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大阪大学歯学部開発の、歯並びを変えられる歯の模型がすごくわかりやすい

みなさん、八重歯の人はお好きですか?
最近は歯列矯正が当たり前になってきたので、八重歯の人は昔ほど多くないですが。
八重歯と言って思いつくのは石野真子さんだけど、彼女も今は八重歯なくなってますね。

さてその「八重歯」ですが、生まれつき全盲だとなかなか理解しづらいのだそうです。
考えてみれば、そりゃそうかも。なかなか人の口の中に手を突っ込む機会もないでしょうし、他人の歯並びについて理解するのは難しそうです。
「見る」以外の方法だと八重歯どころか、理想的な歯並びもわからないわけですね、それは問題ではないでしょうか……!

という問題に取り組んだのが、大阪大学歯学部附属病院障害者歯科治療部の村上旬平先生、同じく歯学部附属歯科技工士学校の小八木圭以子先生、そして歯学研究科附属イノベーティブ・デンティストリー推進センター教授の十河基文先生です。

きちんと歯のケアができないと、歯垢がたまって虫歯や歯周病といった病気になりやすいそう。他人の歯並びが分からないのは大した問題ではありませんが、自分の歯並びに合わせた正しいブラッシングができないと、歯の健康にも影響します。

わくい犬は口腔衛生フェチなので、人の歯並びや歯の色、もちろん歯周病などの口臭にもめっちゃ敏感です。
虫歯になっても、初期のうちは自覚症状がないので気づきにくいです。なのに虫歯になったら治らない。だから病気になる前の予防が大事。きちんと歯磨きして、虫歯や歯周病にならないようにしたいものです。そのためには、きちんとしたケアが大事なのだとか。しかし……

「歯科診療では、鏡やレントゲンといった、目で見る情報を使った説明が主流です。しかしこれだと視覚障害のある方はわかりません。エンボスの印刷を使う点字や触図の開発もしましたが、平面だとやはり伝えにくいのです」(村上先生)

せっかく歯を磨いても、磨き残しが多いと意味がありません。

「自分の歯並びの状態や、それに合わせたブラッシングの方法を伝えるためには、立体的な模型が必要だと考えました」(小八木先生)

歯科技工士の小八木圭以子先生がさまざまなプロトタイプを試したとか。

書記の歯の模型。全体的に薄黄色で、歯の部分がツルツルしています。

自分の歯の型を作って、歯の部分をツルツルにしてみました。触感で歯と歯茎の違いは分かるのですが、現物大だと小さくて細部までは分かりにくい。


ドットの穴が無数に開いているフタに歯が刺さっています。
もともとは、いろんな色のピンを刺して遊ぶおもちゃだとか。

穴にピンを刺すおもちゃを歯のカタチにしてみたらどうか、と試した試作品。
穴の位置にピンを刺さなければいけないため、自由な方向に歯をずらせません。これだと患者さんの歯並びを忠実に再現するのは少し難しいかもしれません。

アルミのトレイの上に、Uの字型に歯が並んでいます。

歯に磁石をつけて、トレイに並べてみました。歯は好きな位置にずらせますが、上の歯の場合、上下が逆になるのでちょっと分かりづらい。この歯も、上を向いていますが上の歯です。わからん。

ということで試行錯誤の上、完成したのが、この模型だそうです。

歯茎はピンク色。普通の模型と見た目はあまり変わりません。


きちんと上下があり、歯は自由に動かせるので、いろんな人の歯並びを再現できます。
サイズも実寸の約8倍とのことで、しっかり細部まで触れてわかりやすいサイズです。

こちらの模型、クラウドファンディングで1000万以上を集め、全国65箇所の視覚特別支援学校と全国の障害者歯科のある大学病院29施設に配布したとのこと。

先生方の真摯な取り組みに、とても心を打たれました。

和久井も歯列矯正をしようかずっと悩んでいるのですが、この模型を使って先生たちが、和久井の歯並びを再現してくれ、どの歯を抜いて、どうやって歯列矯正するのかを解説いただきました。ものすごくわかりやすかったです。やはり晴眼者でも、画面で見せられるよりも実物があった方がだんぜん理解が早いです。その他、知的障害のある方や、情報収集するのに大患が一番分かりやすい人などにも、とても便利だと思います。

個別の歯がかわいいので、これ単体でおもちゃやグッズにしてもよさそう。

歯並びのいい白い歯は、若く見えますし、外見の美しさと直結します。グラビアの写真でも、必ず修正するのは歯を白くすることです。歯がきれいじゃないと、貧乏くさかったり、汚らしい感じがするなど、いいイメージはありません。
審美的な問題だけではなく、歯は健康を保つのにとっても大事と聞きます。
こうした取り組みをきっかけにして、歯に対する意識が高まるといいなと思います。


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