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“All shall be well”*②Coronation of Charles III

聖体拝領の中で行われる戴冠式は、キリスト教の礼拝行為であり、私たちの神がしもべの王であることを思い起こさせます。
奉仕が終わると、新たに油そそがれ戴冠した王と女王は、他の人を愛し、奉仕するために、神によって世に送り出されます。
(カンタベリ―大主教ジャスティン・ウェルビー大司教)

チャールズ3世の戴冠式について、続けて書いていきます。


神のしもべの王

チャールズ3世は、エリザベス女王が逝去された2022年9月8日時点で英国王に即位しています。これは「世俗的な王」(現実世界に力を持つ王様)を継承しているということになります。
今度は油注がれて、「神のしもべの王」になります。
戴冠は英国国教会の長になるという意味もあり、「霊的な祭司」(精神世界を司る)になるということだと思います。

塗油のスクリーン

前回の記事では、詳しくお伝え出来なかったスクリーンについて書きます。

スクリーンは、チャールズ国王の旧知である図像学者のエイダン・ハート(Aidan Hart)氏がデザインし、王立裁縫学校のスタッフと生徒たちによって製作され、シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションとシティ・リバリー・カンパニーズから贈られました。

生命の木を刺繍したスクリーン

図像学iconographyは、中世のキリスト教美術で教義を伝えるために発達した学問とのことです。
エイダン・ハート氏のウェブサイト

エイダン・ハート氏は、セント・ジェームズ宮殿の礼拝堂にある「連邦の木のステンドグラス」からインスピレーションを受けたとのことでした。
このステンドグラス窓は、2002年にエリザベス女王のゴールデンジュビリーを記念してリヴァリ・カンパニーズから寄贈されたものです。

セント・ジェームズ宮殿の礼拝堂にあるステンドグラス

セント・ジェームズ宮殿は、18世紀までは王族の正式な住居でした。
チャールズ1世が処刑前夜を過ごしたのもそこで、2022年にチャールズ3世の即位が正式に発表されたのもそこでした。

3枚のスクリーンの正面(国王の背中側)には、生命の木をイメージさせる連邦の木と、56の加盟国を表す56枚の葉が施され、木の葉の1枚1枚に国名が刺繍されています。
木の根元には、チャールズ3世のサイファー(ロゴ)が配置され、国王がこれらの連邦国とこれらの国民のしもべとなることを表しているそうです。
赤い花は、イギリスの国花バラ(王室のチューダーローズ)です。

その下には、ノリッジのジュリアンの"All shall be well, and all shall be well, and all manner of thing shall be well."(すべてがうまくいく、すべてがうまくいく、そしてすべての事柄がうまくいくだろう)という言葉が引用されています。
良い言葉ですね。幸運な未来を信じる強さを感じます。

エイダン・ハート氏のtweetより

メインスクリーンのデザインは、イギリス連邦諸国を象徴する木、聖別する聖霊を表す鳩、その上にある三位一体の「星」、そして喜ぶ天の天使たちを組み合わせたものです。

側面の2枚は、金、青、赤の十字が刺繍されたシンプルなデザインです。
スクリーンの木枠上部には、金メッキされたブロンズの2羽の鷲が取り付けられています。以前の戴冠式の天蓋にも鷲が付いていたそうです。

彫刻家のTim Royall氏が製作

祭服とレガリアに見る象徴

塗油のあと、チャールズ3世は祭服に召し替えられました。
白いシャツの上に、コロビウムシンドニスColobium sindonisと呼ばれるノースリーブのリネンチュニックを着ます。
世俗的な虚栄心を手放し、純粋さとシンプルさを象徴しているそうです。

通常、戴冠式ごとに新しいコロビウム シンドニスを作るそうなのですが、チャールズ3世は、祖父ジョージ6世のコロビウム シンドニスを着用しました。

その上にスーパーチュニカと呼ばれる金襴のローブを着用します。
これはジョージ5世の戴冠式(1911年)のために作られたもので、100年以上前のものです。

左がスーパーチュニカ、右はインペリアルマントル
スーパーチュニカは、初期キリスト教会とビザンチン帝国で着用されていた
ローブからインスピレーションを得ています。
ガードル(剣ベルト)とコロネーショングローブ

