Mars*October Horse(火星と10月の馬)
今日は、まもなく逆行を始めようとしている火星の話を。
現在、火星は、北半球では夜遅くなって上がってきています。赤く見えるので見つけやすいと思います。
火星について
火星は、英語ではローマ神話の軍神・マルス(あるいはマーズ)の名で呼ばれます。もしかすると、セーラームーン(月に代わってお仕置きよ~)に出てくるセーラーマーズを思い浮かべる人が多かったりして?
マルスは3月の神だったそうです。3月=March=Martius(=マルス)
そういえば、ローマ時代の暦は1月、2月が無くて、新年は3月だったとか。
マルスは、農耕の神でもあったんですね。
収穫期の10月は、マルスに関係したお祭りが立て続けにあったようです。
【10月の馬】
その中で珍しいと思ったのが、10月15日に行われた「10月の馬」という行事。2頭立て馬車のレースを行い、勝利したチームの馬の1頭を槍(火星の象徴)で刺し殺し、生贄にするというもの。
犠牲になる馬は、右の馬と決まっていたそうです。右の馬のほうが、強いという理由だそうです。神への捧げものは、健康で傷の無い完全な生き物と決まっていますから、勝利チームの強い馬はその条件にあてはまるということなんでしょうね。馬にしてみたら、一所懸命走ってゴールしたのに、殺されてしまうなんて理不尽な話です。
聖書では生贄は牛か子羊が定番ですが、なぜ馬だったのか?
それは、マルスが軍神でもあったからでしょう。
神話によると、マルスは戦場では普段は徒歩だが、場合によっては黄金の額帯を付けた足の速い4頭の神馬に戦車を引かせ、青銅の鎧を着込んで両手に巨大な槍を持ち、戦場を駆け巡ったとか。
生贄に殺された馬は、収穫に感謝する為と来年の収穫の為に、頭と尾(陰茎)を切断され、頭は王宮に展示し、尾(陰茎)はヴェスタ神殿の聖なる火に血を滴らせるために運ばれました。
ただし、ローマ人は馬肉は食べられないと思っていたそうです。
ちなみに、4頭立て(クアドリガ)は太陽と四季を表し、2頭立て(ビガ)は月を表していたそうです。
ビガの2頭は、月が昼と夜の両方に見えるため、1頭を黒い馬(夜の月)、もう1頭を白馬(昼の白い月)にして、二元性を表したとのことです。
占星術では、火星は牡羊座の守護星。
牡羊座のことをAriesと言いますが、なぜSheepじゃないんだろう?と思ったことはありませんか? 私だけかな?
Ariesはラテン語「雄羊」だそうです。
また、火星の惑星記号「♂」は、マルスを象徴する盾と槍を図案化したものです。
男性を「♂」と表記されることがありますが、本来はマルスを意味する惑星記号で、生殖器を表しているのではありません。
惑星記号について面白い話があるので、またいつかまとめますね。
マルスと神々
マルスは、ユピテル(ジュピター)とユノ(ジュノー)の息子です。
ちょっと込み入った話では、ユピテル(ジュピター=ゼウス=木星)とユノ(ジュノー=土星の娘)は双子の兄弟です。今風に言えば近親相姦ですが、神話の世界ではよくある話ですね。
またユピテルであるゼウスは、多情家ゆえに多妻でしたが、正妻として認められていたのはジュノーだけです。
ジュノーは、結婚と出産の神。ジューンブライドは、ジュノーにちなんでいます。
占星術では、小惑星ジュノーを「(正妻の)権利」として占断します。
マルスから見ると、木星が父、土星は祖父、海王星(ポセイドン)と冥王星(ハデス)は父の兄弟=おじさんです。
マルスは、軍神の神々の中でも卓越した存在でした。また、背が高く、男神の中では一、二を争う美貌を持っていたとか。
そんなシュツとしたイケメンのマルスが愛したのは、アフロディーテ(=ヴィーナス=金星)。しかし、ヴィーナスは人妻でした。
その夫は、ヘーパイストス(バルカン)。バルカンもゼウスの息子で、マルスとバルカンは異母兄弟なのでした。
マルスとヴィーナスの恋物語は、Twitterに書いた記憶がありますが、浮気がバレて、ヴィーナスはバルカンと離婚。マルスは、バルカンに慰謝料を払ったとか。その調停に入ったのが、おじさんのポセイドン(海王星)でした。
