Kindleで読み上げ読書⑥ 『怖い絵』

Kindleで読み上げさせて「聞く読書」できるお勧め本の紹介です。

制作者の意図とは別に、実はめっちゃバリアフリーになっていることってたまにあると思いますが、この本がまさにそれです。視覚に障害がある方に特にお勧めしたいです。

世界の名画の背景を解説してくれる本です。
見ただけでは何も感じないけれど、時代背景や作家の生い立ちや意図を知ると「それめっちゃ怖くね?」ってなるから見て! という主旨で書かれています。

例えば典型的なのは、ドガの「エトワール」。バレリーナが舞台で踊っており、舞台の袖から黒いスーツの男性が彼女を見つめているという、ドガの代表作です。

これ、今の感覚でいうとクラシックバレエって高級な高尚な感じですが、当時踊り子は高級娼婦だったことを考えると、絵を見る意識が変わってきますよね。

このほか、ヘンリー8世とか、マリー・アントワネットとか、よく知られている人物の肖像画や宗教画などもふんだんに紹介されています。

ヘンリー8世は伝記を読んでいるのでよく知っている人物ですが、彼と肖像画を描いたハンス・ホルバインとの関係を知ると、なるほど怖い……!

この本が特にバリアフリーだなと感じるのは、個々の絵画について、文章で詳細に解説していることです。

中央に誰それがどんな格好をしていて、全体の色はこうで……などと、絵画そのものについてかなり詳しく書いています。これは「どこら辺が怖いのか」を説明するために書いたのだと思いますが、それはそのまま絵画の文字化になっていて、絵を見ずとも全体が理解できるようになっているのです。

掲載されているのは有名なものばかり。お勧めです。
また続編もたくさん出ているので、そちらもぜひ。


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