特別な日

 今日9月23日は我々のノートの1周年。ちょうど1年前の今日から、ひなちゃんの成長記録こと我々の連載が始まった。
まず最初に、いつも読んでくださっている皆さんへ心から感謝を伝えたいと思う。
 気ままにいつまで続くかもわからないという状況でスタートしたひなちゃんの連載だったが、たくさんの皆さんに読んでくださっていること、そしてひなちゃんの全く尽きることのないネタのおかげでここまで続けてくることができた。
なんだか終わりみたいになってしまったが、これからも気ままにいつまで続くかわからないこの発信を続けていきたいと思う。
 そして今月ひなちゃんは1歳の誕生日を迎えた!この1年間きっと親より元気に、毎日全力で遊んで全力で笑って全力で泣いて…。
そんなひなちゃんは、生まれた時とは比べ物にならないぐらい大きくなった。体の大きさも声も態度も。
 他人の子どもは成長が早いというけれど、自分自身の子どもはというと正直早いのか遅いのかよくわからない。ただ一つ言えることは、これまで経験したことがないぐらいの一人の人間の成長の早さに、我々も置いていかれないようになんとかついていっていたということだ。
親としてどうしたものかということは何度となくあったが、ともあれ無事健康で1歳の誕生日を迎えられたことは何より幸せなことだ。
 1歳の誕生日はママの実家で迎えた。ママの実家の地域では、子どもが1歳になる時に一升餅という行事を行なう。
僕も今回初めて知ったのだが、子どもに1升の餅を背負わせて歩くことで、一生食べ物に困らないようにや一生健康でいられるようにという願いが込められているイベントだそうだ。
言葉で言うのは簡単だが、1升の餅というのはかなり重たい。重さで言うと2キロに近く、例えるなら2lのペットボトルを担ぐようなものだ。
案の定ひなちゃんは1升の餅なんてとうてい背負うことはできず、何ならリュックを背負わせたところからもう憤慨して大泣きだった。
「なんでこんな重いもの背中にくっつけるんだ!!!」
と言わんばかりに必死にリュックをはずそうとする。これだとひなちゃんがかわいそうなので、1升の餅を担ぐことは早々にあきらめ、代わりに小さな四角い餅を5個だけリュックに入れて背負って立った。
ひなちゃんからしたらかなりしぶしぶといった感じだったが、これで上出来だ。そんなこんなでちょっとだけ特別な誕生日の1日は過ぎていった。
 「1年前の今日はどんな気持ちだったかな」
 「1年前の今日ひなちゃんが初めて我が家にやってきたね」
この1週間は特に、ママと去年を振り返ることが多かった。一気に涼しくなって、気候からもひなちゃんが生まれた時のことを自然と思い出すからかもしれない。
とはいってもしみじみしている時間は意外とない。そうしている間もひなちゃんは勢いよく家中をはいはいで走り回り、ソファーに上り、昨日届かなかったはずの棚からものを引っぱり出しているのだ。
子育てに余裕を感じる時なんてこないのかもしれない。ただそれでいいとも思う。きっとあっという間に過去になって、ひなちゃんのいたずら放題を懐かしく振り返る時が来るのだろう。生まれて間もないころ、常に寝不足で戦っていた時のことを今振り返っているように。

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