ガードルは金地で、アラベスクが刺繍されています。濃赤の絹が裏打ちされ、英国の紋章(バラ、アザミ、シャムロック)が刻印された金のバックルと、剣を取り付けるための金のクリップが付いています。

祭服への着替えが終わると、レガリアの贈呈が行われます。
まず初めはスパーズ(乗馬用の拍車)。次に宝剣(国王の剣)。
宝剣は、1820年にジョージ4世の戴冠のために作られたもので、イギリスを象徴する草花がエメラルド、ルビー、サファイア、ダイヤモンドで象られています。

宝剣の次は、「誠実さと知恵のブレスレット」と呼ばれるアーミルズ(ブレスレット)。
これらのレガリアは、キリスト教色が少ないということで、キリスト教以外の宗教の指導者が国王に贈呈する役を担っていました。

戴冠式のレガリア

ウィリアム王太子から国王にストールロイヤルが贈られ、国王はその上にインペリアルマントル(ローブ)を着用します。

ストールロイヤルには、鷲、鳩、聖ペテロの鍵やイギリスを代表する植物が刺繍されています。
他にコモンウエルスのオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、インドなどを表す草花と、聖書の4つの福音書からマタイは天使、マルコは翼のあるライオン、ルカは翼のある雄牛、そしてヨハネを鷲にあてはめて描かれているそうです。

ストールロイヤルの象徴

1821年に作られたインペリアルマントルには、バラ、アザミ、シャムロック、王冠、鷲、フルールドリスが織られています。
金の留め金には鷲。鷲は、油注ぎのスクリーン、精油のアンプルにもシンクロしています。

インペリアルマントル(ローブ)の留め金
ガードル(剣ベルト)とコロネーショングローブ

ガードルは金地にアラベスク柄が刺繍され、濃赤の絹が裏打ちされています。バラ、アザミ、シャムロックが刻印された金のバックルと、剣を取り付けるための金のクリップが付いています。

ソードベルト

国王の剣が贈られている間、チャールズ3世の父エジンバラ公フィリップ殿下へのオマージュとして、ギリシャ正教のビザンチン聖歌が歌われました。

ビザンチンギリシャの賛美歌を歌う聖歌隊

次に贈られたのが、世界を表す球体の上にキリスト教の世界を象徴する十字架がついたオーブ(宝珠)。

カンタベリー大司教は、オーブを国王の右手に置き、こう言われました。
「十字架の下にあるオーブを受け取りください。常にこの世の王国は、主およびキリストの王国になることを心に留めてください。」

その次に贈られたコロネーションリングは、ルビー、サファイヤ、ダイヤモンドで装飾されています。リングは王の威厳の象徴であり、神と国王、国王と国民の間で誓われた約束の象徴です。

次に、シーク教徒の代表者としてインダルジット・シン卿からコロネーショングローブが贈呈されました。
コロネーショングローブは、右手用です。なぜ右手だけなのかは後述。

コロネーショングローブ

グローブは、祖父ジョージ6世のために作られたもので、革製で手首にはチューダーローズ、アザミ、シャムロック、オークの葉、ドングリが、金糸、ワイヤー、スパンコールで刺繍されています。
手の甲部分は、ニューカッスル公爵の紋章の上に赤いベルベットで刺繍されたデュカルコロネットが付いており、赤いサテンで裏打ちされています。

ニューカッスル公爵は、かつて存在したイギリスの公爵位。
ニューカッスル=アポン=タイン公爵(Duke of Newcastle-upon-Tyne)とニューカッスル=アンダー=ライン公爵(Duke of Newcastle-under-Lyne)の2つがあった。

ニューカッスル公爵の紋章

初代ニューカッスル公爵ウィリアム・キャンディ・ベッシュ(1592年12月6日 - 1676年12月25日)は、チャールズ1世・チャールズ2世父子に忠誠を尽くし、最終的に公爵に叙任された人物です。

右手だけの理由

なぜ、ニューカッスル公爵の紋章が入っているのかが不思議だったので、調べてみました。
中世後期および中世盛期のイングランドの封建制度下では、サージェンティ(Serjeanty)と呼ばれた階級には、騎士としての奉仕以外の特定の義務、通常は国王や貴族に対する任務の遂行と引き換えに、土地を財産として割り当てられていました。領主という位置付けだと思います。

