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親業務、しばしの休憩

 2月も中旬に差し掛かった今週、久しぶりに夫婦二人でアフタヌーンティーに出かけた。世の中はバレンタイン一色でどことなく落ち着かない雰囲気の中、我々もそれに便乗しようという考えだ。
気づけば今年ももう一月半が過ぎている。時間が経つのはいつでも早いと思うものだが、最近以前にも増してそう感じるのは親になった忙しさからなのか、単純に年のせいなのか・・・。
それはさておき、今回はひなちゃんを僕の父親に預けて、たまには親業務も休憩といったところだ。
 アフタヌーンティーに行くのはひなちゃんが生まれる直前以来半年ぶりだ。その時は、当分(ひなちゃんがある程度大きくなるまでは)お預けかと思っていたが、まさかこんなに早くに実現できるとは。
というか半年しか我慢できないとは…我ながら、僕の外出願望と妻の食べたい願望には飽きれてしまう。
そうしている間もひなちゃんの面倒を見ていてくれる僕の父親にはもちろん、それを許してくれる環境にも感謝である。
 久しぶりの二人での外出では、本当にのんびりとした時間を過ごした。いつも左手に持っているベビーカーもなければ、背中にひなちゃんの外出グッズの重さもない。いつ泣き出すかと心配することもない。
それはそれで身軽なのだが、少しだけ寂しい気もした。つい半年前まではこれが当たり前だったんだなと思うと、改めてひなちゃんの存在の大きさを実感する。
「結局ひなちゃんの話ばっかりやな(笑)」
アフタヌーンティーも終盤に差し掛かった頃、僕は言った。
「ひなちゃんが生まれる前に想像していたとおりだね」
と妻。
そう、きっとひなちゃんを誰かに見てもらってリフレッシュする時があっても、結局話題はひなちゃんのことばかりになるだろうというのは生まれる前から話していたことだ。
 「ほんとにゆっくりした時間を過ごしたな」
帰りの電車を待ちながら妻と余韻に浸っていると、突如父親からの電話が鳴る。
「さっきからひなちゃんぜんぜん泣きやまへんねんけど」
二人で苦笑。
ただここはせっかく余韻に浸ってたのに、ではなく、むしろここまでよく頑張ってくれたと全力で言いたいところだ。どっちにしても偉そうなことには変わりないのだが。
「何時にミルクあげたん?」
などといくつかお決まりの質問をして、これはミルクだとすぐに確信する。
「またミルク140ほど作ってあげてくれへん?」
いまだにひなちゃんは2時間ほどでお腹が空いて大泣きすることがある。一度にたくさん飲めないようだ。
「あと30分ぐらいで帰るから」
と伝えた父親からの返事はどこか安心した様子だった。
乗り換えの時に父親が好きなスイートポテトでも買って帰ろう。そして今日はいつもよりちょっとだけ長めにひなちゃんをだっこしてあげてもいいか。

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