大変な1週間

 今するか、ということをあえてやらかすのがひなちゃんである!というのはこれまでも何度も書いてきたが、子供の体調不良も例外ではない。
 僕が出張から帰ってきたその日。朝からひなちゃんが離乳食をあまり食べないというのはLineでも聞いていた。ちょうど日付が変わる頃に家に着くと、ひなちゃんが起きてぐずりだした。
これ自体はよくあることで、いつもならママのおっぱいですぐにまた眠りにつくところなのだが、その日は眠るどころかわーわー泣き出した。
だっこしても泣き止まない。そうなったら最後の手段でベランダに出るのだがそれすら効かない。逆に泣き止まないひなちゃんとそんな夜遅くにベランダにい続けるのも近所迷惑になってしまう。
熱はないし、鼻水や咳などの風邪症状もない。ただ、うんちの臭いが明らかにいつもと違うことに気付いた。
きれいな話ではないが、うんちの臭いも我々がひなちゃんの体調を見極める重要なポイントだ。
もしかしたらお腹が痛いのかもしれない。ぐずって泣いてはいるもののそれほど差し迫った泣き方でもないため、もう少し様子を見ることにした。
そうこうしているうちにどれぐらいの時間が経っただろうか。ようやく寝息を立て始めたひなちゃんとリビングのソファーに座れたのは明け方も近かった。
僕はそこでノックアウトしひなちゃんの世話をママにバトンタッチ。それからも1時間に1回ぐらいのペースで起きてはぐずぐずしていたらしい。
 次の日は朝一でかかりつけの病院へひなちゃんを連れて行った。案の定軽い胃腸炎ということで整腸剤をもらった。
「吐いたりしない限りはそれほど心配ありませんから。ただ下痢はしばらく続くでしょう」
と小児科の先生は軽く言う。
おいおいそれは今日みたいに眠れない夜がしばらく続くのか!と心の叫びをなんとか抑えて、まずはそれほど重症ではなかったことにほっとする。ただそれは大変な1週間の始まりだった。
 ひなちゃんもずっと泣いているわけではない。ご機嫌な時もある。ただやはり離乳食はあまり食べないのがしばらく続いた。
一番困ったのは何をしても泣き止まなくなる瞬間がやってくることだ。まるで波が来るように、1日に何度もそんなことがあった。
きっとお腹が痛いのだろう。我々の腹痛にも波があるように、赤ちゃんもそうなのかもしれない。というのはわかっていながらも、夜中に何度もそうなった時はこっちが大泣きしたい気分だった。
 GWの振替としてもらっていた休みはそんな日々で消えていった。逆に僕が休みの日で良かったと思う。
「私一人だったら発狂してたわ」
とママが言った。出張で家を空けることが多い今、日々の大半をママのワンオペに頼り切っている。ひなちゃんの体調が絶好調でも大変なのに、昼も夜も関係なく数時間置きに泣き出しては止まらないとなれば、我が子と言えど逃げ出したくなる気持ちは痛いほどわかる。
 幸いにも休みが明けてまた出張に行く頃にはひなちゃんの体調も落ち着いてきていた。ご機嫌でいる時間も増え、泣き止まなくなることもなくなった。そういう意味ではタイミングとしてはまだ良かったのかもしれない。
冒頭に書いた今このタイミングでやらかすか、というのは今回は訂正しておこう。腹痛を頑張って乗り越えたひなちゃんの名誉のためにも。

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