11世紀に王室は、ノッティンガムシャーにあるワークソップの邸宅の最初の持ち主だったバートラム・ド・ヴェルダンに手袋を提供し、その手袋を着用するという条件でグランド・サージェンティに任命しました。
彼は戴冠式で、王笏を持つ国王の右腕を支える役目でした。

現在のワークソップ マナーハウス(2017年)

その後、邸宅の持ち主が変わっても、領主が戴冠式で王の右手を支える役目は引き継がれていきました。
16世紀にワークソップの邸宅はニューカッスル公爵に売却され、ニューカッスル公爵家が、20 世紀まで所有していたそうです。
初代ニューカッスル公爵は、チャールズ2世の寵臣だったので、当然、戴冠式で王の右腕を支えていたことでしょう。

故エリザベス女王の時代には、ワークソップの邸宅が企業所有になっていたため、ランカスター公国の首相(ウールトン卿) が、右腕を支える代わりに「右手」のグローブを贈呈しました。
チャールズ3世の戴冠式は規模が縮小​​されたため、インダルジット・シン卿(シーク教徒の代表者として参加)が手袋を贈呈する役に任命されました。

つまり、右手だけのグローブには、王の右腕を支える意味があったのです。
エリザベス女王の戴冠式は5時間だったそうですが、中世の戴冠式は王の腕を支える家臣が必要なほど長時間だったんでしょうね。

グローブを進呈するインダルジット・シン卿

チャールズ3世は、グローブをはめた右手に王の権力と正義を意味する十字架の王笏を受け取り、左手に「公平と慈悲」の鳩の王笏を受け取りました。

<カンタベリー大主教>
イエスの洗礼の際に、イエスに油を注がれた主の御霊が、今日あなたに油を注いでくださいますように。
あなたが知恵とともに権威を行使し、恩寵とともに導くことができますように。国民に対するあなたの奉仕によって、地球全体に正義と慈悲がなされんことを。

戴冠式に用いられるレガリア

レガリアについては、下の記事にも書いています。

The Crowning(戴冠)

国王以外の全員が起立し、いよいよ戴冠です。
聖エドワードの王冠を、国王が身に着けるのは戴冠式のときだけ。一生に一度です。
カンタベリ―大主教は、『最後の晩餐』が描かれた祭壇に向かい、聖エドワードの王冠(2キロ超)を高く掲げ、祈りを捧げます。

王の中の王、主の中の主よ、この王冠を祝福を与えてください。
あなたのしもべチャールズに聖別をし、王の権威の象徴として、この王冠を置かんことを。神の恩寵を王冠として戴き、大いなる恩寵と王の美徳でわれらが主であるイエス・キリストを通じて満たされることを願います。
キリストと神と精霊とともにあらゆるものを統治し、君臨されますように。
一人の神、永遠なる世界。アーメン。

戴冠の瞬間
涙ぐんでいるように見えるチャールズ3世

「God save the King」の声が寺院に響き渡ると、ファンファーレと共にウエストミンスター寺院の鐘が2分間鳴らされました。
国王軍王立騎馬砲隊が祝砲を発砲。これに英国全土、ジブラルタル、バミューダ、海上の船舶の敬礼、基地での祝砲が伴いました。

戴冠の瞬間のホロスコープから見えること

戴冠の瞬間は、現地時間で12時2分でした。
塗油から16分後ですので、塗油のホロスコープとほとんど変化はありませんが、カスプ、アングルが移動がしており、塗油の時には12ハウスにいた火星が11ハウスになり、MCに重なっていた木星が9ハウスになっています。

2023年5月6日12時02分のホロスコープ

王の治世のゴールを表すMCは牡牛座1度。木星と北ノードが、MCを挟んでいます。
MCのサビアンシンボルは「電気的な嵐」。突然の変化に見舞われる。
その突然の変化は、戴冠の日に太陽(国王)にコンジャンクションしていた天王星が双子座に入る2026年頃に起きるかもしれない。

治世の最終結果を意味するディセンダントは水瓶座17度。
サビアンシンボルは「人間の秘密の動機が、公的に仮面をはがされつつある」。開き直って堂々と、自分らしく生きる、みたいな意味があります。