二人の間には、ポボス(フォボス、敗走)とデイモス(恐慌)の兄弟、娘ハルモニアー(調和)が生まれたと言われています。
2022年秋冬の火星の動き
現実に戻って、現在の空のお話をします。
2022年10月19日現在、火星は双子座24度の場所にいて、愛する金星とは、なかなか会えないからラブコールは欠かさない距離。
パパの木星、海王星おじさん、冥王星おじさんからは「お前、しっかりやれよ」と叱咤激励されている様子。
祖父の土星には、「お前はいい子だね」と期待されています。
その土星じっちゃんは、曽祖父の天王星とは対立中。爺様天王星は、曾孫の火星は眼中にない態度を取っています。しかし、実際は・・・
この記事を書いている10月19日は、Armilustriumというマルスを称える日だそうです。ローマ時代は、この日は武器を浄め、冬の間武器を保管していたとか。冬は戦争をしなかったということなんでしょうね。
でも、今年は冬将軍の足音が近づいてくると、火星は活動が活発になります。その支度をするように、火星は18日からアウトオブバウンズになりました。(~2023年5月7日まで)
火星は、ハロウィーンに合わせるように30日に逆行を始め、来年1月13日まで逆行を続けます。
パパとおじさんからの叱咤激励はますます強くなりますが、いちばんやっかいなのは冥王星おじさんの圧力です。
火星と冥王星がハードアスペクトを取る時は、権力の衝突として闘争や戦争が起きやすくなります。また、冥王星が山羊座にあるため、地震と火山活動が増加する傾向があるそうです。
火星と冥王星のサイクル
【0度】
2022年の火星冥王星サイクルは、2022年3月3日に山羊座27度で起きました。ロ**のウ****侵攻で、世界中がワチャワチャしていた時期です。
日本では不思議なことが起きました。3月5日に那須の殺生石が割れたそうです。元々ひび割れが入っていたそうですが、何かの暗示のような気がしました。
「九尾の狐」伝説の「殺生石」が真っ二つ…SNSでは「狐が復活しないといいけど」 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
今年に入って北の国からのミサイルが激増した件もありますが、
などのように、工場や倉庫火災やサイバーアタックのニュースも春は何度かあった気がします。
また3月16日に福島県沖でM7.4の地震が発生しました。「福島県沖地震 (2022年)」
宮城県や福島県で最大震度6強の揺れを観測し、震度6弱~1の揺れを北海道から九州地方にかけて観測しています。
【90度】
火星と冥王星がタイトなスクエアになったのは、7月2日。
7月はどうしても安倍元首相の暗殺事件が浮かんでしまいますが、オーブを含むと夏至の頃に火星と冥王星はスクエアを取り始めています。
スクエアが解消されたのは、7月14日ごろです。ちょうど選挙活動期間と重なりますね。
【150度】
そして、現在は火星と冥王星はクインカンクス(150度)です。150度は、強制力のあるエネルギーです。
クインカンクスになり始めたのは10月12日ごろ。冥王星が逆行終了し、10日は満月でした。そのあたりのことは以下の記事に書いています。
しかし、まるで冥王星おじじの「やれ!」の合図(逆行終了)に呼応するように、世界の動きが激しいです。
日本は相変わらず壺な宗教問題がメインですが、円安もエネルギー問題も見逃せなくなってきました。
火星と冥王星のクインカンクスが一番タイトになるのは、火星が逆行を始める10月30日。クインカンクスは11月16日ぐらいまで影響するでしょう。
【180度】
火星と冥王星がオポジションになるのは、来年5月ごろです。その時は、すでに冥王星が水瓶座に移宮しています。
そのまえに重要なイベントが、今月25日の日食です。山羊座冥王星最後の蝕になります。この日食については別の記事にします。
長くなりましたので、今日はこのへんでおしまいにします。お読みくださりありがとうございました。
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