームとコミュニケーションゲームをベースに、触覚型のカードを使ったコミュニケーション型推理ゲームを高校生向けに開発しました。
グループBの発表の様子。小学生でも体験しやすいように、回転して位置がわからなくなったボールを音を頼りにハンマーで落とすゲームを作っていただきました。

発表後には、リフレクションシートを用いて二日間の振り返りを行い、インクルーシブデザインの理論的知識と実践的知識を血肉化させることを目指します。リフレクションシートを記入して、グループディスカッションを実施した後、全体でもグループごと代表者が共有しました。

リフレクション中の様子。当日使用するワークシートの他に、直接ノートにメモを取っている方もいらっしゃいました。

ワークシートを用いたリフレクション後には、全体のクロージングとして優秀賞のチームに賞状と、全員に参加証明書を一人一人にお渡ししました。

最後に優秀賞の賞状と参加証明書をお渡ししている様子

いただいたご感想

参加者のお声

「インクルーシブについてインプットからアウトプットを通して実践的に学ぶことができた。特にアウトプットの部分ではそこでしか気付けない難しさなども発見できた」

「自分たちで実際にボードゲームを作り、また他のグループのゲームを体験してみることで吸収するものが多くありました。今回参加することができて本当に良かったです。分かりやすい講義をありがとうございまきた。」

ルークス志塾 外谷様からのコメント

塾生に志を抱くきっかけを提供したいとの想いで、本ワークショップを実施しました。2日間にわたるプログラムでは、塾生が日常ではあまり考えることのない、視覚障害のある方々の視点を想像しながら取り組んでいる姿が印象的でした。インクルーシブデザインの手法を通じて、新たな創造性につながる貴重な機会を提供していただいたことを、心から感謝しています。

最後に

今回のワークショップは、私たちビーラインドプロジェクトの「#見ても見なくても見えなくても楽しめる を増やして、一緒にワクワクする世界へ」という理念を目指していく上で、クリエイターを増やす取り組みとしてとても意義深いものでした。今回の機会をきっかけに、何かインクルーシブデザインという手法に興味を持っていただき、新たな作り手が増えていければとても幸いです。

ワークショップの開催は総合型選抜塾のみならず、学校現場や企業の現場にも対象としております。まずはお気軽にご連絡ください。

お問合せ:info@blinedproject.org



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