チャールズ3世は、初恋の人だったとはいえ人妻になっていたカミラさんと不倫し、若く美しい妃ダイアナと離婚。さらにダイアナ妃が事故死されたことで、英国内外で批判に晒されたわけですから、その時点で「将来は国王になる素敵なプリンス」という仮面が剝がされましたね。

トランシットをチャールズ3世のネイタルに重ねて見ると、トランシットMCには、チャールズ3世の牡牛座0度の月(母エリザベス女王の太陽)がコンジャンクション。

2023年5月6日トランシット

そして、ネイタルの蠍座太陽とオポジションしている小惑星キングに、トランシット天王星がコンジャンクション。
トランシットの小惑星シャルルロワ(チャールズ王の意味)は水瓶座27度にあり、ネイタルの蠍座太陽、トランシットのキングとでTスクエアを形成しています。
また冠の意味の小惑星コロニウスは、ネイタルのシャルルロワにコンジャンクションしています。
間違いなく即位のタイミングだということを、宇宙がダメ押しのように示しているように見えます。

チャールズ3世のディセンダントのサビアンシンボルは「神秘劇で儀式を演じる仮面をかぶった人物」。トランシットのディセンダント「仮面を外された男」とシンクロしています。
意味は、与えられた役割を引き受ける責任能力と自覚。
チャールズ3世は、国王としての責任を引き受けたのだから、仮面が剥がされようとも(王族のゴシップなどがわんさか出ても)、国王としての責務を果たすことでしょう。彼なりのやり方で。

惜しむらくは、月とノードが合のせいで、まったく知らない人にも恨まれてしまうため、望まない敵が多いと言うこと。
君主制に反対している人の中には、「ウィリアム王子が、王になるなら君主制でもいい」と言っている人もいて、なんだそりゃと思いました。
私は、チャールズ3世のファンではないですが(普段は呼び捨てにしている(苦笑)、その点は気の毒に思っています。

責任と制限の土星が、チャールズ3世の10ハウスに入るとき、冥王星がディセンダントに重なるときもちょうど3年後の2026年、77歳の時です。
チャールズ3世の統治のピークということかもしれません。

キリスト教各派による祝福

キリスト教各派の指導者が祝福を述べる
玉座のチャールズ3世

キリスト教各派による祝福も、今回はじめて行われました。
私的には、英国国教会とローマ・カトリックの数百年に及ぶ確執と、流された多くの血を思って不思議な気持ちになりました。

忠誠の誓い

チャールズ3世は、教会のクロッシング(身廊と翼廊が交差するところ)に移動し、玉座に着席して「即位」を明らかにします。
英国国教会の司祭たちとウィリアム王太子が、ひざまずき忠誠を誓いました。

伝統では、他の王室メンバーも忠誠を誓ったそうですが、チャールズ3世は、王室メンバーたちが王の前でひざまずくのは止めにしたそうです。

ウィリアム王子のキスを受けたときのチャールズ3世は、
はにかんで幸福そうに見えました。

私、ウェールズ公ウィリアムは、国王への忠誠を誓い、信仰と真実を捧げます。生涯、国王を守る家臣として使えます。
神のご加護が与えられますように。(ウィリアム王太子の誓い)

また初めての試みとして、カンタベリー大主教は、式の参列者にも国王への忠誠と称賛を呼びかけました。

王妃の戴冠

カミラ王妃の塗油と戴冠、リング、王笏の贈呈が行われました。
王妃の戴冠は86年ぶりです。

王笏を贈呈するローズ司教(女性司教です)

カミラ王妃がクロッシングの玉座に着席すると、チャールズ3世の友人でもある作曲家アンドルー・ロイド・ウェバー氏が、この日のために作曲した旧約聖書の詩篇 98篇がロイヤルチャペル聖歌隊によって歌われました。
明るく希望を感じられる曲調でした。

ロイド=ウェバー男爵アンドルー・ロイド・ウェバー(1948年3月22日 - )は、ミュージカルで大きな成功を収めたイギリスの作曲家。
代表作に『ジーザス・クライスト・スーパースター』『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『サンセット大通り』などがある。

アンドルー・ロイド・ウェバー氏のtweetによると、このときの曲がダウンロードできるようです。

聖餐式(聖体拝領)

