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悪魔の呪文(HOCUS POCUS)- FOCUS

オランダのプログレッシブバンドFOCUSの曲について語ってみたいと思います。

その曲は、アルバム『Moving Waves』の1曲目に収録されており曲名「HOCUS POCUS」(邦題 - 悪魔の呪文) です。

たまたまクレイジーケンバンドのギタリスト小野瀬雅生さんのnoteで、この曲について書かれた記事を読んで触発されました。

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学生時代に友人からヨーデル風ボーカルを大笑いされながらもよく聴いた曲です。このバンドのボーカルの人(タイス・ヴァン・レア or リール)は、実は多彩の人でフォーカス時代はキーボード、フルート、作曲もして、ギターのヤン・アッカーマンとのコンビは絶妙でした。

私が高校時代の話になりますが、当時CDは世に出たばかりでまだ世間はレコード文化でした。当然、再発モノなど全くなく毎週末になると大阪の梅田や難波の中古レコードショップにフォーカスのアルバムを探しに明け暮れた日々を思い出します。
当時大手レコードショップには全く置いてありませんでした。中古屋をしらみつぶしに当たっては砕けていましたが、そんな中でも『MOVING WAVES』は比較的手に入れやすい方でした。「悪魔の呪文」の間奏で何回か入るヤン・アッカーマンのギターソロは今聴いても圧倒されます。70~80年代前半で、こういったギターソロのフレーズを速く弾く人はあまりいなかったと思います。ブルージーな展開ではなく、奇抜なスケールで駆け抜けていく超速ソロとボリューム奏法で、当時を代表するギタリスト達に代表されるプレイとはかなりかけ離れたものでした。
ヤン・アッカーマンの存在というのは、フォーカスの隠れファンを増やしたと思います。何故か実は好きだというパターンが多いバンドだと思います。

しかしヤン・アッカーマンの魅力は速さだけではありません。このアルバム収録の「FOCUSⅡ」という曲を聴くとよくわかります。
ボリューム奏法(バイオリン奏法)から始まるイントロや、曲の場面場面によってギターのボリュームを調節して歪みを微妙に変化させるなど、曲がドラマチックに展開するのに合わせギターのサステインも考慮にいれてギターをうまく操っていきます。(ちなみにバイオリン奏法をレスポールで行うのは難しい)
この曲の展開はまるで劇を観ているみたいに変わっていって、最後にドラマチックに終わるという、フォーカスを代表する曲だと思います。

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