王と王妃は、主祭壇の左脇から退出。その後お出ましになられたときは(主祭壇右脇から再入場)、お二人とも冠を外されていました。

カンタベリー大主教が主祭壇で祈りを捧げ、聖餐式(聖体拝領)の儀式が始まります。聖体拝領はカトリックではよく行われますが、プロテスタントの英国国教会でも行われているんですね。

新約聖書には、イエスが引き渡される前に、弟子たちと最後の食事を共にし、自分の記念としてこの食事を行うよう命じたことが記されている。
これが「最後の晩餐」である。
イエスはパンを取り、「これがわたしのからだである」といい、杯をとり「これがわたしの血である」といって弟子たちに与えた。

『コリントの信徒への手紙一』 (11:23-26) にも述べられており、初期からこの儀式が行われていたことが分かる。
キリスト教徒はこの儀式を行うことで、そこにキリストが現存するという信仰を保持してきたが、宗派によって細かいやり方や考え方は異なっている。

『最後の晩餐』のシーンが描かれた主祭壇
二人の女性司祭が聖体拝領を受ける

国王と王妃も聖体拝領を受けられ、カンタベリー大主教により『主の祈り』が捧げられました。

国王と王妃は、今度は主祭壇の右脇から退出されました。
15分ほど讃美歌が歌われ続け、さすがに「あれ?戴冠式、終わったの?」と思ったところに、今度は主祭壇の左脇から、王冠を付けたチャールズ3世とカミラ王妃が再びお出ましになられました。

寺院と人体とアンク

何気に観ていたのですが、面白いことに気付きました。

式の始まりは、国王と王妃が西門から入って来られて、身廊の中央を歩いてサンクチュアリと呼ばれる主祭壇の前(東)へ。
宇宙を表現したコスマティ舗装の上で戴冠が行われたあと、クロッシングの玉座に着席し、戴冠後の一時退出は主祭壇の左脇から出て、右脇から再入場。
聖餐式が終わった後は、主祭壇の右脇から出て、左脇から再入場。
そして再び身廊を歩き、西門から世界に送り出されたのです。

玉座が置かれたクロッシング(身廊と翼廊が交差する場所)は、人の身体で言えば心臓のような場所。
主祭壇の後ろはアプスと呼ばれる場所で、チャクラでいえばクラウンチャクラかな。
偶然かもしれませんが、国王の一連の動きは、血液の流れや「アンク」を象っているように思いました。

下のリンク記事では、ウエストミンスター寺院の成り立ち、建築様式、内部構造について書きました。長いですが良かったらご覧ください。

final procession(行進)~パレードへ

チャールズ3世は、今度は大英帝国王冠をかぶり、右手に十字架の王笏、左手にオーブを持ち、『God save the king』が歌われる中、王と王妃は西門へ向かわれます。

国王のマント(ローブオブエステート)は、祖父ジョージ6世が着用したもので裾の長さが6m。
孫のジョージ王子が裾を持つペイジボーイを務めています。
カミラ王妃の手前に映っているのがジョージ王子(9歳)
カミラ王妃のドレスについては別記事に書きます。
ローブを持つペイジボーイは王妃の孫や親戚のお子さんたち。

西門の前では、キリスト教以外の宗教指導者たちが並んで、チャールズ3世へ祝福の言葉を述べていました。

「陛下、信仰の隣人として、私たちは無私の奉仕の価値を認めています。
私たちは、感謝の気持ちを込めて、あらゆる信仰や信条を持つ人々と団結し、共通の利益のためにあなたに奉仕します。」

このあと国王と王妃は、ゴールド・ステート・コーチと呼ばれるジョージ3世の時代に作られた金ぴかの馬車に乗り、パレード、そしてバッキンガム宮殿でのCoronation balconyに向かわれました。

パレードの後を追いかけるように、バッキンガム宮殿へ小走りで向かう人々の数の多さ、熱気が画面からも伝わってくるようでした。
生中継を観ていたので、人を増やすなどの加工はされていないはずと思います。こういうのを見ると、メディアの言う「王室離れ」の真実味が薄く、印象操作なのかなと感じます。

パレードの後に連なる人々
宮殿前広場を埋め尽くす人々

次の記事では、カミラ王妃のドレスに秘められた想いや、ウィリアム王太子夫妻らのコスチュームについて書きたいと思います。
長い記事を最後までお読みくださりありがとうございました。

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